2018年の小惑星リュウグウ到着に向けて小惑星探査機「はやぶさ2」の近況

日時

  • 2017年12月14日13時30分~14時30分

登壇者

中継録画

現在の「はやぶさ2」概要

今日から、リュウグウまでの距離をはやぶさ2のページのトップに出すようにしている。

プロジェクトの現状と全体スケジュール

到着は計画通り来年6月~7月。

今日は運用訓練について詳しく。

2017年7月以降の運用

TIリセットは9月5日に実施。帰還までリセットの必要なし。

小惑星到着に備えて

事前情報がイトカワより少ない。今回は自転軸の向きなどがわかっていない

タッチダウンはやぶさでは予定通りにできなかった

前回は「こんなこともあろうかと」があったが今回もいろいろ考えている。

トラブル対処あれこれ。

サクセスクライテリアとの関連。可能であればフルサクセス以上のことをやりたい。

リュウグウが予想と異なる場合の対応案の例。行かないとわからないことがたくさん。

運用シナリオにおける対応。行ってみると予定が変わるかもしれない。

運用シナリオにおける対応の方針(案)。リュウグウに衛星があった場合、着陸機を分離できなかった場合など。1回目のタッチダウンができなかった場合原因を調べて再度試みる。

LSS訓練

LSSは着陸点選定(Landing Site Selection)。1か月程度で行う。短期間で的確なLSSができるよう訓練を実施。

出題側と回答側に分かれて訓練。出題側は正解のデータを作りその観測結果を回答側に渡す。

リュウグウは地球に衝突する可能性がゼロではない。直径800メートル台でイトカワの長径の1.6倍くらい。重力も大きいだろう。

メインベルトから外れてきたものと予想。そういう小惑星は1,000万年ほどで他天体に衝突したり太陽系外へ出て行ったりする。

リュウゴイドについて。訓練用の形状モデル。3億ポリゴン。

ONC画像からLSSを行う。

地形の命名ルールはなんでしょう。スノーホワイト(白雪姫)から。

自転周期を知る。LSSまでには確実に。

安全スコアの表面分布。タッチダウン時に地球が真上にあるかどうかなど。青いところが比較的安全、赤いところが危険、灰色は着陸できない。

ボルダーサイズ頻度分布。なるべく岩がごつごつしていないところを探す。

MASCOTはターゲットマーカーと間違える可能性を避けるため、タッチダウン点とは別のところに落とす。

サイエンス

科学目標。理学目標と工学目標。

リモートセンシング。層状含水ケイ酸塩。抜けきらなかった水分が岩石の中に取り残される。詳しくはサンプルリターンまで待たないといけない。

リュウグウ形成衝突。リュウグウ微惑星の衝突破壊で生成された破片天体。

まとめ:地球初期進化への知見を得られる。

国際協力。OSIRIS-RExは来年8月(中旬から下旬)にベヌーに到着予定(はやぶさ2と同時期)。相乗効果を期待。

広報・アウトリーチ

自転パラメータを発表。当選者はWebで。

リュウグウ想像コンテストは今日発表。http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20171214/

新しいトップページ。http://www.hayabusa2.jaxa.jp/ リュウグウまでの距離が出るようになった。

今後の予定

第3期イオンエンジン運転。ここでうまく運転できないと最悪到着できない。開始が1月8日の週くらい、終了が6月4日の週くらい。

6月21日~7月5日ごろホームポジションに到着予定。

来年の春のイオンエンジン運転中に記者説明会を予定。

5月以降は状況に応じて随時報告。

質疑応答

日刊工業新聞:41ページの今後の予定。今までの計画と時期がかわったことはあるか。

吉川:大きく変わったものはない。予定通り。

産経新聞くさか:LSS訓練について。初代はやぶさとの違いは。

渡邊:サイエンスのグループとエンジニアリングのグループが連携していること。100人近い人数で行っている。

くさか:訓練項目が変わったというより体制が強化された?

渡邊:はい。前回はS型、今回はC型という違いもあって異なる訓練になった

くさか:レーダー観測について。

吉川:リュウグウが事前に地球に十分近づかなかったためレーダー観測できなかった。

くさか:里芋型と以前は形容していたが。

吉川:とう表現しても構わないが51ページの図とは微妙に異なる。形状を随時アップデートしているがおおまかには変わらない。

くさか:32ページの図が配布資料とここで投影されているものと異なる。

渡邊:投影しているものが正しい。提供します。

NVSさいとう:LSS訓練について。タッチダウン運用の訓練は?

渡邊:LSS訓練はタッチダウン場所の決定訓練。タッチダウン運用の訓練はRIO訓練といって今やっています。(資料8ページ)

さいとう:LSSとミネルヴァなどの落下点選定について。26ページの図より広くなるのか。

渡邊:ターゲットマーカーと誤認しない場所に下ろす。なるべくリュウグウに近づいて投下したいので地球が上に見えるところでないといけない。

-(聞き逃し):LSS訓練でわかったことは。

渡邊:1か月という短い期間でデータを地球に下ろして解析を終えなければならない。間に合うのか、正しく選定できるのか。形状復元は訓練でうまくいかなかったので修正を考えている。探査機の位置の逆推定も誤差が大きかった。海外とも議論しながら本番ではスムーズにいくように準備している。

-:自転軸や形状が大幅に違ったときシビアになるのか。

渡邊:地上観測からの推定値はできているがそれで運用計画を立てているわけではない。幅を持たせている。自転軸に関してはわかったときに戦略を立てられるようになっている。イトカワはラッキーなことに自転軸が傾いていなかった。本当の姿がわかったとき残念だと思うことがないよう準備していく。

-:イオンエンジンの長期運転について。最後のところで少しのトラブルが命取りになるのかなど。

吉川:イオンエンジンは6月まで400m/sの加速。この時期は探査機と太陽の距離が近づく。速度が上がる。リュウグウとランデブーしなければならない。リュウグウとの速度差が小さくなっていく。ずれてしまうと軌道制御量が大きくなりリカバリーが大変になる。イオンエンジンは推力が小さいためより大変。

-:リュウグウに近づくことで制御が大変になる?

吉川:軌道制御そのものはイオンエンジンでランデブーできる。うまく噴射できなかったときにリュウグウがより離れてしまい回復が難しくなる。

渡邊:リュウグウにランデブーして速度や向きを合わせなければならない。ギリギリの時期に正確に運転できることが到着のカギになる。

時事通信:おおむね球形だがイトカワのようにゆるくダマになってたりするとか、インパクタで分解したりするようなことは考えられるか。

渡邊:いまわかっている形状をどのくらい信頼するかはそのデータの取得経緯で決まる。光の変化(ライトカーブ)などから推定。想像はふくらむがとても長い形状だったりすることはないだろう。比較的球形に近いのはおおむね正しいだろう。インパクタは小惑星を壊せるほどの力はない。とはいえなるべく大きなクレーターを作りたい。

時事通信:5月から観測とのことだがその時点ではどんな映像か。

渡邊:まだ点でしょう。6月に到着しないと形状がわかるほどにはならないだろう。科学観測と運用を並行して行う難しさがある。

吉川:イトカワは到着の1週間前にようやく点でなくなった。今回もおおむね到着1週間前くらいにならないと形状がわかるようにはならないだろう。

NHK水野:なにをもって「到着」とするのか。

吉川:特に決まりはない。前回は20キロのゲートポジション到着時に宣言した。今回もおおむねそのように。どこがいいのかは難しい。基準がないので。

渡邊:今回はホームポジションを20キロに設定している。6月頭にイオンエンジンを停止したあとはほかの方法で少しずつ近づく。そこに来れば到着、LSSに入る。

水野:イオンエンジンが不調だったときに到着や帰還できなくなるデッドラインはあるのか。

渡邊:ただ帰ってくれば成功というわけではない。現在でも日程はかなりタイト。到着の遅れは避けたい。もしそうなってもリカバーできるようにはしたい。

吉川:地球帰還は2020年末の予定。出発は2019年と決まっている。到着が遅れると地球帰還に間に合わせるため観測期間が短くなる可能性も。

(以上)

