小惑星探査機「はやぶさ2」の取得画像に関する質疑応答機会(2018/06/21)

日時

  • 2018年6月21日(木)14:00~15:00

登壇者

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(image credit:JAXA

中継録画


配付資料とリンク

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今日は質疑ということで最新の画像を紹介する。

本日の内容

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1.本日の「はやぶさ2

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2.リュウグウの画像(01~16)

合計16枚。左がオリジナル。画像処理は画像平滑化、明暗強調。

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形が非常に特徴的。コマ(独楽)型。またはそろばんの珠のような形。ちょっと意外。理由はのちほど。

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200メートルより小さそうなクレーター。溝なのか複数のクレーターのつながりかはわからない。たくさんの特徴を読み取れる。

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リュウグウから100キロで撮影。

中央に大きめのたぶんクレーター、丸い構造。てっぺんのすぐわきにもたぶんクレーター。横にでっぱり、ボルダー、岩塊がある。(南半球の)小さなボツボツはボルダー、岩塊。

正確な大きさはまだわからない。正確な距離がわからないから。LIDARで正確な距離がわかれば大きさもわかるだろう。

いまの距離は軌道から推定したもので誤差がある。

この大きな丸いクレーターはおおむね直径200メートルくらい。見えてる範囲の小さなボルダーは数十メートルくらいと予想。

これまでリュウグウは「丸い形」と言ってコマ型とは言ってこなかった。形状がアップデートされてきてコマ型、トップシェイプとは明言していなかった。行ってみたらきれいなコマ型だった。

参考:他のミッションの探査候補小惑星

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ベンヌはコマ型、2008EV5も同様。ディディモスもコマ型。このような形の小惑星がけっこうあることはわかっていた。

参考:他の“コマ型”小惑星

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これらは探査対象ではない小惑星。どれも似たコマ型をしている。自転周期が短いのが共通した特徴。2時間から3時間台。

一方リュウグウは7時間半なのでコマ型とは想像されていなかった。

参考:“コマ型”小惑星の形成シミュレーション

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自転周期に依存する理由について。自転速度が速いと球形からコマ型に変型していくシミュレーション。自転が加速していく。ヨープ効果で加速する。高速回転する小型小惑星はコマ型になるという研究があった。

リュウグウは比較的大型で自転もゆっくりなのにコマ型なのが意外。

今回初めてコマ型の小惑星を探査することになり生成や進化のメカニズムがわかるだろう。サイエンスは非常に期待している。

参考:軌道図

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ほかの小惑星リュウグウに近い軌道を回っている。

探査機からのリュウグウ観測の履歴

前回と同じ。

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探査機が見た小惑星

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シュテインスはややコマ型。ほかの小惑星はおおむね球形。

探査機が見た彗星

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参考資料

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質疑応答

産経新聞くさか:現時点でリュウグウの形状がなぜこうなったのか想像できることは

吉川:細かい情報がないためなんともいえない。かつては自転が早かったのが遅くなったのだろう。そのメカニズムが謎。ヨープ効果は熱放射の圧力で自転速度が変わるもの。ヨープ効果が遅くなる方向に働いたのかも。

コマ型の小惑星には衛星が多い。衛星が分離したときに周期が変わったのかも。

今後ミッションで情報を取得していく。

バイナリーは2つ、トリプルは3つ衛星がある。

くさか:コマ型であるとわかったために衛星がある可能性が高まった?

吉川:はい。でもバイナリーやトリプルは大きな衛星を持っている。今のところリュウグウにそのクラスの大きさの小惑星は見つかっていない。

くさか:凹凸が目立つから金平糖型とかいえる?

吉川:そう言ってもいいかも。

時事通信かんだ:着陸できないということはなさそう?

吉川:イレギュラーな形ではないのが安心材料。ただ狭い領域の凹凸が問題になる。大きなクレーターの内部が平らだとすると着陸の可能性が出る。数メートルの岩があっても障害になるので着陸のリスクは評価できない。

かんだ:ここを見たら面白そうというものは

吉川:特定していない。どこを見ても面白いだろうと。クレーターは地下が見えている可能性がある。大小の岩塊、ボルダーがどのくらいめり込んでいるとかなど。今後表面のスペクトルが取れると物質の違いがわかってくるかも。目指すのは有機物。それがあれば興味深い。

テレビ朝日さとう:ネットで公開すると「スター・ウォーズ」のデススターに似ているという声。現場では?

吉川:確かにデススターに似ているとかガンダムのソロモンに似ているという声も。お団子ではなかったということで運用の工学チームにとっても関心が高い。

さとう:吉川さんとしてはなにに似ていると思うか

吉川:そろばんの珠に近いと思った。

ライターあらふね:形状と自転の関係について。リュウグウが逆回転していることは関係ある?

吉川:回転方向で違いはないと思う。高速自転すればコマ型になるだろう。

あらふね:逆回転であることは確か?

吉川:はい。

あらふね:自転軸の傾きなどで驚きはあるか

吉川:きれいなコマ型になっていたのが驚き。自転軸がほとんど傾いていない(10度くらいと予測)のは今後の探査計画を立てやすい。

ニッポン放送はたなか:形状が探査の都合のよさにどう影響するか

吉川:基本的には変わらない。一つだけ気になるのは赤道部分が張り出している、リッジと呼ぶがここはタッチダウンしやすい。この傾斜がきつすぎるとリスクが上がる。赤道部分にクレーターがあり平らになっていたら下りやすい。

はたなか:赤道を避ける可能性もある?

吉川:あまり避けられない。探査機は地球と小惑星の一直線上から下りていく。太陽電池パネルに光が当たりやすい赤道が有利。極地方へ下りようとすると探査機が傾いて電力が少なくなる。

毎日新聞永山:コマ型になるところ。高速回転で扁平になるのを言葉で説明するとどうか

吉川:シミュレーションを見てほしい。球形から高速回転させる。ゆっくり回っているうちは変化しないが高速になると遠心力で形状が変わる。レゴリスがゆるやかにつながっているだけなのでこうなる。

永山:極域にあるレゴリスが遠心力で赤道に集まっていく?

吉川:その通り。

永山:砂礫だとかレゴリスでおおわれていることが条件?

吉川:ひとつの大きな岩だとこうはならない。

永山:工学チームはタッチダウンのシミュレーションを始めている?

吉川:それはまだ。タッチダウンにはもっとローカルな地形がわからないといけない。基本的には極域への着陸は難しいので赤道付近でよい場所を探す。

NHK水野:27日の到着は赤道面の上空20キロということ?

吉川:どこから20キロとは決めていないがLIDARのレーザーが小惑星に当たると赤道から20キロということになる。

水野:リュウグウに到着したら追随して移動していく?

吉川:小惑星のまわりを回ったりはしない。常に小惑星と地球を結ぶ線上、小惑星から20キロの距離。

水野:クレーターは他天体がぶつかったものと思うが岩塊はどうしてできるのか

吉川:面白い研究テーマ。大きな丸がクレーターだとして天体がぶつかったものとするとその破片が落ちて岩塊になっている可能性がある。ラブルパイル天体の構成物がこう見えているのかも。

イトカワはラッコ型だった。たくさん細かい岩塊が集まってできていると考えている。その一部がボルダーとして見えているというもの。

フリーランス秋山:リュウグウの南極北極はすでに決まるのか。小惑星に地名をつけるのはいつごろになるか

吉川:南極点や北極点はまだわからない。到着して精密観測してから。画像からいうと逆行自転しているため下が北極、上が南極となる。

地名はまったく決まっていない。地形が見えてきてどの地形に名前をつけるべきか…名前をつける理由がある場所に名前をつけていく。プロジェクト内で検討中。勝手に名前をつけられず、IAUへの申請が必要。

NHKふるいち:TCMについて。6回目までは順調か。27日に到着できるのか。到着はなにをもっていうのか

吉川:参考資料の図「リュウグウ-探査機間の相対速度」を参照。6回目までは順調、予定通り。TCMのたびに軌道を測定して次を決めていく。非常に細かい制御をしている。残り4回目のTCM10は小惑星から20キロに静止させる。その時点をもって到着。20キロという距離を確認するのはLIDAR。

相対速度もモニタしゼロになっていることを確認する。ドップラーの変化を観測する。

(「両方同時に」という回答は質問が聞き取れず)

共同通信すえ:クレーターの直径は大きいと思うが不思議ではない?

吉川:小惑星の直径に対して大きなクレーターがあることはままある。小惑星シュテインスなどは半分くらいの大きさのクレーターがあったり。

すえ:鮮明な姿が見えてきたことの感想

吉川:本当にワクワクしている。イトカワが見えてきて表面がでこぼこだったのが驚きだった。今回はコマ型だったのが驚き。まだ大きなクレーターやボルダーしかわからないがもっと鮮明になってくればいろいろな特徴があるはずで非常に関心を持っている。

朝日新聞はまだ:先ほどおっしゃった小惑星の形成や進化のメカニズムがわかるというのは小惑星一般についてわかるということ?

