SDVリカンベントに乗る
松浦晋也さんの取材に編集者として同行し、千葉の新検見川で高出力自転車「SDV」を作っているOTEC(オーテック)へ。
SDVは、チェーンを渡した2つのギアをペダル部分に配し、踏み込み時の力学的効率を上げるという方式。SDVのペダルの動きはアニメーションの通り。ちょうど、陸上のトラックをランナーが周回するようにペダルが動いていく。
取材の前後に、SDV方式のリカンベントに試乗させていただいた。
リカンベントのペダルは、自転車の前輪のちょうど上にある。背もたれを倒した椅子に腰掛けるような姿勢で、足を前に伸ばして座る。視界が悪いように思うかもしれないが、リカンベントでは視線が斜め上に固定される。普通の自転車では懸命にこぐほど下を向いてしまうため、リカンベントの視界はむしろよい。一方、リカンベントでは乗車時の車高は低いため、旗を立てて乗る人が多いとのこと。
松浦さんは、BD-1という折りたたみ自転車をリカンベントに改造しており、リカンベントには慣れている。こちらはリカンベントに乗るのは初めてだ。最初はコツがつかめずふらついたが、少しずつうまく乗れるようになってきた。花見川のサイクリング道に出ると、松浦さんはどんどん進んでいく。こちらも一生懸命追いかける。結局1時間くらいかけて、川沿いに海まで往復した。川に出るまで少し迷ったから、距離は15kmくらいだろうか。
- スタート・ゴール地点(海は左下へ):map:x140.0931y35.6679
SDVは、膝を曲げた状態から足をまっすぐ伸ばすときの、足の裏の動きをしっかりとらえてくれる感じがある。リカンベントが初めてだったこともあってか、普通の自転車のペダルとの違いはあまり意識せずにすんだ。追い越す自転車よりも足の回転数が少ないのに、逆にスピードが出るのが面白い。足を動かす量に対して、出るスピードが大きいという印象。ローマ字入力は2打鍵で1文字が基本だが、かな入力なら1打鍵で1文字入力できることに似ているなと思った。
意外だったのは、痛めている膝にまったく負担がかからなかったこと。ももの内側の筋肉は使うが、膝は平気だ。膝が痛むからもう自転車にはあまり乗れないと思っていたので、これは意外な発見だった。
SDV自体の展開はごくごくゆっくりながら、少しずつ進んでいる。産総研とも共同研究しているそうだ。というような取材の成果がどこに出るかは、近くお知らせできるはず。
なお、SDVの記事が4月15日発売の雑誌「Pen」に掲載されるとのこと。
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晴れ
- 2006年4月1日の記事をまとめ読み:http://ima.hatenablog.jp/entries/2006/04/01