観測ロケット「MOMO」初号機の打上げ実験実施に関する記者会見


ランチャー上のMOMO(CG合成)[提供:インターステラテクノロジズ]

開催概要

開催日時

  • 2017年7月6日(木)15:30~16:30(受付開始:14:30)

開催場所

  • 株式会社DMM.com本社ホール(東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー24階)

内容

  • 打上げ実験実施に関する発表 他

出席者名

参考リンク

公式サイト

打ち上げ見学

  • インターステラテクノロジズ 観測ロケット「MOMO」第一回打ち上げ in SKY HILLS | Peatix(http://ist-momo1.peatix.com/

※チケットは大人4,800円、子供2,400円、駐車料金1台1,000円

概要説明(稲川)

本日はお集まりいただきありがとうございます。観測ロケット「MOMO」の打ち上げ実験を行うのでその概要と日程などを発表します。

ISTは北海道の大樹町に本社、社員14名。南十勝の海側。酪農の盛んな地域。2006年から宇宙事業を始めている。

これまでの宇宙開発はとにかく高性能を求めていたと考える。ユーザーにとって宇宙にアクセスしやすくしようとすると宇宙への輸送機械のコストを下げることがなにより大事。コンセプトとしては最高性能のフェラーリからホンダのスーパーカブ、量産されていて使いやすいロケットをと開発している。

会社の事業は2つある。まず観測ロケット「MOMO」。2017年7月打ち上げ予定。その先には超小型人工衛星用ロケットの打ち上げサービス。2016年から基礎開発開始。

観測ロケットと衛星ロケットの違いについて。観測ロケットは高度100キロ~。高度100キロからが一般的に宇宙空間とされる。そこへロケットを飛ばす。100キロへ上がってすぐ降りてくる。衛星用ロケットはもっと高度が上がって、たとえば高度500キロの地球低軌道を周回する。

打ち上げ実績。大樹町で2011年3月から実験を行ってきた。エンジンの開発、パラシュートの試験、海への打ち上げのオペレーションなど技術を蓄積してきた。ポッキーロケットという商業打ち上げもあった。

2015年夏から観測ロケット「MOMO」用エンジンを開発。一部を経済産業省の委託事業として。

エンジン内部図解。燃料(エタノール)と酸化剤(液体酸素)を燃やす。ピントル型インジェクター(噴射器)を使用。安価で実績があるシステム。

(燃焼実験の動画紹介)

推力1トン超の燃焼試験を50回、小規模の燃焼試験は100回以上。異常燃焼は4回。不具合を解決してきた。

技術開発では試行錯誤が早いこと、くり返すことが重要。ベンチャーで身軽、大樹町の協力もあり実験環境がよい。

(問題を解決したエンジンの燃焼試験。80秒燃焼の動画紹介)

周りに見える炎は設計通り。周囲の断熱剤を燃やしながら燃焼する。

開発が完了し製造に入った。ミッションマークはマンガ家のあさりよしとお先生デザイン。

実験項目は宇宙空間への到達実証、機体・エンジンの実証、姿勢制御実証、通信の実証など。

商業化後のアプリケーションとしては微小重力環境での科学実験、高層大気の観測、イベント/エンターテインメント。

MOMOの諸元。

推進方式 液体燃料ロケット
エンジンサイクル ガス圧送式
燃料 液体酸素
加圧ガス ヘリウム
エンジン冷却 アブレーション冷却
推力 12kN(1.2トン)
全備重量 1,150kg
機体直径 500mm
目標到達高度 100km
初号機ペイロード 自社開発の微小重力環境測定装置、通信試験装置

シンプルな構成を目指す。汎用的な部品を採用、高い内製率。短期間での打ち上げ、一桁安い打ち上げ費用を実現。

実験シーケンス。

燃焼時間120秒、高度40キロ程度まで。そのまま慣性で高度100キロへ。フリーフライトで水平距離50キロほどへ落下。実験全体は約7分。無重力環境を得られるのは約4分。

メインスポンサーはDMM.com。またCAMPFIREというクラウドファンディングで735名のパトロン(出資者)。2,700万円を調達。

打ち上げ発射ボタンを押す権利を1,000万円で購入したか

打ち上げ実験の予定日は7月29日(土)午前10時20分~12時半。予備日程は同日の1545~1700、7月30日(日)の0500~0800、1020~1230、1545~1700。気象条件や準備状況で延期も。

特別見学会場「SKY HILLS」。打ち上げをきれいに見られる唯一の場所を用意している。チケットをPeatixで販売。パブリックビューイングの場所も設定。無料で見られる。(ロケットの射点は見えないが)

ゲストからのコメント

堀江:ロケットを始めて10年以上。ようやく宇宙へ到達できるめどが立った。最終的な製造技術などでうまくいかない部分もあったりして延期に次ぐ延期でやきもきした。しかしながらついに技術的な問題はほぼクリアできた。あとは天気次第、若干スタッフが頑張って体に問題がない範囲でがんばるひと月になる。大きな問題がない限り7月末に打ち上げられるだろう。しかしながらロケット開発は事故や失敗がつきもの。事故に関してはけがなどないよう細心の注意を払って行う。それ以外に予期しない問題で失敗する可能性も。うまくいかなくてもあきらめず2号機、3号機は宇宙空間に到達するだろう。これはベンチャー企業で言うデスバレー、最初に超えなければならない場所。これを超えれば人工衛星を打ち上げる技術を手に入れることになる。その大きなステップ。
日本においてもロケット大国になれるポテンシャルを持っていることは間違いない。北朝鮮のミサイルを見ても、あれは地理的条件で日本に向けて打つしかない。日本は太平洋が開けていて人がいないメリットがある。比較的安全にロケットを打ち上げられる。
最先端技術の集合体であり軍事とも密接に関わる。輸出規制が関わることもある。国内生産が大事。国内産業の発展の嚆矢になればよい。
このロケットにパワーをかけている。期待しつつ大樹町に来てほしい。ロケットの打ち上げは安全距離をとると見え方は同じ。迫力的には大きいロケットと変わらない。(小さいロケットは近くで見られるので)
宇宙へ行くぞという高揚感を得られるだろう。見に来てください。

せりざわ(ロケットの発射ボタンを押す権利を1,000万で購入):ニーズコーポレーションを経営。建築・不動産の会社。会社からもISTへ出資している。
この発射ボタンに価値を感じてポチった。約1年前。延期で首を長くして待っていた。いよいよで非常に喜んでいる。
懸念は仮に想定外のことがあって実験が失敗したとき絶対堀江さんに責められるだろうということ。「押し方が悪かった」など。稲川社長にはがんばっていただいて万全でお願いしたい。

DMM松栄:DMMがなぜロケットをと思うかもしれない。堀江さんと初めて会ったのは20年前。DMMのオーナーは宇宙へ行く契約をロシアとしていた(があきらめた)。宇宙観光も申し込んでいる(が音沙汰なし)。もしかしたら堀江さんが宇宙へ行けるようにするかもと話したところ自分が行くのではなく出資で、ということだった。
日本初の民間宇宙ロケットということでうまくいってほしい。ボタンの押し方には気をつけてください(笑い)。