吉川:最終的にはそう。まずはコマ型のほかの小惑星についての形成過程がわかるのではないか。

はまだ:小惑星の大きい、小さい、自転が早いというのは基準はあるか

吉川:基準はとくにない。見つかっている小惑星は数メートルから数百キロまである。自転はだいたい4時間未満を早いとしているがもっと短いものもある。いろいろな性質がある。ここでいう「小さい」はおおむね直径1キロ以下、「自転が早い」は3時間以下。

はまだ:小惑星の自転が遅くなる原因は

吉川:早くなる原因と遅くなる原因、両方がある。ヨープ効果。小惑星の表面温度が上がると熱放射が出てその反作用で自転速度が変わるというもの。もともとヤーコフスキー効果というものがある。赤外線による熱放射で軌道速度が変化する。これがあることは観測でわかっている。さらにヨープ効果が関係すると考えられている。

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はまだ:自転方向が変わることはあるのか

吉川:そこまではないような。自転が逆行している原因は小惑星が誕生した時までさかのぼるのでは。生成時の状況に依存するのでは。

日本テレビいだ:コマ型、トップシェイプという呼び方は一般的なのか

吉川:日本語でコマ型という言い方はあまりしてこなかった。論文ではトップシェイプという。

ライター林:赤道付近が着陸しやすくクレーター内がよさそうだが大きな岩がないところ、有機物がありそうなところを選ぶのか。

吉川:岩は1メートルクラスのものがないところを選びたい。サンプラーホーンの長さは1メートル程度なので。有機物があるかどうか判断して選ぶ。

林:南極近くの岩塊はそれほど面白いわけではない?

吉川:そんなことはない。解像度が高い写真が撮れてくれば面白いだろうと注目している。溝のようなクレーターの連なりのようなところも。

NHKつつい:自転軸が垂直だと極地方の観測は可能なのか

吉川:はやぶさ2の居場所をずらすことはやってみる予定。極地方も観測する。

毎日新聞永山:ラブルパイルがコマ型になりうるのか

吉川:ラブルパイルでない、ひとつの大きな岩だとコマ型にはならない。

永山:リュウグウイトカワと同じように岩塊が集まってできたと考えるのか

吉川:それは今後の観測。イトカワはS型、リュウグウはC型とタイプが違うのでそれで構造の違いがあるかもしれない。面白いところ。

NHK水野:有機物をどうやって探すのか

吉川:有機物は直接見るというより含水鉱物があるところを探す。含水鉱物があるところに有機物がある可能性がある。NIRS3という赤外線スペクトルを取るセンサで全体をくまなく調べた上で3ミクロン単位の吸収がある場所を探す。

水野:現状どこがというのはわかるのか

吉川:赤外線のスペクトルはまだ取れていない。ONC-W(広角カメラ)のフィルタで観測はしているがNIRS3ではこれから。

水野:ではなぜ現状で有機物があるらしいとわかっているのか

吉川:リュウグウはC型小惑星。スペクトルから決まる。C型小惑星から来たと考えられている隕石が炭素質コンドライト。その中に有機物が確認されている。だからC型小惑星には有機物があるだろうと考えられている。

フリーランス大塚:自転軸が垂直に近いのが意外。自転軸が寝ているという予測が外れた理由は

吉川:自転軸が寝ている予測のほかいくつかの予想があった。寝ているのが一番ありそうな予測だった。立っているという予測もあることはあった。結果的に自転軸が立っていたので計画は立てやすくなった。

もともと丸い形ということで自転軸を予測しづらかった。もっと細長ければライトカーブ、明るさの変化から自転軸を予測しやすい。

大塚:極地方の観測について。近づいていってONC-Wで見るのか

吉川:まっすぐリュウグウに向かっていけば赤道地方しか見えないが上下から回り込むようにして極地方を見る。

(…):たびたびすみません。クレーターにリュウグウ固有でないものがあるとしたらそれをサンプルリターンしてしまう可能性は?

吉川:どの小惑星にも隕石が落ちる可能性はあるからそれは排除できない。今回リュウグウ固有の物質がたくさんあるだろうところにタッチダウンする。月のクレーターを見ると放射状の筋がある。そういうのも見る。

(以上)

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(2018/6/14)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、現在小惑星Ryugu(リュウグウ)に向けて順調に航行を続けています。「はやぶさ2」は、6月3日にイオンエンジンの連続運転を終了し、光学航法を用いてリュウグウへ近づいていく段階にはいりました。 今回の説明会では「はやぶさ2」の現在の状況、光学航法の詳細、リュウグウ画像が撮像できている場合はその説明を行います。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(18/06/14) | ファン!ファン!JAXA!

日時

  • 2018年6月14日(木)11:00~12:00

登壇者

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(image credit:JAXA

(左から神山氏、久保田氏、吉川氏)

中継録画

(00:08くらいから)

配付資料とリンク

久保田スポークスパーソンからの挨拶

はやぶさ2の状況を随時皆さんに説明する。初代はやぶさではタッチダウン時の航法運用を担当した。はやぶさ2では同じ「こうほう」でも広報を担当する。

はやぶさ2リュウグウに向かって順調に飛行中。今日は接近方法や観測データを紹介する。まさしくワクワクドキドキする場面。今後もよろしくお願いします。

本日の内容

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  • リュウグウの観測
  • 工学電波複合航法(光学航法)の詳しい話
  • 衛星探索
  • スケジュール

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1.プロジェクトの現状と全体スケジュール

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2.リュウグウの観測

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背景の星を撮影し露出時間が長いためリュウグウが明るい

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リュウグウのサイズが10ピクセルくらいに(約920キロから撮影)

正確な形や表面の状況はまだわからないが形状や大きさはおおむね想像通り

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ONC-W1(広角光学航法カメラ)はONC-Tで撮影できなかったときのためのバックアップ的な位置づけ

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TIRでライトカーブを取得、明るさの変化の周期は地上観測による予想の自転周期と同じ7.6時間

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LIDAR(レーザ高度計)とNIRS3(近赤外線分光計)を電源投入

3.光学電波複合航法(光学航法)

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遠くの小さな天体に到着するための技術

地球の表面に沿って日本からブラジルへ行き、6センチの的に到着する必要がある

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(今村註:この図ははやぶさ2のトップページにある図と同じ座標系ですね※下の図は距離の数字を加工しました)

http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

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地上観測チーム:ソウル大学日本スペースガード協会京都大学JAXA

航法チーム、誘導チーム、運用チーム

軌道制御(TCM)は10回行うことを予定している

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「OPNAV実施前」(オレンジ)はリュウグウの想定される位置

「OPNAV実施後」(緑)は実際の位置

右上は5月13日の観測を拡大したもの(想定位置の精度が上がっていることがわかる)

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10回の軌道制御(TCM)で相対速度を0にする

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4.衛星探索

(ここから神山氏が解説)

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リュウグウが持つ重力からHill半径(衛星が存在可能な範囲)を推定できる:リュウグウのHill半径は約90キロ

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リュウグウ周囲の輝点は恒星

50センチより小さい衛星は軌道半径50キロ以内にのみ存在する

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4回撮像すると恒星は動かないが衛星があれば動いてわかる、画像解析も用いた

5.ミッションスケジュール

(吉川氏に交代)

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6.今後の予定

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別紙

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参考資料

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(↑このライトカーブのページが新設)

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質疑応答

(29:59くらいから)

時事通信かんだ:ONC-Tの画像の評価について。地上観測と矛盾しないとのことだがこの段階で「球形とみられる」といえるか

吉川:ONC-Tの画像が現在一番詳細な画像なのでここから判断するしかない。時間をおいて撮影した画像も何枚か見ているが基本的にこの形と変わらない。自転軸の向きもわからないので確定的なことはいえないが、少なくとも極端に細長い可能性はほぼ排除できたと考えている。ただこの写真でも少し角張って見えなくもない。球形といえるかどうかはもう少し近づいてから。

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かんだ:自転軸についてわかることは

吉川:現時点では地上からの観測で得られた自転軸の情報より精度の高いデータは得られていない。今後詳しい写真が出てからになる。

かんだ:角張っている可能性は?

