かえりみられない人たち:「ドリーム」

NASAマーキュリー計画を陰で支えた黒人女性たちの話。宇宙開発以外でも同じような目に遭っていた黒人女性はたくさんいたのだろう。そしてここまで明らかに有能でないと、差別を打ち破るのは難しいのだなとも感じた。

「マイノリティ」は一般的に「少数派」と訳される。しかし数に関係なく、「かえりみられない人々」のニュアンスもあるとどこかで読んだ。主人公たちはその意味でまさにマイノリティである。そのことが遠いトイレに象徴されていた。原題の「Hidden Figures」(隠された人々)というのも、数の問題ではなく気を配られることがない人々であることを表している。

原題といえば邦題で、この「ドリーム」という邦題はちょっとすごい。加えて当初は「私たちのアポロ計画」という、この映画はアポロ計画以前の話なのに謎の副題がついていたりもした。「Gravity」→「ゼロ・グラビティ」、「The Martian」→「オデッセイ」、「Arrival」→「メッセージ」に続く、ちょっとアレな邦題ラインアップにこの「ドリーム」も加えてあげてください。

ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち (ハーパーBOOKS)

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宇多丸の映画評は長いけれど、この映画のよさをしっかり語ってくれています

(2018年7月1日更新)