丸紅岡崎:昨年1月の発表:インターステラテクノロジズへ調査研究費の拠出、サービス販売の業務提携。ISTの新株取得。
将来性に着目した。観測ロケットの初号機が飛ぶことで事業化へ一歩前進。たいへん嬉しい。
衛星関連の展示会やカンファレンスに出席すると潜在顧客からの期待が高いことを実感。
今回の打ち上げがうまくいけば衛星打ち上げの開発にもはずみになるだろう。無事に成功することを祈っている。

HASTIC伊藤:HASTICは2002年くらいから活動。北海道にロケットの発射場を設けたいと活動している。活動自体は35年くらい前から。稲川社長が生まれる前。ついにということで期待している。
北海道に射場を作ってといっても経験がなく、自分たちでなんとか実績を作ろうとHASTICを設立、CAMUIロケットが進んだころに堀江さんから話があった。競争はとてもよいこと。CAMUIより新しいのに一足飛びでここまできた。
人工衛星を作るのは大学の研究室でもできる時代だがロケットをイチからやろうというのはなかなか難しく国内でも2か所(ISTとCAMUI)しかない。いかに難しいか。
小さいロケットだが50回ぐらい実験の世話をして、ISTという名前になるまえからなにかあったら腹をくくる仕事をしてきた。
ここまで腹をくくってやってきたということで6割から7割。残り30%は実際に打ち上げがうまくいくか。成功を祈っている。

経済産業省靏田:経産省としてはぜひ成功してほしい。宇宙産業室長として着任以来レクチャーを最初にいただいたのがこのロケットだった。
何度か不具合で延期しているが失敗はつきもの。それを乗り越えて7月末の打ち上げになった。周囲のご協力に感謝と敬意。
大樹町にも行き、町工場で油まみれで取り組んでいるところを拝見。大樹町の方々の熱意も感じた。成功するだろう。
宇宙については身近に感じるかも知れないがまだまだ遠い。宇宙に近づく手段がないから。今回のプロジェクトが成功すれば宇宙産業のランドスケープを一変させるだろう。
民生品を使ったロケットの支援をしている。
5月に日本政府では宇宙産業ビジョン2030を策定。宇宙から降ってくるデータが増えている。小型化が進み数が増えている。社会や経済を変えるものになるだろう。そのうち上げ手段が不足しているのが現状。ISTのロケットはそれを変える取り組み。
引き続きご支援申し上げていきたい。

取材予定の説明

プレス公開日

7月13日(木)
組立棟公開
7月26日(水)
リハーサル公開
7月30日(土)
打ち上げ公開

プレスエリア概要。パブリックビューイングの航空公園でも取材可能。

現地取材の注意点

  • 取材は事前登録必須
  • ほかの射点を望める場所は私有地や町有地。伝染病予防の観点からも無断の立ち入りは絶対禁止

質疑応答

NHKすずき:稲川さん。民間独自開発で宇宙空間へ。国家開発だったものがなぜベンチャーでできるようになったのか。またその意義は。

稲川:アメリカでは10年以上前から民間がシェアを取るようになってきた。技術開発が進むことで、人工衛星の軌道投入くらいなら民間でできるようになってきた。
アメリカでは人工衛星の打ち上げやISSへのドッキングなども民間企業が行っている。半導体の進化のおかげが大きい。アビオニクスの入手性が上がり開発が比較的簡単になってきた。
日本では東大に始まる宇宙研、それからNASDAが宇宙ロケットを上げてきた。これまでは宇宙開発と言っても大気圏内だった。民間のロケット会社として実際に宇宙へ行くことは意義が大きい。宇宙産業全体としてもベンチャー企業がたくさん出てきている。輸送系で我々が実績を積んでいくことはおおきな意義がある。

すずき:打ち上げへの意気込みを。

稲川:ロケットは難しいと実感してきたところ。机上の計算があっても実際に作るのは大変。このあとどんな不具合が起きるかも読めない。実際にもの作りをしているメーカーとして丁寧な仕事をしていきたい。

すずき:どんな結果を期待しているか。

稲川:メインの仕事は衛星打ち上げ。そこへの第一歩。

TBS:堀江さんに、将来的なビジョンを。

堀江:まずはこれを成功させてサブオービタルのロケットをたくさん打ち上げて事業化していきたい。ファイナンス的な部分もある。
2号機3号機を上げてなるべく早く商業化し軌道に乗せる。それで銀行からの融資を受けやすくなるし政府から予算が付くかもしれない。それが第一歩。
今も開発している軌道投入用ロケットを早期に開発したい。資金と人員が必要。人材と資金の確保のためにたくさん露出することが重要。
無人ロケットとしては月や小惑星、さらには地球周回軌道からさらに遠くへの輸送システムを作りたい。
主に小惑星を狙っていきたい。大型化を進めてサブオービタル、またオービタルに人を運びたい。さらには小惑星の資源を集め、太陽系から外に出るような探査機のシステムも作りたい。
地上から物資をなるべく安く遅れるシステムを作ることがミッション。それに向けて事業を進めていく。自分はPRや資金集めなどをしていく。

TBS:イーロン・マスクは月旅行を発表した。

堀江:イーロン・マスクのスペースX社は2007年にファルコン1を数機失敗してからうまくいった。我々は10年以上遅れている。ファルコン1から今のファルコン9が毎週のように打ち上がるようになるまで10年かかっていない。資金と人員が増えればそのうち追いつくのではないかと思ってまーす。

フリーランスすけよし:MOMOのネーミングの由来は。またPVのネット中継はあるか。

稲川:MOMOは漢字にすると「百」。高度100キロを超えるという意味。これまでのロケットはかわいらしい名前をつけてきた。「はるいちばん」「いちご」など。その流れでなじみやすい名前に。宇宙を身近にということで。
PVのネット中継は調整中。回線の確保といったこともある。改めて発表したい。

テレビ朝日経済部:MOMOのコンセプトは「世界最低性能」とあるが

堀江:フェラーリスーパーカブの比較があったがこれまでのロケットはオーバースペック。科学研究費の獲得のために新規性があるところに予算がつきやすい傾向があった。
ここ10年、15年で民間宇宙企業がしのぎを削っている。国対民間の受注競争が出てきている。スペースXは価格破壊。H-IIAの半額など。
ギリギリでも宇宙に行きさえすればよい。オーバースペックではなくギリギリを狙うことで安くするのがポイント。だからスーパーカブ。ここからここへ物資を運べるデバイス。その最低限の性能があるということ。
インターネットで言うならADSLが出てきて民間利用が普及した。そういった状況を作りたい。

NHKラジオセンターあらき:なぜ堀江さんがロケット? 10年前に開発に着目したのは何を見出したから?

堀江:自分にとっては自然なこと。インターネットに注目したのは20年前。コミュニケーションや社会のあり方を変えるもの。これに賭けずしてどうするという衝撃を受けた。
宇宙に関しても同じように思った。自分の世代は機動戦士ガンダム宇宙戦艦ヤマトスターウォーズなど宇宙SFを見て育った。大人になったら普通に宇宙へ行くと思っていたらそうなっていない。政府主導のオーバースペック競争で安くないことが問題だと思っていた。誰かやらないかと思っていたらなかなかないのでこれは自分で。
12~13年前、宇宙開発できるくらいの資金ができたと思っていたらイーロン・マスクジェフ・ベゾスなど世界のIT企業家が民間宇宙開発の可能性、自分たちがやらねばというミッションを感じて傾注していったと思う。グーグルの創業者もXプライズなどしている。
社会を変えてしまうような仕組みに飛びつく人種は宇宙にも飛びつく。とてもナチュラルな行動と思う。

日経新聞やの:稲川さんに数字の確認。打ち上げ費用を1桁下げるとは具体的に。いくらくらいで打ち上げられるようになるのか。また軌道投入ロケットはいつごろまでに完成?