吉川:現時点の写真を見ると角があるようにも見える。今のところなんともいえないという状況。

NHKすずき:吉川さんに。リュウグウの姿がだんだん明らかになっていくことに対してどんな期待があるのか。昨日ははやぶさ帰還から8周年でTwitterなどで応援メッセージがあったこともふまえて、今後どのようにしていきたいか

吉川:昨日ははやぶさの地球帰還から8周年だった。その同じ日にリュウグウまでの距離が1,000キロを切った。感慨深い。現在はこの程度の写真だが来週には撮影画像の解像度がさらに上がってくるので非常に楽しみ。サイエンスのチームがエキサイトしてきている。この写真を見てへこみがあるのではないか、出っばりがあるのではないかなど議論をしており期待が高まってきている。

日刊工業新聞とみい:吉川さんへ。今日新しい情報や知見はどれか

吉川:写真の解像度が上がってきた。また科学観測機器が動き出した。TIRでライトカーブを取れた。

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とみい:ライトカーブによって自転周期は予想通りと確認したということか

吉川:実はTIRだけでなくONC-Tでも観測しライトカーブを取得。地上観測での自転周期に合致することを確認した。

とみい:TCMは具体的になにをするのか

吉川:こういう軌道↓をとって近づいていく計画。この計画通りに近づいているか確認し、ずれていたら3軸方向にスラスターを噴いて修正。

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とみい:神山さんに。何センチ以上のものを衛星と呼ぶのか。はやぶさ2の運用に支障がない大きさというものはあるのか

神山:小さな衛星が安定的にリュウグウを回る軌道にいられるか下限値を計算できる。リュウグウの衛星は10センチ以下だと太陽光圧によって軌道から外れていく。10センチ以上の衛星を見つける観測を続ける必要がある。現在は50センチ以上の衛星はないと確認している。

吉川:衛星の定義はとくにない。リュウグウの周囲を回っていれば小さくても衛星。ぶつかってくると数センチでも脅威であり心配。

産経新聞くさか:神山さんに。衛星がないとみられる根拠は

神山:小惑星の大きさと自転周期が衛星を持てるかのパラメータになる(リュウグウは直径約900メートル、自転周期7.6時間)。リュウグウには衛星がないだろうというのが理論的な予想。自転周期が早い、たとえば5時間や2時間の小惑星では衛星を持つことがあり実際に観測されている。リュウグウは過去の観測で見つけられている、衛星を伴う小惑星のスペックから外れる。リュウグウのスペックでは安定的に衛星を持つことはないだろう。

くさか:衛星がありそうな危ない小惑星には行かないということか

吉川:衛星の有無はあまり気にしていなくて(行ってみないとわからないし)、リュウグウは探査機が往復できる軌道にあるC型小惑星ということで選んだ。

くさか:10センチ以上の衛星がないと結論できるのはいつ?

神山:難しい質問。距離が半分になると半分の大きさの衛星を見つけられる。2,100キロの距離から50センチの衛星を探した。400キロくらいの時点で10センチの衛星を見つけられる。ホームポジションは20キロ。(10センチ以下の衛星はリュウグウに安定的に存在できないので)そこまでで衛星がないことは結論できる。段階的に安全を確かめていく。

月刊星ナビなかの:望遠カメラの画像の波長は短波長のモノクロ?

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吉川:フィルタを使っているが解析中。公開しているのは一つの波長。

神山:色フィルタは7つ持っている。Wideを含めるとONC-Tはさまざまな波長の光を一度に取り込める8つのフィルタを持っている。それぞれのバンドで観測していて色合成すればリュウグウの色がわかるところまできている。カラー画像は解析中。

なかの:カラー画像はいつ公開される?

吉川:正確には決めていないが数日に1回、軌道制御のたびに写真を公開していく。(今村註:カラー画像がいつ出るかは答えていないですね)

フリーランス村沢:DDORについて。クエーサーを使っている?

吉川:地上の2つのアンテナで同時に電波を受ける。探査機を見たりクエーサーを見たりスイッチングをし、大気や電離層による遅延誤差を補正している。

村沢:23日に取材できるのは新管制室?

吉川:その通り。

赤旗しんぶんなかむら:神山先生の肩書きに「人工知能研究センター」とある。先ほど「目を皿のようにして衛星を探した」とのことだったがAIを使った?

神山:AIは使っていない。衛星探しは教師データがあって真価を発揮するタイプの課題。あるかないかわからないところから見つけるのは人間の方が得意という判断。画像処理を組み合わせて探索した。

衛星ならこのくらいで輝くだろうというモデルも画像に入れてみて、近いものがないか判断。検出限界近くになると慣れないと難しいがだんだん見分けられるようになってきた。

なかむら:衛星の速度について。たとえばHill半径ではどのくらいになるもの?

神山:速度そのものは速くなく秒速数センチくらいだろう。はやぶさ2との相対速度や当たる場所によっては危険になる。衛星の大きさがわからないまま進むよりは事前に把握しておきたい。

なかむら:21ページの写真は10日だと中心にリュウグウが出ている。位置推定の精度が上がっている?

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吉川:位置の推定精度は現在解析中であり正確な数字はこれからだが、5月でリュウグウの位置推定精度は130キロだったのがいま数十キロ程度。接近していけばもっと小さくなっていく。

ライターあらふね:光学航法の作業について。4つの地上観測チーム(ソウル大学日本スペースガード協会京都大学JAXA)は別々に画像を見ている?

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吉川:その通り。誤差を減らすため。

共同通信すえ:吉川先生に。着陸に必要な表面情報は20キロ到着までにわかる?

吉川:着陸地点の判断は到着後。

すえ:角張っていると着陸が難しいなどあるのか

吉川:形よりも表面がでこぼこかどうかがカギ。

大きさは予想より大きく違わない。推定直径900メートルに対して1キロなのか800メートルなのかがわかる精度はまだない。

毎日新聞永山:TCMについて。10回目のTCMはリュウグウとの相対速度をゼロにするブレーキ?

吉川:その通り。

永山:現段階でここまで具体的なスケジュールを決められる理由は

吉川:この座標系でカーブをしているのは軌道運動があるから。津田プロマネを中心とする軌道計画グループが計画を決めている。

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久保田:21ページ参照。リュウグウに着いたとき真ん中にリュウグウが写るのがよい。ずれたらスラスタをふかして修正するがその間隔を広めにとるとリュウグウを横から見た様子がわかる。するとリュウグウまでの距離を正確に知ることができ、いつTCMをしたらよいかを決められる。これははやぶさの運用の成果を生かしている。

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永山:はやぶさのときはTCMの計画をここまで詳しく決められなかった?

久保田:はやぶさでは画像を撮って画角から外れてきたら噴くというのをやっていた。今は距離がわかっているのでこの詳しさ。到着が27日前後といえるのも精度が上がったことによる。

永山:形がちゃんとわかってくるのはどのくらいの大きさで撮れるとき?

吉川:100ピクセルくらいになればかなり形がわかってくるだろう。

日本テレビいだ:吉川先生に。久保田さんがワクワクドキドキすると話していたがリュウグウの姿を見ての現在の感想を

吉川:今のところ当初の想定からずれてはいないがイトカワのときは着いてみたら想定と全然違っていた。運用上は予想外でないほうがよいがサイエンス的には驚きがある小惑星がよい。どうなることやら、もうすぐ判明する。どう見えてくるのか非常に楽しみ。

いだ:見たときの感動などはあったか

吉川:小惑星がちゃんと写ったのは感動、ほっとした。まだこの見え方なのでそれ以上はなんともいえない。

いだ:若干角張っているかもということしかいえない?

吉川:そのくらいです。写真からそうも見えるというだけ。まだわからない。

久保田:専門家も皆さんと同じような印象を持っている。皆さんもいろいろ想像してみてほしい。完全な球ではなさそうだというのは皆さん思っていることだろう。だんだん詳しい画像が出てくるので皆さんと一緒に楽しみたい。

ライター喜多:アプローチの方法。「リュウグウを真ん中にとらえるように運用」とのことだが8ページの13日の写真でリュウグウが少しずれているのは意図している?

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久保田:残っている誤差によるもので、ずれているとき撮った。頻繁に真ん中に入れようとすると燃料を使う。ずれると距離情報をつかめる。わざとやっているというより誤差のずれを見てよりよい情報を取ろうという作戦でやっている。

喜多:誤差の範囲も含めてコントロールできているという自信のあらわれ?

久保田:そう理解していただければ。

(以上)

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(2018/6/7)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、現在小惑星Ryugu(リュウグウ)に向けて順調に航行を続けています。「はやぶさ2」は、6月3日にイオンエンジンの連続運転を終了し、光学航法を用いてリュウグウへ近づいていく段階にはいりました。
今回の説明会では「はやぶさ2」の現在の状況、往路最後の連続運転を終了したイオンエンジンについて説明を行います。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会 | ファン!ファン!JAXA!

