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『殺された側の論理』『その「記者会見」間違ってます!』『花嫁人形』

【元記事:『殺された側の論理』『その「記者会見」間違ってます!』『花嫁人形』:d:id:manpukuya:20070228:book

最近の新刊から、いくつか紹介。

藤井誠二『殺された側の論理−犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」』

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

このタイトルは、本多勝一の『殺される側の論理』(ISBN:4022608072)を意識したものだろう。殺されてしまった人の遺族に取材した本。

こういうテーマを考えるときは、これらの本もおすすめです。

心にナイフをしのばせて

心にナイフをしのばせて

1969年に起きた、高校生による同級生殺人事件の話。この本の宣伝では「加害者はいま、弁護士をしている!」みたいな部分が強調されているようだ。でも実際の内容は、被害者の家族が事件後たどった道の聞き取りがほとんどである。

「法の下で罪を償った」ことと本人の更正意識の関係など、いろいろ考えさせられた。

自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

自閉症裁判―レッサーパンダ帽男の「罪と罰」

こちらも、罪を罪と意識できるか、罰が罰として機能するのかというテーマが扱われている。この事件の犯人に自閉傾向があっても特別な話にはならない。自分が意識せず「犯罪者」とされ、裁判にかけられたとき、自分には「罪」の意識が芽生えるだろうか。そして「罰」を受ければそれでよし、ということになるだろうか。

中島茂『その「記者会見」間違ってます!「危機管理広報」の実際』

その「記者会見」間違ってます!―「危機管理広報」の実際

その「記者会見」間違ってます!―「危機管理広報」の実際

企業のマスコミ対策本が、ここ数年増えているような気がする。不祥事が発覚したときにどうすればよいのか、冷静な対応をできれば不幸になる人が減るだろう。

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佐々木丸美『花嫁人形』

花嫁人形 (佐々木丸美コレクション)

花嫁人形 (佐々木丸美コレクション)

2005年の暮れに亡くなった作家、佐々木丸美の復刊。世間の評価は高いものの、彼女の本は本人の意志で長らく絶版のままだった。

著者が亡くなったことで復刊されるのは決して悪いことではない。詩のような美しい文章で繊細な物語が描かれており、とても独特でいい本なので、たくさんの人に読んでもらいたいとも思う。のだけれど、この一件ではなぜか、とてもとても複雑な気持ちになる。

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