稲川:JAXAの観測ロケットは正確な数字は非公開だが2億円~7億円ほどと聞いている。我々も非公開だが一桁下げる。プロモーションの有無などさまざまなオプションはあるが5,000万円以下、数千万円の前半でサービスしたい。
軌道投入ロケットはなるべく早く。国際的な競争にもなっている。ロケットラボなど実験を行っている。複数の会社がしのぎを削っている。小型の宇宙ロケットはここ数年で商業化が進むだろう。2020年ごろには商業打ち上げを目指したい。

(以上)


MOMOモックアップ[提供:インターステラテクノロジズ]

はてなブログライターを試してみる

(以下は「はてなブログライター」で投稿しようとした内容)

以前からときどき「google:はてなブログ はてダラ」を検索していて今回ついにヒットした。

これだ。すばらしい。さっそくダウンロードした。rubyはインストールされているからatomutilをインストール。

gem install atomutil

Macでは「sudo gem install atomutil」→Macのアカウントのパスワードを入力)

これで使えるようになった。このエントリはさっそく「はてなブログライター」を試してみているところ。いったんここでアップしてみよう。

ダメだった。

ruby hbw.rb new」で生成されるテキストファイルがShift_JISだった。UTF-8に変更して保存。

(追記:生成されたテキストファイルに日本語が含まれていなかったためにデフォルトのテキストエンコードで読み込まれたようだ。v0.5で変更された→「fix: Mac, Windows で動作しない #1 · rnanba/HatenaBlogWriter@a98353e」https://github.com/rnanba/HatenaBlogWriter/commit/a98353ee650719faa1bba9a031c4683138bddfa7

またダメだった。

C:\hbw>hbw.rb
新規エントリファイルが 1 件あります。
C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:118:in `match': invalid byte sequence in Windows-31J (ArgumentError)
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:118:in `block in parse_file'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:115:in `each_line'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:115:in `parse_file'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:106:in `initialize'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:228:in `new'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:228:in `post'
        from C:/hbw/hbw.rb:109:in `block in<main>'
        from C:/hbw/hbw.rb:105:in `each'
        from C:/hbw/hbw.rb:105:in `<main>'

「invalid byte sequence in Windows-31J (ArgumentError)」は文字コードのエラーみたい。生成されたテキストファイルの文字コードは確かにUTF-8なんだけれど。(複数のテキストエディタで確認)

Macだとエラーメッセージが違う。

mymac:hbw$ ruby hbw.rb
新規エントリファイルが 1 件あります。
/Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1523:in `block in get_contents_except_resources': Failed to get contents. 404 (Atompub::RequestError)
	from /System/Library/Frameworks/Ruby.framework/Versions/2.0/usr/lib/ruby/2.0.0/net/http.rb:852:in `start'
	from /System/Library/Frameworks/Ruby.framework/Versions/2.0/usr/lib/ruby/2.0.0/net/http.rb:582:in `start'
	from /Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1517:in `get_contents_except_resources'
	from /Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1350:in `get_service'
	from /Users/hoge/hbw/HatenaBlogWriter.rb:216:in `ensure_get_service'
	from /Users/hoge/hbw/HatenaBlogWriter.rb:236:in `post'
	from hbw.rb:109:in `block in <main>'
	from hbw.rb:105:in `each'
	from hbw.rb:105:in `<main>'

Windows/Macとも「ruby hbw.rb post 2017-06-06_01.txt」でも同じエラーになる。「ruby hbw.rb check」は動作する。

はてなブログライターでの投稿はいったんあきらめ、ブラウザから直接投稿しよう。

ところで「はてなブログライター」は長いので、「はてダラ」のような略称を考えたい。ここはやっぱり「はてブラ」ですよね?

追記

Windowsのほうはすかさず対応していただきました。ありがとうございます。

この追記は更新されたはてブラで投稿できるでしょうか?

→やっぱりダメでした。新しいエラーメッセージは以下です。

C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:933:in `connect_nonblock': SSL_connect returned=1 errno=0 state=SSLv3 read server certificate B: certificate verify failed (OpenSSL::SSL::SSLError)
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:933:in `connect'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:863:in `do_start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:852:in `start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:584:in `start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/gems/2.3.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1517:in `get_contents_except_resources'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/gems/2.3.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1350:in `get_service'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:222:in `ensure_get_service'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:242:in `post'
        from C:/hbw/hbw.rb:111:in `block in <main>'
        from C:/hbw/hbw.rb:107:in `each'
        from C:/hbw/hbw.rb:107:in `<main>'

1行目のエラーメッセージを検索して以下を発見。

「システムの詳細設定」から環境変数SSL_CERT_FILE」に「cacert.pem」のフルパスを設定するも変わりませんでした。

なおWindows(8.1)で使っているテキストエディタWZ Editor 5.02Dです。rubyのバージョンは「ruby 2.3.0p0 (2015-12-25 revision 53290) [x64-mingw32]」でした。

Mac(10.11.6)はテキストエディタがmi 2.1.12r5、rubyは「ruby 2.0.0p648 (2015-12-16 revision 53162) [universal.x86_64-darwin15]」です。

ここでいったんブラウザから更新します。

追記2

Windows/Macともできました!

Windows

「システムの詳細設定」から「ユーザー環境変数」への環境変数の追加後、コマンドプロンプトを起動し直すのを忘れていました! 失礼しました。

コマンドプロンプトから「set SSL_CERT_FILE=C:\hbw\cacert.pem」といった指定をする方法では、コマンドプロンプトを開き直したら環境変数も指定し直す必要があります。

tips:
コマンドプロンプトから「SET S[Enter]」で、Sで始まる現在の環境変数がアルファベット順に表示されます。

Mac

config.yml で blog_domain の値をあり得ない値に設定すると同じエラーが再現しました。config.yml の設定を(改行コード等も)確認してみてください。

「はてなブログライター」が Mac/Windows で動かない(追記あり) - 児童小銃

「blog_domain: ima.hatenablog.jp」と指定するところを「blog_domain: http://ima.hatenablog.jp/」になっていました。失礼しました。

これでひとまず、テキストファイルからはてなブログを更新できるようになりました。ありがとうございます>id:rnaさん

あとは1つのテキストファイルから更新分を切り出す「はてダラスプリッタ」を使えるようになって、はてなブログ長年日記の閲覧機能が追加されれば、自分としてははてなブログを今のはてなダイアリーと同じように更新/利用できるようになります。(長年日記の要望はフィードバック済み)

はてなブログライターを試してみる2

こちらははてなブログライターのテストです。(できました!)