日時

  • 2018年6月7日(木)11:00~12:00

登壇者

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(image credit:JAXA

(右から)

中継録画

(00:11くらいから)

配付資料とリンク

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本日の概要

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ミッションの流れ概要

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到着のところに日付が入った。6月27日前後予定。

1.プロジェクトの現状と全体スケジュール

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2.イオンエンジン運用

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1月にイオンエンジン2台から始めた。太陽から比較的離れているところから運用を始めたため。発電量が少なく3台運転ができない時期だった。

2月20日ごろ、一部3台運転が可能になるまで太陽に近づいた。ただフルパワーではなかった。推力を連続的に可変であることから少しずつ推力を上げていった。使える電力をなるべく使い切った。

最後の3~4週間は3台を10ミリニュートン(mN)という最大推力で運転。30mNに少しだけ足りないのは3台のイオンエンジンが向いている方向(ベクトル)の関係。

「動力航行」はIESを1台以上運転している状態。(←→慣性飛行)

運転時間としてははやぶさ2は6,500時間でリュウグウ到着。はやぶさでは12,000時間だった。

総力積はどのくらいの仕事をしたか。はやぶさ2の総力積ははやぶさの半分(往路分)より大きく、イオンエンジンの推力アップが効いている。

最大推力はほんの一瞬というものではなく1,024秒(約17分間)稼働したもの。

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はやぶさからはやぶさ2でどのくらい運用改善したか。

はやぶさはちょっと問題があったらまず止めた。宇宙のものは基本的に修理できないため慎重に。平均値はこの時間内に計画外停止が起きたということ。

イオンエンジンに特有の放電で計画外停止が起きる。それでもはやぶさ2は4回ですんだ。

運用の効率化。地上から見えてる時間帯だから監視しようというのは人的コストもかかる。はやぶさは毎日7~8時間追跡。1つの地上局から深宇宙探査機はこの時間見える。その間は監視した。はやぶさ2は週1日は可視時間すべて監視したがそのほかは1日4時間程度の「半パス」運用。

気付かないとき止まりっぱなしになる可能性がある。リュウグウ到着直前は1時間の停止を取り戻すために10時間かかったりする。

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スイングバイ後は3つの長い期間に分けて運転した。

3.光学電波複合航法(光学航法)

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今本格的に始まった。探査機から見たリュウグウの方向をもとに接近していく。光学航法だけでなく電波航法も使うため光学電波複合航法。ただ長いので通常は光学航法と。

リュウグウは地上からレーダー観測しておらず軌道の誤差が大きい。

はやぶさではDDORを本格的には使っていなかった。

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↑これは昨日の早朝ONCで撮影。リュウグウはかなり明るい。露光時間が約3分と長いためスミアが出ている。

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露光時間を0.09秒にすると3ピクセル。これが実際の大きさ。形はまだわからない。2,600キロメートルの距離から見てリュウグウの大きさは約0.9キロメートル。従来の予想に近い。

このような撮影を毎日のように続け、はやぶさ2からリュウグウを見て接近している。

4.ミッションスケジュール

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6月14日にも記者説明会。

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5.その他(アウトリーチなど)

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6.今後の予定

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6月27日ごろに記者説明会(相模原キャンパスで)

参考資料

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質疑応答

(32:44くらいから)

日経BPとみおか:西山さんに。イオンエンジン運用の最大推力のところ。スラスターBの最大推力が10mNではなく7.61mNになっている理由は

西山:2014年12月暮れにそれぞれのイオンエンジンの初期動作確認をしたときの数値。同じ条件でチェックしたためこのときはほかのスラスターもこの数値だった。

キセノンの流量を、最大推力を出せるよりさらに多いところから始めると推力が10mN出ていたものがカクッと落ちるところがある(ここにあるのはその数値)。地上試験の結果、長期間運転していなかったイオンエンジンはキセノンを過大な流量、小さい推力から始めると安定することがわかっていたためそういう方法でチェックアウトした。

スラスターBの運転時間は11時間。Bは初期動作チェックのあと運転していない。

ちなみにはやぶさのAは運転時間7時間。これは本当に壊れた。初期動作確認のあとイオン源に不具合が出てこうなった。

機器の接続状態として4台のうち3台に直流電源を接続できる。1つは予備という考え。スラスターと電源はあらゆる組み合わせができるようにしておくと、どこが壊れても生き残ることができるが探査機が重くなる。組み合わせも割り切りをして、電源1~3の3つに。電源1はスラスターAとBを担当でき、電源2はBとC、電源3はCとDを担当。(確率は低いが)電源1が壊れるとスラスターAを運転できなくなる。組み合わせ上、AとDを優先して運転するのがよい(=BとCは電源に冗長性があるため温存したい、AとDは先に壊れてもよいと考える)。そのためスラスター2台運転ではAとDを使う。

3台運転のときどうするか。スラスターAとDに加えてBとCどちらを使うか。(はやぶさ2太陽電池パネルを太陽に向けており)太陽から離れているスラスターCの方が温度が低く、燃費がややよくなる。有利なものを使おうということでCを使った。気まぐれにBを運転することもできるが、はやぶさ2イオンエンジンの実験ミッションではなくリュウグウに到達するのがミッション。そのためBは使わなかった。

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イオンエンジン担当としては4つのエンジンすべての特性を知りたいが、Bを使わざるを得ない状況にならないようにしつつ地球帰還させたい。

共同通信すえ:吉川さんに。リュウグウの姿がわかってくるのはいつごろ?

吉川:来週1週間で10数ピクセルくらいになる。形がわかってくるかも。2週間後には100ピクセルを超えてくるのでかなり形がわかるだろう。

すえ:イオンエンジン運転を前倒しで終了できた理由は

吉川:最後のイオンエンジン運用が順調だった。マージンを使わずにすんだ。

時事通信かんだ:西山さんに。はやぶさのときはイオンエンジンそれぞれにくせがあったようだが今回安定していたことが運用に与えた影響は

西山:運用の改善に役立っている。初号機は1つ1つのスラスターを寸法調整を個別に行っている。寸法形状はばらばら。特性を合わせようとしたが経年での変化のしかたはそれぞれ違った。

はやぶさ2は各イオンエンジンの特性が揃うようにしたいと切望していた。寸法に関しては機械加工の精度の範囲ではまったく同一。どの部品が性能に与える感度が高いのかもわかってきた。初号機に比べるとだいぶ整った特性になっている。安全のための設定のさじ加減で我々の経験値が増えたこともある。はやぶさに比べて安全係数をゆるめにできた。その上で望んでいないタイミングで止まってしまうということは避けられた。

性能を揃えるのは今後とも取り組んでいきたい。

かんだ:性能が揃ったことが効率アップに寄与した?

西山:そうですね。監視の値も各スラスターで共通の数値をあてはめている。

赤旗新聞なかむら:到着予定の誤差はどのくらい縮まった?

吉川:11ページ参照。STTで誤差が半分(100キロ強)に。12ページ。リュウグウを中心に写すつもりで撮影計画を立てたがこのようにずれている。このずれの距離は約70~80キロ。我々が思っているリュウグウと探査機の位置関係の誤差がずれとして出ている。今後これを縮めていく。

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なかむら:LIDARを使えるのはリュウグウまでどのくらい近づいてから?

吉川:LIDARは距離25キロメートルくらいから使える。到着直前までは光学航法。到着時の距離は20キロ。

なかむら:6月3日からの接近誘導では化学エンジンを使う?

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吉川:その通り。

なかむら:これからなにが山場? また抱負を

吉川:精密な誘導が必要。光学航法をいかに正確に行えるかがカギ。またリュウグウに衛星がないかこれから確認していく。広い範囲を撮影してリュウグウのほかに移動天体がないか確認する。たぶんないだろうが心配はしていて、もしあると運用に大きな影響がある。

抱負としては是が非でもリュウグウをちゃんと見たいので全力で取り組む。

ライターあらふね:動力航行の時間がはやぶさより短くなった。推力アップや軌道の違いのほかに要因はあるか

西山:打ち上げロケットの違い(M-VH-IIA)がある。地球離脱時の速度が大きく違う。地球スイングバイまでのイオンエンジン運転が非常に短い。初号機は最初の1年間で5,000時間運転した。イオンエンジン担当としては楽をさせてもらった。

あらふね:運用時間の削減について

西山:安定しているので削減できた。心配ならコストどうこう言わず監視する。大丈夫だと言うことで効率化していった。

あらふね:それはいつごろ決まってきたか

西山:地球スイングバイまででおおむね見極めができてきた。順調に推移した。

あらふね:リュウグウを電波観測しなかった理由は

吉川:レーダー観測はゴールドストーン局から電波を当ててアレシボで受けた。イトカワはやぶさの目標と決まってから地球に接近するタイミングがあった。リュウグウは決まってから地球に接近しなかったためレーダー観測できなかった。

毎日新聞永山:西山さんに。往路完走できたことへの率直な感想。自信はあったか。その理由、勝因は

西山:自信はあった。冷静な気持ちで、当然できるだろうと思っていた。はやぶさの不具合は絶対に直す。時間が限られた中とことんやりつくした。

はやぶさは中和器に不具合が出て壊れたり推力低下があった。中和器の耐久性確保がカギだった。はやぶさ2のミッションではイオンエンジンは1万時間の運転とわかっていたため、打ち上げまで2万時間の耐久テストをと考えてうまくいっていた。耐久テストはいまも続いていて48,000時間まで来ている。実験室でこれだけテストできているものを実戦で1万時間というならもう大丈夫。

宇宙作家クラブ上坂(@):ONC-Tの視野角について。12ページとうしろのページで記載が違う理由は。リモートセンシングの映像を作ったとき6.35度の正方形と聞いた。12ページでは6.3度×6.5度角。どうして?

