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詐欺の新商売

【元記事:詐欺の新商売:d:id:manpukuya:20030725:p2

同僚がゆうべアパートに帰ったら、ドアに貼り紙がしてあったそうだ。「家賃の振込先は今まで通りです」という内容だったという。

なんでも、同じアパートの別の部屋に「家賃の振込先がこちらに変わりました、ご注意ください」というハガキが投函された。「新しい振込先」の口座はもちろんニセモノで、うっかりそちらへ振り込んでしまうのを狙った詐欺なのだ。月末の、家賃を振り込む時期にそういう葉書を出すとは、うまいこと考えたものだ。

このところ、新手の詐欺がいろいろ出ている。「オレ、オレ」と騙って金を振り込ませる詐欺もそうだし、嘘の「最終通告」メール*1で金を振り込ませる詐欺もそうだ。今回の「新振込先」詐欺は初めて聞いた。しかも同僚は、その現場の近くにいたということになる。ちょっとドキドキものである。そして、詐欺にもいろいろあるものだと思った。

不動産屋巡り

【元記事:不動産屋巡り:d:id:manpukuya:20030725:p1

先週から、連日不動産屋に通っていた。住む地域は決まっており、その中でいろいろ条件を出していく。

  • 駅からの距離
  • 家賃
  • 間取り
  • 駐車場の有無
  • その他の条件(追い焚きできる風呂が欲しい、定期借家物件は不可、など)

これらを用紙に書くと、不動産屋がいくつかの物件を提示してくれる。しかし、今までに見たどの物件も一長一短、いや一長二短くらい。決して高望みをしているつもりはないのだが、「ここは不満だけれどまあいいか」という合格ラインに達するものはどうしても出てこず、「ここがちょっとね」という感想が残るものしか見つからない。上に挙げた条件でレーダーチャートをつけてみたら、チャート全体の面積はそれなりに広いが、極端にへこんでいる部分もある、というような物件ばかりである。部屋探しは何度目かになるが、ここまで難航するのは初めてだ。

物件を探していて面白いと思うのは、不動産屋がたまたま「そうそう、あの物件はどうかしら」のような調子で思い出した物件や、「お客さんの条件からは少し外れるかもしれませんが」と出てくる物件が案外いい、なんて状況が珍しくないことだ。

どんなところに住むかは、人にとってきわめて重大な選択のはずだ。その選択が、不動産屋の脳内データベースというきわめて不確かなものの出来に左右されている。

また、不動産屋は物件の情報を互いに融通しあっている。いくつもの不動産屋に通っていると、すでに見た物件をまた見ることが多くなる。しかしそれでも、どの不動産屋でもほぼ確実に、初めて見る物件が出てくる。それは「ウチはここのオーナーと仲がいいから、情報が公開される前でも予定を教えてくれるんだ」というものもあるし、「これは昨日出たばかりの物件です」というものもある。つまり、物件探しは縁やタイミングという運の要素にも左右されるのだ。なんだか変なバランスだ。

こうして、「ここならまあいいか」の物件を引き当てるまではと、不動産屋巡りを続けてきた。するとだんだん、不動産屋との話が通りやすくなってくる。

「お客さん、もう何軒か回られました?」

「ええ、見た中では××と××がありましたけれど、こういうところがイマイチで…」

「あの物件は確かにそうですね。でもあの周辺だと、そのほかにはちょっと見つからないかもしれませんねー」

という調子。それでもいい物件はどうしても出てこず、さすがに疲れてきた。今回は及第点の物件を見つけられないまま、その中でも総合得点が最も高い物件に決めたのだった。