H3ロケットに関する記者説明会

日時

  • 2016年7月20日10:30~

登壇者

(image credit:JAXA

  • JAXA 第一宇宙技術部門 H3プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 岡田匡史(おかだ まさし)
  • サブマネージャ 有田誠(ありた まこと)

配付資料PDF

H3ロケットに関する記者説明会 | ファン!ファン!JAXA!」(http://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/detail/8034.html)より

中継録画

2:20くらいに始まります

H3ロケットについて

H3ロケット基本設計結果について

岡田:私はあがり症で、今日は演台を用意していただいた。
昨年7月8日、基本設計開始について記者説明会。それから1年間、各メーカと基本設計を進めてきた。今日はその結果をお知らせできる。
1年前は今日ここに立てるか不安もあったがなんとかやってこれた。
基本設計はロケットの設計にとても重要。家でいえば間取り図(コンセプト)ができてどんな道具をそこに並べるか、寸法や配置をどうするか決める。
このあと詳細設計に入っていく。家でいえばおさまる道具を配置していく。
ロケットも同様でアビオニクスなど機能を定義。
大きな試験をしていないため山場はこれから。

ここからの説明では、初めての方もいらっしゃると思うので前回と重複するところもある件ご了解を。

2014年5月24日だいち2号打上げ

この写真が大好き。種子島は世界一美しい射場と言われる。
仕事に疲れるとこの写真を出してぼんやり眺めたりする。

「日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。」

H3ロケットのキーメッセージを考えた。「技術」はかなり広い意味でとらえてほしい。技といったニュアンスを含む。

リード文も加えた。宇宙輸送という言葉は一般にはなじみがないと思う。そのイメージをふくらませていただきたいと考えた。

世界最高水準の信頼性

H-IIAロケットは世界最高水準の信頼性。30機中29機成功。96.6%。オンタイム打ち上げについては90%を超えて群を抜いている。

基幹ロケットで輸送した宇宙機の一例


基幹ロケットの課題

よいロケットならそのまま使えばいいのかというとそうではない。課題もある。
20年前のものを使い続けるわけにはいかない。

  • 衛星の大型化:H-IIAではサイズが合わなくなってきている
  • 国際的な価格競争:海外で低コストなロケットが出てきている
  • 設備の老朽化:設備が古くなれば手間がかかる
  • 開発機械の不足:ロケットの部分的な開発はこれまでも取り組んでいるがフル開発はない。コンセプトから考える機会がない。
  • 打ち上げ機数の不足:

H-IIAと世界のロケット

このあたりは飛ばして…

現在運用中のロケット


将来運用予定のロケット


ロケット技術の継承


新型ロケットが目指す世界

インフラの維持費、政府やJAXAのミッションに使う予算を減らしていくと維持できなくなる

「日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。」

次のリード文。

H3ロケットの特長

日本の優れた技術を集めて使うことが大事。

  • 柔軟性
  • 高信頼性
  • 低価格

注文がなくても淡々と作るライン生産(今まではタクト生産)

H3ロケットのシステム概要

H3にはSRBのないバージョンがある。強いコアロケットに、必要な能力に応じてSRBを追加。

フェアリングは大型衛星を載せられるよう大型化。

2段はH-IIA/Bの改良型。燃焼時間を長く、寿命を延ばす。

SRBの組み付けは結合・分離機構を簡素化。

1段エンジンは新規開発のLE-9。3基ないし2基の切り替え型。

開発体制

H3プロジェクトチームはJAXA。プライムコントラクタは三菱でロケットシステム全体をまとめる。

開発そのものは別の企業、インテグレーションは三菱重工の役割。

基本設計結果

20年間の運用、年間6機の打ち上げが可能であることを条件に基本設計を進めてきた。

H3-30S(一番シンプルなシングルスティック)で太陽同期軌道(高度500km)へ4トン以上、約50億円で上げられるようにする

静止トランスファ軌道GTO)への打上げ能力

機体のバリエーションはH3-30S、32L、24Lなど。

1桁目は1段目エンジンの数、2桁目はSRBの数、3文字目はフェアリングの長さ(S/L)。30Sは1段目エンジン3基、SRBなし、短いフェアリング

右側は需要予測のデータ(2社の推定が異なる)

機体諸元

PAFは衛星を結合する継手のようなもの。

LE-9はLE-7Aの1.4倍

カスタマ・インタフェース

ロングフェアリングはかなり大きいサイズ。フェアリング包絡域は世界最大級。

第1段エンジン(LE-9)基本仕様

ここ1年はパーツごとの基礎的な試験を行ってきた。

実機型エンジンは実際に飛ぶのではなくエンジニアリングモデル。技術試験用モデルということ。

エキスパンダブリードサイクルは予備の燃焼室が不要になる。比推力は落ちるがロケット全体でカバー。

システムの圧力を下げることで安全性向上、技術的にも容易になる。

バルブはヘリウム駆動から電動へ。

固体ロケットブースタ(SRB-3)基本仕様

コア機体との取り付け部をシンプルに。おそらく種子島での取り付け作業時間はたぶん半分以下になるだろう。
H-IIAのストラットは電柱くらいの大きさがあった。

ノズルは固定式にして簡素化。

現在各種の要素試験を終え詳細設計に入っている。

射点系施設設備 基本構想

発射地点は第2射座を改修して使用。

新移動発射台(ML)

ロケットの立つ位置が変わる。今は発射台の上に立っているが、新しいのは発射台の真ん中まで刺さっており横から指示棒で支えている。ごちゃごちゃしたところの打ち上げ後の修繕がなくなり楽になる。

イプシロンロケットとのシナジー

イプシロンはノズルが可動式、ここは新規開発。そのほか共通化を検討中。

コスト半減への取り組み

基本設計での時間はまだ半ば。考え方としては設計・製造・運用のあらゆる面を見直す。

部品を買う、作る、運用するといった側面からコスト削減に取り組んでいる。

システム構成の簡素化の例


低コストの製造・運用コンセプトの作り込み例

ロケットを1年で作るとすると最初の4か月で部品を取り付け。それを組み立てて点検・出荷。3つのセクションに区切って順繰りに進め、ロケットの工場がいつもロケットで満たされた状態になる。人も常に動くようになる。効率的な生産。

(3)はモジュール化と機体バリエーション増加の関係。あるところまでエンジン3基形態で作り途中で2基形態に変えるなどを検討中

低コストの製造・運用コンセプトの作り込み例(2)


目指す運用コンセプト

「大幅に短縮」はそれぞれ半分くらいに。

自分でこれ(H3がずらりと並ぶ図)を描いていて震えがきた。

4.プロジェクト計画


開発スケジュール

現在基本設計が終わったところ。

エンジンやSRBはそれぞれのペースで進んでいる。「終わりました」はかなり上位のレベルでひと区切りということ。

詳細設計に入っており来年半ばにはCDR(詳細設計の審査)に入り、物作り、試験に持ち込みたい。

実機の一部を使い地上相互試験。実際の打ち上げさながらの試験。

試験機1号機は2020年度、2号機は2021年度を狙う。

今後の予定


日本の技術で、宇宙輸送をリードせよ。


質疑応答(41:45くらいから)

NHKすずき:基本設計と詳細設計の違いについて。基本設計でなにが固まったのか。詳細設計に入ったというのは具体的に今後何をするのか

岡田:説明しづらいが…詳細設計はひとつひとつの機器を設計して図面を描くこと。基本設計はその手前、詳細設計ができる状態にする。機器に役割や配置を与える。それで環境条件なども決まる。
機器への要求や機器そのものの設計条件が固まった状況が「基本設計の完了」。
それぞれの機器の役割を決めるだけでは基本設計は終わらない。機器が与えられた機能を実現できるかを見る。
いま固まっているのは機器に対して厳密な、詳細設計ができるところまで追い込んだということ。

読売新聞ちの:H3の開発目標は打ち上げ価格の半額化。シングルスティック、年間6機の条件でなければ実現できないものか

岡田:年間3機4機が定常的に続くようだと50億は無理だろう。今までとはまったく違う世界を考えなければならない。
状況を常にウォッチしながら進めていく。

ちの:目標の半額というより、半額以上ということか。シングル、年6機という条件が整って初めて50億になるのか

岡田:機体が大きくなっていけば値段も上がるのが当然で、市場とのバランスで考える。

ちの:シングルスティックで打ち上げる本数の割合はどの程度を見込んでいるか

岡田:1/3強ではないか。

時事通信かんだ:機体バリエーションについて「22S」と「32L」の違いが小さく見える。なぜこのバリエーションがあるのか。バリエーションを増やしすぎないのがよいように思うが