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吉川:これはどうしてだろう。のちほどお答えします。

産経新聞くさか:予習したい。20キロに到着してからの運用について。どのように化学エンジンを使うのかなど

吉川:次回資料を作ります。簡単にははやぶさ2のWebのトップで見られる。これは画面上方が地球で、リュウグウを固定した座標系。光学航法はリュウグウを背景の星に対して見て近づいていく。そのため微妙にジグザグしつつ近づいていく。適宜確認しながら接近。20キロでスラスターを噴いて相対速度をリュウグウに揃える。すると地上から見たとき視線方向の速度が同じになる。またLIDARで距離も測る。それが到着ということ。

http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

くさか:リュウグウがどのような星であるかという暫定の想定を知りたい

吉川:24ページ参照。自転軸の傾きが重要。垂直ではない。自転軸の傾きと接近方向によって見えない範囲がどのくらいになるかが決まる。

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ライター喜多:西山先生に。リュウグウに到着してしまったのでIESチームは仕事がなくなる。滞在期間中の仕事は次のイオンエンジンの研究開発と思うが抱負を

西山:抱負の前にまずはやぶさ2の運用から手を引くということはなく、特に若手はスーパーバイザーとして専門でなくても運用チームに組み込まれている。

そのうえで将来のミッションに向けて発展させていく。はやぶさ2の飛行中から手をこまねいているわけではなく課題に日々取り組んでいる。研究をリュウグウ観測期間中も行い、なるべく早く次のフライト機会を手にしたい。いくつか検討・提案中。はやぶさ2イオンエンジンを改良したり大胆に仕様変更したものなどで宇宙科学のさまざまなミッションに貢献していきたい。

なるべく早く次の飛行機会を得るのが当面の目標。

ニッポン放送はたなか:リュウグウの衛星について。あるとすると衝突や軌道修正の可能性がある? ないとわかるのはいつ?

吉川:衛星があるとはやぶさ2に衝突しないようにしなければならないため運用に影響が出る。はやぶさのときもイトカワの周囲に衛星があるか気にしていて写真を撮って確認した。撮影した範囲ではないだろうとわかるが実際問題絶対にないとは言い切れない。

ナビゲーションのための撮影や探査は行うが危険な天体がないか常に気にしつつ進める。

テレビ朝日さとう:計画全体の中でどういう時期に当たるか

吉川:いよいよミッションの本番にさしかかった。打ち上げから3年半ほど地球スイングバイイオンエンジンなどあったがはやぶさ2の目的はリュウグウの探査。ローバーやランダーを下ろしタッチダウンもする。それがようやく始まる。これからが本番。

さとう:この時期は緊張する時期?

吉川:その通り。ちゃんとたどり着けるかということ、リュウグウがどういうものかまだわかっていない。はっきりした時点で計画を作る。半分ワクワクしつつ半分は緊張している。相手がどういうものかによって対応策を考えなければならない。

(以上)

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会

日時

  • 2018年4月19日(木)13時30分~14時30分

登壇者

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(image credit:JAXA

※写真左から杉田氏、佐伯氏、津田氏、吉川氏

中継録画

配付資料とリンク

2018年の小惑星リュウグウ到着にむけて小惑星探査機「はやぶさ2」の近況

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津田:おかげさまではやぶさ2は太陽系を飛行中、2か月半ほどで小惑星に到着する運び。間もなく到着するのでそれに向けた準備ができているご報告と今後のご案内。

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現状、スケジュール、リュウグウ初観測、広報とアウトリーチ活動について

はやぶさ2」概要

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6月21日から7月5日までの間にリュウグウ到着

ミッションの流れ概要

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スイングバイで地球のそばをかすめ飛ばすことで加速、リュウグウに軌道を向けた。うまくいった

プロジェクトの現状と全体スケジュール

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小惑星リュウグウの初観測

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実際に写真を撮って確かにそこにリュウグウがあることを確認

色の情報(スペクトル)を得ることでリュウグウの組成を知る

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動いているのがリュウグウ

「ちゃんと来ているな」という動かぬ証拠

リュウグウの近くに一瞬見える輝点はノイズ。「これはジェットですか」という質問が来た。みなさんよく見ている。

このときの撮像は最長露光(約3分)で、その間に宇宙線が来るためノイズが入る。リュウグウに近づけば露光時間がごく短くなるのでノイズはほとんどなくなるだろう

地上観測からの推測に合致する(調和的な)画像を撮影できている

カラー合成で星の表面温度による色の違いがわかる。少し緑に見えているがもう少し黄土色っぽくなる。変な吸収がなく太陽の光がそのまま反射しているというC型小惑星の特徴に合致する。水や有機物を持っている可能性を支持する結果

イオンエンジン運用

往路におけるイオンエンジン運用のまとめ

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往路におけるイオンエンジン運転のまとめ。黄色いハッチングのところでイオンエンジンを運転している。地球スイングバイの手前でも少し噴かして軌道修正している

イオンエンジン運転で2台に落とすところがあるのは太陽から遠ざかり、発生電力が少なくなるため

第3期イオンエンジン運転の状況

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グラフの平坦なところはイオンエンジンを止めて精密軌道決定している。はやぶさ2がどこを飛んでいるのか精密に測定する。

現在全体の70パーセントの増速量を獲得している

運転終了するとリュウグウまで2,500キロになる予定

軌道計画(今後の予定)

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今の予定ではリュウグウまで2,500キロに来るのは6月5日予定

小惑星の軌道は100キロメートルほど誤差がある。2,500キロから撮影し軌道を得た上で接近する

現在小惑星との距離は26万キロ。実測460キロメートルくらいで接近している(単位が?)

ミッションスケジュール(暫定版)

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アプローチ運用で2,500キロからさらに接近。リュウグウまで20キロに着くのは6月21日~7月5日予定。リュウグウは自転軸すらわかっていないので幅がある(自転周期は7時間とわかっている)

重力計測降下で自由落下させて重力を測る

「スロット」ごとにタッチダウンやローバの投下を行う

クレーターを作る運用は2019年3月~4月。結果がよければタッチダウン運用のスロット3を行う

運用訓練

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着陸点選定訓練(LSS訓練)と実時間統合運用訓練(RIO訓練)

RIO訓練の目的

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降下運用のスキルを上げるのが目的

コンテンジェンシーケース(想定外の状況)

RIO訓練の種類

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TRIO(トゥーリオ):訓練のための準備とRIO訓練(リアルタイム訓練の本番)

仮想の小惑星リュウグウリュウゴイド)

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模擬リュウグウリュウゴイド」を作成。4億ポリゴン程度

はやぶさ2ハードウェアシミュレータの構成図

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CMD遅延とTLM遅延:地球から電波を送ってはやぶさ2に届くまで最大20分かかる。この遅延を出すための装置。遅延なしで訓練するとわりと楽だが遅延が入るととたんに運用が難しくなる

GCP-NAV:画像を用いた地上からのフィードバック制御

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小惑星の画像を地上へ送ってきてそれを地上で見て探査機の位置を推定する

推定の見え方と実際の画像を合わせてずれを見る

右は下りてくるときのパス。緑が予定でそれに合わせて精度よく下りている

小惑星近傍で想定される降下運用

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コンテンジェンシー(不測の事態)を想定

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出題チームが不測の事態を出してくる。その分類の例3つ

RIO訓練の例

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訓練時のカメラ画像の動画

RIO大規模訓練の様子

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広報・アウトリーチの一覧

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小惑星リュウグウ”想像コンテスト

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科学館が主催で想像画を集めてもらう。たくさんの作品が寄せられているようだ

はやぶさ2トークライブ

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今後は「シーズン2」としてミッション報告会を行う検討中

「はや2NOW」

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アメリカのDSNが探査機との通信状況をリアルタイムに提供していて、それに似たものを作った。運用状況がわかるようになっている

打ち上げから到着までの動画

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暫定版。後日公開

今後の予定

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5月にスタートラッカ(STT)による撮像

参考資料

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探査機概要

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小惑星近傍運用検討の体制

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質疑応答

(52:41くらいから)

毎日新聞永山:準備が整ってきたということだが、どのくらいまでできていて残りはなにか

津田:実運用と訓練に分けて申し上げる。実運用は7割方。太陽系を動いている小惑星を追いかけるようにタイミングよく到着しなければならない。イオンエンジンをタイミングよく噴いたり止めたりする必要がある。うまくないと到着が遅れる。近づくほどタイミングが重要。残りの3割が大切。ここを慎重にやっていかなければ。
訓練は47回中43回終了。かなり習熟してきている。出題側もこういうことが起きるだろうと想定。それ以外は想定外となる。リュウグウの形も行ってみなければわからない。探査機の挙動もそれによって変わってくる。これからは想定外も含めて自信をつけたといえるのではないか

永山:5月のSTT撮像でわかることは

津田:科学観測には不向きなカメラ。小惑星の位置を精度よく決める。現在100キロ程度の軌道精度。ナビゲーション技術で精度が上がった。STTでさらに精度を上げる。

永山:自転軸がわかるのは6月以降?