岡田:すばらしい質問。ロケットの性能は分離したものをどこに落下させるか、どこで追尾するかなどの条件でも決まる。
機体のバリエーションはなるべく減らした方がコストは減る方向に行く。一方でコストへの影響が少ない範囲ならバリエーションを多く持っていたほうがよいことも。
22Sでぎりぎり打ち上げられないから24Lにとなるとコストが一気に上がってしまう。
32Lの引き合いが少なければプライオリティを落とすこともあるかもしれない。

かんだ:現在の射場設備で2機同時整備などは可能なのか

岡田:可能です。整備期間を短縮している。今までの半分くらいの期間で整備できる。VABにいる時間はぐっと短くなる。
年間の打ち上げがもっと増えてきたときのために発展性を考えておくのがよいかも。
VABにひとつ空きはあるので将来利用することになるかも。

フリーランス村沢:試験機1号機のペイロード

岡田:宇宙基本計画に沿って調整する。いま考えているのは先進レーダ衛星。

読売新聞さいとう:昨年のH-IIA29号機で2段目を再々着火したがH3は

岡田:標準搭載機能です。技術を積み上げて使うのがロケットの開発の姿。

sorae大貫:(1)HTV-Xが2021年に上がるとのことでH-IIBロケットの第2段をHTV-X向けに改修するそうだがそれをH3の標準にするのか。(2)「ひとみ2」の打ち上げは2020年とある。打ち上げ直しでコストを下げたいだろう。これをH3で打ち上げるのか

有田:HTV-XについてはH3の標準仕様で打ち上げ可能。特別なバリエーションは用意しない。インターフェースの直径がだいぶ大きいのでそこだけは開発が必要。ロケット本体はとくに変えない。

岡田:ひとみ2を搭載するのは技術的には可能。H-IIAとH3は技術的にはコンパチ。打ち上げ計画はこれからなので今はなんとも申し上げられない。

宇宙作家クラブ松浦:30Sの打ち上げで太陽同期軌道へ4トンとあるがどんな衛星を想定しているか。種子島からはドッグレッグ(途中で方向を変える)打ち上げが必要で不利だがそれを小さくするようなこと(種子島沿岸の用地買収など)は考えているか

岡田:ほぼ従来と同じ考え方。今までと同じ条件で上げられる。

松浦:すると現行のH-IIAと同様、低軌道10トンを30Sで実現できるか

岡田:H3はドンガラは大きいのだが基本能力はH-IIAの202からひと回り落ちる能力なので少し落ちるのでは

松浦:宇宙輸送系の中でアッパーステージが重要という印象を持っている。中国は新しいアッパーステージを試験している。アメリカのバルカンは新エンジンを開発中。日本ではHTV-Xの話が出てきているがアッパーステージ、地球低軌道から軌道間輸送を担うエンジンの開発は考えているか

岡田:軌道間輸送というならHTV-Xの話かなと。H3では再々着火ができるのでその芸当の範囲で、たとえば将来的には静止軌道への直接投入(2段で)などもメリットがあれば考えてもよいかもしれないが現在のところ具体的な計画はない。

産経新聞くさか:打ち上げ間隔について。打ち上げ間隔が2か月で整備が1か月というのはどういうことか。組み立てや打ち上げ準備に1か月となればがんばれば年間12機ということになるのか。今まででも最短53日という記録がある。打ち上げ間隔が2か月というのはそれとあまり変わらないのでは

岡田:年間6機は整備期間だけで決まるものではない目安。H-IIAのアタマからカウントダウンまでが53日というのが最短記録。

組み立て~カウントダウンと、打ち上げ後の補修や点検がそれぞれだいたい同じ期間。53日の間隔が半分になる。
製造設備などでも決まってくるのでひとまず年間6機とし、運用しながら調整していく。

有田:28ページ目を見ていると思う。現状のH-IIAの姿を大幅に短縮して組み立てを0.5か月などとする。
打ち上げ間隔は最短で1か月にできるが単純に12か月に12本とはいかないのが現状。

岡田:打ち上げ間隔が2か月になるわけではなく最短1か月になる。詰めて打ち上げることも可能になる。

くさか:打ち上げるのが年6機でも、お客さんの要望に合わせて前後できるということか

岡田:その通り。一方工場では淡々と作り続ける。

くさか:VABをひとつ休止するのは運用費を下げるためか

岡田:その通り。

くさか:繁盛してきたらもう一つを使うということも?

岡田:はい。そうなってくる日を願っています。

くさか:H3で第2射点を使うのはなぜか

有田:第2射点はH-IIAの増強型向けに建設した。今はここからH-IIBを打っている。H3に対応できるのが第2射点。

くさか:SRBのノズルの首振りをやめるというのはやめて大丈夫なのか。今までなぜ首振りをしているのか

有田:機能を集中させてコスト削減したい。LE-9の首の振り幅を広げることで対応。

NHKみずの:メインエンジンとSRBの関係。固体ロケットを減らせばコストダウンとのことだが今までその形態がなかったのはメインエンジンが1つしかなかったから? 2つの役割の違いを知りたい

岡田:補助ロケットは力持ち。しかし性能は液体ロケット、特に水素ロケットと比べると落ちるので補助ロケットを大きくすればいいというものではない。シングルスティックがトータルコストが一番安いのでその形態を設けた。50億を目標にしたとき1段目は液体エンジン3基の構成が一番よかった。
LE-9は推力が大きい割にコストを抑えることができた。

みずの:メインエンジンを3基から2基にするときどうするのか。

岡田:2基のときエンジンがロケットの中心から偏ったりはしない。エンジンをつけられる構造を3基から2基に変えるような感じ。

みずの:年間6機は海外から何機とってくることで実現か。H-IIAはいつフェードアウトするか

有田:並行運用期間は2022年までの3年間と考えている。事業の件は詳しくは三菱重工に問い合わせてほしいが宇宙基本計画に記されている政府衛星だけで年6機は確かに埋まらない。足りない分は商業衛星を取っていくことをベースに三菱重工で考えている。

岡田:宇宙基本計画の政府衛星は、ならすと年間3機のペース。残りは商業衛星を受注しなければならない。

日経新聞はなふさ:24Lの価格と打ち上げ能力、また需要は

岡田:価格は商業衛星の受注との兼ね合いがあり申し上げづらい。打ち上げ能力としては6.5トン以上を目指す(16ページ)。7トンに届くかどうかという能力が出る。

岡田:価格は同程度の能力が出るH-IIBロケットと比べれば半減かな?

有田:打ち上げ能力は24LのほうがH-IIBより大きい。ターゲットとしてはそのあたりかなと。ともかく商業衛星を受注できる価格にしたい。

はなふさ:30Sの打ち上げ機数は全体の1/3とのことだったが24Lは

有田:24Lだと1/3強くらいの打ち上げ。

岡田:24Lはかなり売れ筋だと思っている。

はなふさ:H3の開発には何社くらい関わるのか。H-IIA/Bに比べてどうか

岡田:1年半後にお答えできるだろう。三菱重工が選定中。相当広い視野で探している。

共同通信ひろえ:18ページのカスタマ・インターフェースについて。8ページでは将来運用予定のロケットとしてバルカンやアンガラがあるが、それと比較してもH3は世界最高水準の包絡域、環境条件といえるのか

岡田:新しいロケットの情報がまだないのでなんともいえない。それらが極端によくなるということはないだろう。新しいロケットのユーザーマニュアルが出てきたら評価する。現状は世界最高水準ということ。

NVSかねこ:34Lという構成があってもよさそうだが可能性はあるのか

岡田:34Lは24Lと能力的に変わらないという計算結果。エンジン1基分もったいないのでバリエーションからは外した。

かねこ:1段エンジンの設計に専念するため2段目は改良にとどめたとあったが今後2段目を開発するのか

岡田:H3は20年かそれ以上使うロケット。発展性という考え方をとっている。こういうふうにするともっと能力が上がるとかバリエーションなど使いやすくなるというのが出てくるかもしれない。ただロケットの開発は大変なので空想の世界。