津田:その通り。

時事通信かんだ:訓練の失敗から手順を更新したなど改善点の具体例を知りたい

佐伯:改善リストを作っている。何百個も改善点がある。たとえばリュウグウとの距離を測りながら下りるとき地上が持っているモデルと実際のリュウゴイドの形状(地上チームには非公開)の差で精度が上がらないことがあるとか、ツールの画面が見づらい、グラフのこの線は不要などといった細かいところまでいろいろ。

かんだ:打ち上げから休眠している観測機器の動作確認スケジュールは

佐伯:到着までは着くことに専念。到着後は本番になるのでチェックアウトで機器が正常かチェックする。

津田:ずっと休眠しているわけではなく半年に1回ほど恒星や惑星を見るなどして健全性を確認している。
LIDARは宇宙空間では近くにレーザーを当てる対象がなく確認できないので、センサーやカメラ類で航行中確認できるものは確認しているということ。

NVSさいとう:RIO訓練について。43回のうち大規模訓練9回で何回サンプルを採れたのか

佐伯:大規模訓練ではタッチダウン訓練だけでなくローバーの訓練なども行っている。タッチダウンの訓練は2~3回。サンプルは基本毎回採れているが精度がよかったのは…結果の評価は津田プロマネから。

津田:成功は成功でもスコアが低いこともある。「撃墜」と評価。2回は成功(うち1回は大成功)、1回は撃墜に近い成功(正しく失敗しているかなど)。43回のうち半分くらいは不満足だった。

さいとう:アポロやこうのとりの訓練では最初が易しく、だんだん難しくしていくそうだがはやぶさ2も同様?

佐伯:その通り。TRIOで最初は小惑星に下りられないことがあった。熟練度が上がっていくと難しい訓練ができるようになる

読売新聞たけうち:STTによる撮像について。どのくらいのレベルで見えるのか。7月のONC-Tではどのくらいの姿か。イトカワのような写真はいつごろ撮れるのか

津田:イオンエンジン運転中は小惑星に対する精度が2倍(50キロ程度)になる。小惑星まで20キロになったら2キロ程度の精度に。2,500キロですとONC-Tでは2~3ピクセル。20キロなら30~40ピクセル。日々お見せできるようにしたい。

杉田:イトカワは細長い形状と到着前からわかっていた。リュウグウは球形なので、かなり近づかないと具体的な形状はわからないだろう。明るさに関係なく大きなクレーターがあれば驚きの成分がある。6月以降の30ピクセル以上になってくれば。

ライター××:訓練の1巡目2巡目とは。残り4回の訓練の力点は。遅延について

佐伯:難易度を上げた。1巡目では真ん中にタッチダウン、2巡目は端にタッチダウンなど。1巡目で出てきた改善点を短期間で修正し2巡目へとするなど。
残りの訓練は運用訓練の総仕上げ。
遅延があると地上の対処が間に合わないことがある。探査機が自分で判断できるものが必要と訓練でわかってブラッシュアップされていく。

××:ファーストライト画像で「太陽の光をそのまま反射している」とはリュウグウにあまり色がついていないということか

杉田:その通り。わりと灰色。光の吸収がなく太陽の光がちょっと暗くなるだけでそのまま反射している

××:今後の希望は

津田:イオンエンジン往路の完走。我々がはやぶさ2の最重要技術。ぜひ完走してほしい。小惑星が見えてくるのでその報告をしたい。

(以上)

2018年の小惑星リュウグウ到着に向けて小惑星探査機「はやぶさ2」の近況

日時

  • 2017年12月14日13時30分~14時30分

登壇者

中継録画

(02:04くらいに始まります。下はそこから再生します)

現在の「はやぶさ2」概要

今日から、リュウグウまでの距離をはやぶさ2のページのトップに出すようにしている。

プロジェクトの現状と全体スケジュール

到着は計画通り来年6月~7月。

今日は運用訓練について詳しく。

2017年7月以降の運用

TIリセットは9月5日に実施。帰還までリセットの必要なし。

小惑星到着に備えて

事前情報がイトカワより少ない。今回は自転軸の向きなどがわかっていない

タッチダウンはやぶさでは予定通りにできなかった

前回は「こんなこともあろうかと」があったが今回もいろいろ考えている。

トラブル対処あれこれ。

サクセスクライテリアとの関連。可能であればフルサクセス以上のことをやりたい。

リュウグウが予想と異なる場合の対応案の例。行かないとわからないことがたくさん。

運用シナリオにおける対応。行ってみると予定が変わるかもしれない。

運用シナリオにおける対応の方針(案)。リュウグウに衛星があった場合、着陸機を分離できなかった場合など。1回目のタッチダウンができなかった場合原因を調べて再度試みる。

LSS訓練

LSSは着陸点選定(Landing Site Selection)。1か月程度で行う。短期間で的確なLSSができるよう訓練を実施。

出題側と回答側に分かれて訓練。出題側は正解のデータを作りその観測結果を回答側に渡す。

リュウグウは地球に衝突する可能性がゼロではない。直径800メートル台でイトカワの長径の1.6倍くらい。重力も大きいだろう。

メインベルトから外れてきたものと予想。そういう小惑星は1,000万年ほどで他天体に衝突したり太陽系外へ出て行ったりする。

リュウゴイドについて。訓練用の形状モデル。3億ポリゴン。

ONC画像からLSSを行う。

地形の命名ルールはなんでしょう。スノーホワイト(白雪姫)から。

自転周期を知る。LSSまでには確実に。

安全スコアの表面分布。タッチダウン時に地球が真上にあるかどうかなど。青いところが比較的安全、赤いところが危険、灰色は着陸できない。

ボルダーサイズ頻度分布。なるべく岩がごつごつしていないところを探す。

MASCOTはターゲットマーカーと間違える可能性を避けるため、タッチダウン点とは別のところに落とす。

サイエンス

科学目標。理学目標と工学目標。

リモートセンシング。層状含水ケイ酸塩。抜けきらなかった水分が岩石の中に取り残される。詳しくはサンプルリターンまで待たないといけない。

リュウグウ形成衝突。リュウグウ微惑星の衝突破壊で生成された破片天体。

まとめ:地球初期進化への知見を得られる。

国際協力。OSIRIS-RExは来年8月(中旬から下旬)にベヌーに到着予定(はやぶさ2と同時期)。相乗効果を期待。

広報・アウトリーチ

自転パラメータを発表。当選者はWebで。

リュウグウ想像コンテストは今日発表。http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20171214/

新しいトップページ。http://www.hayabusa2.jaxa.jp/ リュウグウまでの距離が出るようになった。

今後の予定

第3期イオンエンジン運転。ここでうまく運転できないと最悪到着できない。開始が1月8日の週くらい、終了が6月4日の週くらい。

6月21日~7月5日ごろホームポジションに到着予定。

来年の春のイオンエンジン運転中に記者説明会を予定。

5月以降は状況に応じて随時報告。

質疑応答

日刊工業新聞:41ページの今後の予定。今までの計画と時期がかわったことはあるか。

吉川:大きく変わったものはない。予定通り。

産経新聞くさか:LSS訓練について。初代はやぶさとの違いは。

渡邊:サイエンスのグループとエンジニアリングのグループが連携していること。100人近い人数で行っている。

くさか:訓練項目が変わったというより体制が強化された?

渡邊:はい。前回はS型、今回はC型という違いもあって異なる訓練になった

くさか:レーダー観測について。

吉川:リュウグウが事前に地球に十分近づかなかったためレーダー観測できなかった。

くさか:里芋型と以前は形容していたが。

吉川:とう表現しても構わないが51ページの図とは微妙に異なる。形状を随時アップデートしているがおおまかには変わらない。

くさか:32ページの図が配布資料とここで投影されているものと異なる。

渡邊:投影しているものが正しい。提供します。

NVSさいとう:LSS訓練について。タッチダウン運用の訓練は?