産経新聞くさか:12ページ。高信頼性開発手法について詳しく

岡田:話すと長くなるがロケットエンジンは開発リスクが大きい。これまでは燃焼試験をして初めていろいろなことがわかるという設計手法をとらざるを得なかった。技術ハードルが高いところへ挑戦してきたからというのもある。大きな手戻りの要素がある開発のしかた。
LE-9はそれを極力抑えるため、ロケットエンジンの動作を想像してどういうトラブルのモードがあるか徹底的に抽出する。燃焼室が割れるとか振動が大きいとか。それを全部洗い出して設計でつぶしていく。設計でわからないことは細かい要素試験をたくさん行いトラブルの芽を事前につぶしておいて、燃焼試験までに大きなリスクがないように仕上げる。
燃焼試験までにエンジンの信頼性がわかるようにする。これまでも小さな試験を積み上げてきた。システムでないとわからないことは燃焼試験で確認するということ。事前に細部の問題をつぶしていく。

日経サイエンスなかじま:この1年間で淡々と開発・設計が進んだのか、それとも大変なところがあったがなんとかオンスケジュールという状況なのか。どこが大変だったとかありますか

岡田:基本設計は大きな試験をしない。試験をしてこれはいけないという進み方ではない。重要な構成要素を決めていく1年間。開発コストや打ち上げ費の削減目標が高い制約の中で、本当にこの答えを選んでいいのかという悩みは数多くあった。
関係者が議論しながら作り上げてきた。期限内に仕上げられたのは事実ですが淡々とはしておらず苦労した。

(以上)

ダイアリーに書いてます

最近取材に出られていないので、読者の方向けにお知らせを。

はてなブログはサブとして使っていて、ふだんははてなダイアリーに書いています。

最近の記事は:

年末のダイアリーを今日アップしたりして遅れがひどいですが、ぼちぼち書いていって現在に追いつきたいと思っています。

さて、最近いろいろな人がはてなダイアリーからはてなブログへ引っ越していますね。でも自分は今のところ、はてなブログに引っ越すつもりはありません。ダイアリーは1つのテキストファイルから「はてダラ」と「はてダラスプリッタ」を使って更新しているからです。この方法だと過去のダイアリーを検索するのはテキストエディタの検索機能でできますし、すべての日記の一括置換も可能です。

はてなブログが同様のしくみで更新できるようになったら、こちらへの引っ越しを考えようと思っています。

あっあと、改行1つでp要素に囲んでくれる(br要素にしない)編集モードと、長年日記の閲覧機能も実装されないといけないな。どちらもだいぶ前にフィードバック済みですが、こうなると引っ越しはだいぶ先になりそうです。

基幹ロケット高度化に関する記者説明会

日時

  • 2015年10月30日14:30~

登壇者

(image credit:JAXA

  • JAXA 第一宇宙技術部門 基幹ロケット高度化プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 川上道生(かわかみ・みちお/写真右側)
  • 事業推進部 計画マネージャ 森有司(もり・ゆうじ/写真左側)

配付資料PDF

中継録画

※01:00くらいに始まります

本年11月24日に行いますH-IIAロケット29号機によるTelesat社の通信放送衛星Telestar12VANTAGEの打ち上げは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構JAXA)が行う基幹ロケット高度化プロジェクトで開発した技術のうち、静止衛星打ち上げ性能の向上に関する開発成果を用いて行われます。
打ち上げに先立ち、基幹ロケット高度化について、その目指す姿やシステム概要に関する説明を行います

基幹ロケット高度化に関する記者説明会 | ファン!ファン!JAXA!

解説動画

H-IIAロケット(高度化仕様)イメージCG

高度化仕様のロケットは、宇宙空間を長時間飛行(ロングコースト)し、エンジンに再々­着火できるように改良しています。このCGでは次の点などをご覧いただけます。

  • 太陽光によるロケット燃料の蒸発を少なくするため、液体水素タンク表面を白く塗る
  • 電子機器が太陽光により高温になるのを防ぐため、ロングコースト中、太陽光に対しロ­ケット機体の姿勢を垂直に保ち、機体をゆっくりと回転(バーベキューロール)させる
H-IIAロケット(高度化仕様)イメージCG - YouTube

H-IIAロケット(高度化仕様)軌道CG

このCGでは、静止軌道へ衛星を打ち上げるとき、それぞれの場合でロケットと人工衛星­がとる軌道を解説しています。

  • ロケットを赤道上から打ち上げ
  • 現行のH-IIA種子島から打ち上げ
  • 高度化仕様のH-IIA種子島から打ち上げ
H-IIAロケット(高度化仕様)軌道CG - YouTube

基幹ロケット高度化について(川上)

基幹ロケット高度化/H-IIAロケットのステップアップ

なにかのゴールを目指すのではなくひとつの理想型をということ

ロゴマークもある

目次


背景、目的

背景


世界最高水準の信頼性


H-IIAロケットの課題


課題とプロジェクトの取り組み


プロジェクトの開発項目


大型ロケット技術のステップアップ


高度化開発の3本柱(1)静止衛星打ち上げ性能の向上


静止衛星の打ち上げ


世界の打ち上げロケット


商業衛星の打ち上げ実績


静止衛星打ち上げ性能の向上(1)


静止衛星打ち上げ性能の向上(2)


静止衛星打ち上げ性能の向上(3)

動画で解説:H-IIAロケット(高度化仕様)軌道CG

このCGでは、静止軌道へ衛星を打ち上げるとき、それぞれの場合でロケットと人工衛星­がとる軌道を解説しています。

  • ロケットを赤道上から打ち上げ
  • 現行のH-IIA種子島から打ち上げ
  • 高度化仕様のH-IIA種子島から打ち上げ
H-IIAロケット(高度化仕様)軌道CG - YouTube
主要開発内容


長時間飛行技術の獲得


(1)機体システム熱制御


(2)液体水素タンク遮熱コーティング


(3)エンジン冷却機能の改良


(4)推進薬液面保持機能の改良


(5)搭載機器改良


2段エンジン再々着火技術


商業衛星打ち上げ実績とカバレッジの拡大


高度化開発の3本柱(2)衛星搭載環境の緩和


衛星搭載環境の緩和(1)

火工品で締め付けているバンドを切るのが従来方式。確実だが4000Gと大きな衝撃がかかる。世界的には2000G程度が現在の標準。

衛星搭載環境の緩和(2)


高度化開発の3本柱(3)地上レーダ不要化に向けた航法センサ開発


地上レーダ不要化に向けた航法センサ開発


H-IIAロケット29号機、30号機での計画


H-IIAロケット29号機、30号機での計画


H-IIAロケット29号機での計画(1)


H-IIAロケット29号機での計画(2)


H-IIAロケット29号機 2段機体VOSの様子


H-IIAロケット30号機の計画


おわりに


(参考)Telstar


(参考)静止軌道


質疑応答

日刊工業新聞とみい:「静止化増速量」とは

川上:ロケットから分離された衛星が静止軌道に入るために必要な増測量のこと。
分離時の速度と最終的な速度の差と思っていただければ。
速度の差が1,800m/sとあるのを減らした方が衛星に必要な燃料が少なくすむ。

とみい:今回の高度化で衛星の燃料はどのくらい減らせるのか

川上:概算ですが1,500/1,800くらい。制御用の燃料もあるが軌道投入用の燃料としては。

とみい:全体でも必要な燃料は減るのか

川上:その通り。

読売新聞とみやま:スライドの12ページでいうと1,830m/sを1,500m/sに減らした結果として衛星の寿命を数年増やせるのか

川上:その通り。

とみやま:衛星に搭載する燃料をどのくらい減らせるかは計算できるのでは

川上:衛星そのものの質量なども関係するので一概には。

とみやま:では1,500/1,830はなんの数字か

川上:推力と秒時。それにおいて推進薬を減らせる。

とみやま:今回はどのくらい減っているのか

川上:1,800を1,500にすると推進薬を減らせる。現在の衛星は1,500で大丈夫な設計になっているので、1,800必要なときどのくらいの推進薬が必要かは仮定の話になって答えづらい。

森:デルタVとして1,500m/sの推進薬を持つ衛星が最近出てきている静止衛星の標準。これは今までのH-IIAでは打ち上げられなかった。
デルタV1,500m/sを持つ衛星、現在の静止衛星の半分に対応できるようになるということ。

とみやま:エネルギーでいうと1,500/1,800という割合でいいのか

川上:加速度かける時間ということでよいかと。

とみやま:静止軌道に遷移するための燃料を減らせたということか

川上:その通り。

産経新聞くさか:高度化の開発期間と費用は。また高度化によって衛星を打ち上げたい側にとって打ち上げコストはどのくらい変化するのか

川上:本格的な開発が始まったのは平成23年から。開発費は92億円。打ち上げ価格は打ち上げ事業者さんに聞いてほしいというのが回答になる。

くさか:高度化で費用は増えるのか

川上:大きくは変わらない。増える部分もあるがコストダウンもしている。
ほぼ同水準といってよい。

くさか:打ち上げのGの低減について。今まで瞬時に大きな力を出せるからこそ火工品を使っていたとのことだが新方式にしたときなにが変化するのか

川上:火薬は便利なもので分離機構をコンパクトにできる。衝撃軽減でしくみが多少複雑になる。シンプルですむところは相変わらず火工品を使用。

くさか:今まで使われてきたのは大きな力を瞬時に与えられるからではない?

川上:結果的にそうなっていたということ。

時事通信かんだ:高度化によってカバレッジが増えたとのことだがそれによってアリアン念頭で作られていた衛星を打ち上げられるということか

川上:直接的には三菱重工さんがなさっているので聞いていただければ。これまでH-IIAで打ち上げることをハナから考えられなかった衛星を上げられるようになる。

かんだ:高度化の技術要素のうち、まったく初めてというものはあるか

川上:18ページからいくと、熱制御はいろいろやってきた。白色塗装もはやぶさ2(26号機)で実績がある。

エンジン冷却機能の改良は24号機、26号機で。液面保持の改良は初めて。大容量電池はH-IIAでは初めてだが電池自体の使用には実績がある。アンテナもH-IIBでの利用実績がある。スロットリングは実験的には実績がある。しずくのとき? H-IIAの2号機。
航法センサは新開発。

読売新聞ちの:H-IIAで初めて商業衛星を上げることになるが初の商業打ち上げで高度化するにあたって打ち上げ費用をディスカウントしているのか

川上:ロケットの打ち上げは実績が重視されるのが普通なのできちんとご説明してご理解いただいている。費用についてはJAXAは承知していない。

ちの:なにかあったら責任はJAXAが?

川上:打ち上げサービスはMHIが。高度化開発はJAXAで。

朝日新聞すどう:現行の衛星分離の近日点はどのくらいの高度か

川上:29号機では(32、33ページ)高度200キロあたりかと思う。

すどう:制御下にあるロケットとしては最も遠くへ行くことになるのか

川上:衛星と長時間、これほど長く一緒に飛ぶのは初めて。

すどう:従来打ち上げから30分ほどで成功会見だったがこれからは4~5時間あとになる?

川上:そうなるかと思う。

共同通信ひろえ:世界の静止衛星の半分程度を打ち上げられるようになるとのことだが具体的な数字を知りたい。どういう衛星が1,800m/sで今後どういう衛星が1,500m/sになるのか

川上:年間20機ほどの静止衛星が打ち上げられている。ファルコンは1,800m/sの打ち上げを実施している。
1,800m/sと1,500m/sで衛星の目的が違ったりはしない。寿命が異なるだけ。

ひろえ:地上施設の老朽化について

川上:(資料29ページ)ロケットの周囲や、追尾設備(種子島だけでなく小笠原などにもある)に更新費として億単位の費用がかかる。

森:長期的な費用も見ると建て替えという規模になり数十億円規模がかかるようになる。
種子島の射場設備はロケット固有。H-IIAH-IIBそれぞれに専用の設備が必要。一方、追尾設備はロケットの種類が変わっても仕様は大きく変わっていない。ものによってはH-Iの時代から使っているものもある。そのぶん老朽化更新が待ったなしになっている面もある。

ひろえ:ロケットの温度がどのくらい上がるようになるのか

川上:温度が上がらないような方策をとっている。なにもしないとどうなるかというのは答えにくい。

ひろえ:温度が上がって恐いのは

川上:温度の高さというより入熱が長時間あるので衛星に近いセンスでの制御が必要になってくる。

NVSさいとう:高度化が完成し2段目に適用するかはMHIの判断になると思う。高度化しない機体もオプションとして分かれるのか

川上:その通り。

さいとう:JAXAや日本で打ち上げる静止軌道や準天頂軌道への衛星は1,500m/sに合わせて作られるようになるのか。今後の衛星とのつながりは

川上:具体的なところは承知しないが従来1,800m/s相当の燃料を用意していたところ減らせるので幅が広がることを期待している。

森:(資料24ページ)1,800m/sで今後打ち上げるメリットとして202を使うとなると約4トン。

(…)約3トンに目減りする。1,500m/sですむとなれば搭載機器を増やせる。
選択肢の幅が広がることになる。

毎日新聞さいとう:高度化に一番貢献しているのはどの技術か

川上:どれもですというのが答えになる。ひとつとして不要な変化はない。

さいとう:一番難しかったのはどれか

川上:苦労したのはエンジンの開発になるかと思う。(資料23ページ)第2段エンジンの開発試験を参照。
これは実験的にH-IIの2号機で行ったことはあった。

さいとう:H-IIの2号機のあと何年間も開発を続けていたのか

川上:高度化開発にあたって集中的に開発した。

さいとう:資料24ページの図について。H-IIAで打ち上げている衛星の種類について
このページのタイトルは正しくは「商業衛星」ではなく「静止衛星」となるのか

川上:その通り。

(?):衛生環境を世界水準以上に緩和というが1000Gになるのか

川上:その通り。

(?):衝撃試験について

川上:(資料26ページ)衛星分離時のみならずフェアリング分離時などいろいろな衝撃があり、衛星分離の衝撃が大きいのでこのようになっている

(?):将来有人ロケットを作るにあたって、たとえばソユーズより快適といったことになるのか

森:将来どういう形で輸送系を発展させていくかはいろいろ議論があるが要素的な技術は発展させていきたい。

産経新聞くさか:24ページの図について確認。H-IIAの打ち上げ衛星も含まれているということは(今までH-IIAは商業衛星を打ち上げていないことから)「静止衛星」ということでよいのか

川上:その通り。

くさか:H-IIIで対応衛星のカバレッジの拡大については

森:H-IIIではデルタVが1,500m/sを基準に。全体の半分よりさらに大きなカバレッジを持つロケットを開発していきたい。

時事通信かんだ:航法安全について。信頼性が大事と思うが工夫は

川上:信頼性を確保するだけでなく複数の飛行機会で確認し確信を持てた段階で移行。
内部的に冗長系を持たせたり複合航法を利用したりして万全なシステムにする。

(以上)