渡邊:LSS訓練はタッチダウン場所の決定訓練。タッチダウン運用の訓練はRIO訓練といって今やっています。(資料8ページ)

さいとう:LSSとミネルヴァなどの落下点選定について。26ページの図より広くなるのか。

渡邊:ターゲットマーカーと誤認しない場所に下ろす。なるべくリュウグウに近づいて投下したいので地球が上に見えるところでないといけない。

-(聞き逃し):LSS訓練でわかったことは。

渡邊:1か月という短い期間でデータを地球に下ろして解析を終えなければならない。間に合うのか、正しく選定できるのか。形状復元は訓練でうまくいかなかったので修正を考えている。探査機の位置の逆推定も誤差が大きかった。海外とも議論しながら本番ではスムーズにいくように準備している。

-:自転軸や形状が大幅に違ったときシビアになるのか。

渡邊:地上観測からの推定値はできているがそれで運用計画を立てているわけではない。幅を持たせている。自転軸に関してはわかったときに戦略を立てられるようになっている。イトカワはラッキーなことに自転軸が傾いていなかった。本当の姿がわかったとき残念だと思うことがないよう準備していく。

-:イオンエンジンの長期運転について。最後のところで少しのトラブルが命取りになるのかなど。

吉川:イオンエンジンは6月まで400m/sの加速。この時期は探査機と太陽の距離が近づく。速度が上がる。リュウグウとランデブーしなければならない。リュウグウとの速度差が小さくなっていく。ずれてしまうと軌道制御量が大きくなりリカバリーが大変になる。イオンエンジンは推力が小さいためより大変。

-:リュウグウに近づくことで制御が大変になる?

吉川:軌道制御そのものはイオンエンジンでランデブーできる。うまく噴射できなかったときにリュウグウがより離れてしまい回復が難しくなる。

渡邊:リュウグウにランデブーして速度や向きを合わせなければならない。ギリギリの時期に正確に運転できることが到着のカギになる。

時事通信:おおむね球形だがイトカワのようにゆるくダマになってたりするとか、インパクタで分解したりするようなことは考えられるか。

渡邊:いまわかっている形状をどのくらい信頼するかはそのデータの取得経緯で決まる。光の変化(ライトカーブ)などから推定。想像はふくらむがとても長い形状だったりすることはないだろう。比較的球形に近いのはおおむね正しいだろう。インパクタは小惑星を壊せるほどの力はない。とはいえなるべく大きなクレーターを作りたい。

時事通信:5月から観測とのことだがその時点ではどんな映像か。

渡邊:まだ点でしょう。6月に到着しないと形状がわかるほどにはならないだろう。科学観測と運用を並行して行う難しさがある。

吉川:イトカワは到着の1週間前にようやく点でなくなった。今回もおおむね到着1週間前くらいにならないと形状がわかるようにはならないだろう。

NHK水野:なにをもって「到着」とするのか。

吉川:特に決まりはない。前回は20キロのゲートポジション到着時に宣言した。今回もおおむねそのように。どこがいいのかは難しい。基準がないので。

渡邊:今回はホームポジションを20キロに設定している。6月頭にイオンエンジンを停止したあとはほかの方法で少しずつ近づく。そこに来れば到着、LSSに入る。

水野:イオンエンジンが不調だったときに到着や帰還できなくなるデッドラインはあるのか。

渡邊:ただ帰ってくれば成功というわけではない。現在でも日程はかなりタイト。到着の遅れは避けたい。もしそうなってもリカバーできるようにはしたい。

吉川:地球帰還は2020年末の予定。出発は2019年と決まっている。到着が遅れると地球帰還に間に合わせるため観測期間が短くなる可能性も。

(以上)

観測ロケット「MOMO」初号機の打上げ実験実施に関する記者会見

f:id:Imamura:20170706170542j:plain
ランチャー上のMOMO(CG合成)[提供:インターステラテクノロジズ

開催概要

開催日時

  • 2017年7月6日(木)15:30~16:30(受付開始:14:30)

開催場所

  • 株式会社DMM.com本社ホール(東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー24階)

内容

  • 打上げ実験実施に関する発表 他

出席者名

参考リンク

打ち上げ見学

※チケットは大人4,800円、子供2,400円、駐車料金1台1,000円

概要説明(稲川)

本日はお集まりいただきありがとうございます。観測ロケット「MOMO」の打ち上げ実験を行うのでその概要と日程などを発表します。

ISTは北海道の大樹町に本社、社員14名。南十勝の海側。酪農の盛んな地域。2006年から宇宙事業を始めている。

これまでの宇宙開発はとにかく高性能を求めていたと考える。ユーザーにとって宇宙にアクセスしやすくしようとすると宇宙への輸送機械のコストを下げることがなにより大事。コンセプトとしては最高性能のフェラーリからホンダのスーパーカブ、量産されていて使いやすいロケットをと開発している。

会社の事業は2つある。まず観測ロケット「MOMO」。2017年7月打ち上げ予定。その先には超小型人工衛星用ロケットの打ち上げサービス。2016年から基礎開発開始。

観測ロケットと衛星ロケットの違いについて。観測ロケットは高度100キロ~。高度100キロからが一般的に宇宙空間とされる。そこへロケットを飛ばす。100キロへ上がってすぐ降りてくる。衛星用ロケットはもっと高度が上がって、たとえば高度500キロの地球低軌道を周回する。

打ち上げ実績。大樹町で2011年3月から実験を行ってきた。エンジンの開発、パラシュートの試験、海への打ち上げのオペレーションなど技術を蓄積してきた。ポッキーロケットという商業打ち上げもあった。

2015年夏から観測ロケット「MOMO」用エンジンを開発。一部を経済産業省の委託事業として。

エンジン内部図解。燃料(エタノール)と酸化剤(液体酸素)を燃やす。ピントル型インジェクター(噴射器)を使用。安価で実績があるシステム。

(燃焼実験の動画紹介)

推力1トン超の燃焼試験を50回、小規模の燃焼試験は100回以上。異常燃焼は4回。不具合を解決してきた。

技術開発では試行錯誤が早いこと、くり返すことが重要。ベンチャーで身軽、大樹町の協力もあり実験環境がよい。

(問題を解決したエンジンの燃焼試験。80秒燃焼の動画紹介)

周りに見える炎は設計通り。周囲の断熱剤を燃やしながら燃焼する。

開発が完了し製造に入った。ミッションマークはマンガ家のあさりよしとお先生デザイン。

実験項目は宇宙空間への到達実証、機体・エンジンの実証、姿勢制御実証、通信の実証など。

商業化後のアプリケーションとしては微小重力環境での科学実験、高層大気の観測、イベント/エンターテインメント。

MOMOの諸元。

推進方式 液体燃料ロケット
エンジンサイクル ガス圧送式
燃料 液体酸素
加圧ガス ヘリウム
エンジン冷却 アブレーション冷却
推力 12kN(1.2トン)
全備重量 1,150kg
機体直径 500mm
目標到達高度 100km
初号機ペイロード 自社開発の微小重力環境測定装置、通信試験装置

シンプルな構成を目指す。汎用的な部品を採用、高い内製率。短期間での打ち上げ、一桁安い打ち上げ費用を実現。

実験シーケンス。

燃焼時間120秒、高度40キロ程度まで。そのまま慣性で高度100キロへ。フリーフライトで水平距離50キロほどへ落下。実験全体は約7分。無重力環境を得られるのは約4分。

メインスポンサーはDMM.com。またCAMPFIREというクラウドファンディングで735名のパトロン(出資者)。2,700万円を調達。

打ち上げ発射ボタンを押す権利を1,000万円で購入したか

打ち上げ実験の予定日は7月29日(土)午前10時20分~12時半。予備日程は同日の1545~1700、7月30日(日)の0500~0800、1020~1230、1545~1700。気象条件や準備状況で延期も。

特別見学会場「SKY HILLS」。打ち上げをきれいに見られる唯一の場所を用意している。チケットをPeatixで販売。パブリックビューイングの場所も設定。無料で見られる。(ロケットの射点は見えないが)

ゲストからのコメント

堀江:ロケットを始めて10年以上。ようやく宇宙へ到達できるめどが立った。最終的な製造技術などでうまくいかない部分もあったりして延期に次ぐ延期でやきもきした。しかしながらついに技術的な問題はほぼクリアできた。あとは天気次第、若干スタッフが頑張って体に問題がない範囲でがんばるひと月になる。大きな問題がない限り7月末に打ち上げられるだろう。しかしながらロケット開発は事故や失敗がつきもの。事故に関してはけがなどないよう細心の注意を払って行う。それ以外に予期しない問題で失敗する可能性も。うまくいかなくてもあきらめず2号機、3号機は宇宙空間に到達するだろう。これはベンチャー企業で言うデスバレー、最初に超えなければならない場所。これを超えれば人工衛星を打ち上げる技術を手に入れることになる。その大きなステップ。
日本においてもロケット大国になれるポテンシャルを持っていることは間違いない。北朝鮮のミサイルを見ても、あれは地理的条件で日本に向けて打つしかない。日本は太平洋が開けていて人がいないメリットがある。比較的安全にロケットを打ち上げられる。
最先端技術の集合体であり軍事とも密接に関わる。輸出規制が関わることもある。国内生産が大事。国内産業の発展の嚆矢になればよい。
このロケットにパワーをかけている。期待しつつ大樹町に来てほしい。ロケットの打ち上げは安全距離をとると見え方は同じ。迫力的には大きいロケットと変わらない。(小さいロケットは近くで見られるので)
宇宙へ行くぞという高揚感を得られるだろう。見に来てください。

せりざわ(ロケットの発射ボタンを押す権利を1,000万で購入):ニーズコーポレーションを経営。建築・不動産の会社。会社からもISTへ出資している。
この発射ボタンに価値を感じてポチった。約1年前。延期で首を長くして待っていた。いよいよで非常に喜んでいる。
懸念は仮に想定外のことがあって実験が失敗したとき絶対堀江さんに責められるだろうということ。「押し方が悪かった」など。稲川社長にはがんばっていただいて万全でお願いしたい。

DMM松栄:DMMがなぜロケットをと思うかもしれない。堀江さんと初めて会ったのは20年前。DMMのオーナーは宇宙へ行く契約をロシアとしていた(があきらめた)。宇宙観光も申し込んでいる(が音沙汰なし)。もしかしたら堀江さんが宇宙へ行けるようにするかもと話したところ自分が行くのではなく出資で、ということだった。
日本初の民間宇宙ロケットということでうまくいってほしい。ボタンの押し方には気をつけてください(笑い)。

丸紅岡崎:昨年1月の発表:インターステラテクノロジズへ調査研究費の拠出、サービス販売の業務提携。ISTの新株取得。
将来性に着目した。観測ロケットの初号機が飛ぶことで事業化へ一歩前進。たいへん嬉しい。
衛星関連の展示会やカンファレンスに出席すると潜在顧客からの期待が高いことを実感。
今回の打ち上げがうまくいけば衛星打ち上げの開発にもはずみになるだろう。無事に成功することを祈っている。

HASTIC伊藤:HASTICは2002年くらいから活動。北海道にロケットの発射場を設けたいと活動している。活動自体は35年くらい前から。稲川社長が生まれる前。ついにということで期待している。
北海道に射場を作ってといっても経験がなく、自分たちでなんとか実績を作ろうとHASTICを設立、CAMUIロケットが進んだころに堀江さんから話があった。競争はとてもよいこと。CAMUIより新しいのに一足飛びでここまできた。
人工衛星を作るのは大学の研究室でもできる時代だがロケットをイチからやろうというのはなかなか難しく国内でも2か所(ISTとCAMUI)しかない。いかに難しいか。
小さいロケットだが50回ぐらい実験の世話をして、ISTという名前になるまえからなにかあったら腹をくくる仕事をしてきた。
ここまで腹をくくってやってきたということで6割から7割。残り30%は実際に打ち上げがうまくいくか。成功を祈っている。

経済産業省靏田:経産省としてはぜひ成功してほしい。宇宙産業室長として着任以来レクチャーを最初にいただいたのがこのロケットだった。
何度か不具合で延期しているが失敗はつきもの。それを乗り越えて7月末の打ち上げになった。周囲のご協力に感謝と敬意。
大樹町にも行き、町工場で油まみれで取り組んでいるところを拝見。大樹町の方々の熱意も感じた。成功するだろう。
宇宙については身近に感じるかも知れないがまだまだ遠い。宇宙に近づく手段がないから。今回のプロジェクトが成功すれば宇宙産業のランドスケープを一変させるだろう。
民生品を使ったロケットの支援をしている。
5月に日本政府では宇宙産業ビジョン2030を策定。宇宙から降ってくるデータが増えている。小型化が進み数が増えている。社会や経済を変えるものになるだろう。そのうち上げ手段が不足しているのが現状。ISTのロケットはそれを変える取り組み。
引き続きご支援申し上げていきたい。

取材予定の説明

プレス公開日

7月13日(木)
組立棟公開
7月26日(水)
リハーサル公開
7月30日(土)
打ち上げ公開

プレスエリア概要。パブリックビューイングの航空公園でも取材可能。

現地取材の注意点

  • 取材は事前登録必須
  • ほかの射点を望める場所は私有地や町有地。伝染病予防の観点からも無断の立ち入りは絶対禁止

質疑応答

NHKすずき:稲川さん。民間独自開発で宇宙空間へ。国家開発だったものがなぜベンチャーでできるようになったのか。またその意義は。

稲川:アメリカでは10年以上前から民間がシェアを取るようになってきた。技術開発が進むことで、人工衛星の軌道投入くらいなら民間でできるようになってきた。
アメリカでは人工衛星の打ち上げやISSへのドッキングなども民間企業が行っている。半導体の進化のおかげが大きい。アビオニクスの入手性が上がり開発が比較的簡単になってきた。
日本では東大に始まる宇宙研、それからNASDAが宇宙ロケットを上げてきた。これまでは宇宙開発と言っても大気圏内だった。民間のロケット会社として実際に宇宙へ行くことは意義が大きい。宇宙産業全体としてもベンチャー企業がたくさん出てきている。輸送系で我々が実績を積んでいくことはおおきな意義がある。

すずき:打ち上げへの意気込みを。

稲川:ロケットは難しいと実感してきたところ。机上の計算があっても実際に作るのは大変。このあとどんな不具合が起きるかも読めない。実際にもの作りをしているメーカーとして丁寧な仕事をしていきたい。

すずき:どんな結果を期待しているか。

稲川:メインの仕事は衛星打ち上げ。そこへの第一歩。

TBS:堀江さんに、将来的なビジョンを。

堀江:まずはこれを成功させてサブオービタルのロケットをたくさん打ち上げて事業化していきたい。ファイナンス的な部分もある。
2号機3号機を上げてなるべく早く商業化し軌道に乗せる。それで銀行からの融資を受けやすくなるし政府から予算が付くかもしれない。それが第一歩。
今も開発している軌道投入用ロケットを早期に開発したい。資金と人員が必要。人材と資金の確保のためにたくさん露出することが重要。
無人ロケットとしては月や小惑星、さらには地球周回軌道からさらに遠くへの輸送システムを作りたい。
主に小惑星を狙っていきたい。大型化を進めてサブオービタル、またオービタルに人を運びたい。さらには小惑星の資源を集め、太陽系から外に出るような探査機のシステムも作りたい。
地上から物資をなるべく安く遅れるシステムを作ることがミッション。それに向けて事業を進めていく。自分はPRや資金集めなどをしていく。

TBS:イーロン・マスクは月旅行を発表した。

堀江:イーロン・マスクのスペースX社は2007年にファルコン1を数機失敗してからうまくいった。我々は10年以上遅れている。ファルコン1から今のファルコン9が毎週のように打ち上がるようになるまで10年かかっていない。資金と人員が増えればそのうち追いつくのではないかと思ってまーす。

フリーランスすけよし:MOMOのネーミングの由来は。またPVのネット中継はあるか。

稲川:MOMOは漢字にすると「百」。高度100キロを超えるという意味。これまでのロケットはかわいらしい名前をつけてきた。「はるいちばん」「いちご」など。その流れでなじみやすい名前に。宇宙を身近にということで。
PVのネット中継は調整中。回線の確保といったこともある。改めて発表したい。

テレビ朝日経済部:MOMOのコンセプトは「世界最低性能」とあるが

堀江:フェラーリスーパーカブの比較があったがこれまでのロケットはオーバースペック。科学研究費の獲得のために新規性があるところに予算がつきやすい傾向があった。
ここ10年、15年で民間宇宙企業がしのぎを削っている。国対民間の受注競争が出てきている。スペースXは価格破壊。H-IIAの半額など。
ギリギリでも宇宙に行きさえすればよい。オーバースペックではなくギリギリを狙うことで安くするのがポイント。だからスーパーカブ。ここからここへ物資を運べるデバイス。その最低限の性能があるということ。
インターネットで言うならADSLが出てきて民間利用が普及した。そういった状況を作りたい。

NHKラジオセンターあらき:なぜ堀江さんがロケット? 10年前に開発に着目したのは何を見出したから?

堀江:自分にとっては自然なこと。インターネットに注目したのは20年前。コミュニケーションや社会のあり方を変えるもの。これに賭けずしてどうするという衝撃を受けた。
宇宙に関しても同じように思った。自分の世代は機動戦士ガンダム宇宙戦艦ヤマトスターウォーズなど宇宙SFを見て育った。大人になったら普通に宇宙へ行くと思っていたらそうなっていない。政府主導のオーバースペック競争で安くないことが問題だと思っていた。誰かやらないかと思っていたらなかなかないのでこれは自分で。
12~13年前、宇宙開発できるくらいの資金ができたと思っていたらイーロン・マスクジェフ・ベゾスなど世界のIT企業家が民間宇宙開発の可能性、自分たちがやらねばというミッションを感じて傾注していったと思う。グーグルの創業者もXプライズなどしている。
社会を変えてしまうような仕組みに飛びつく人種は宇宙にも飛びつく。とてもナチュラルな行動と思う。

日経新聞やの:稲川さんに数字の確認。打ち上げ費用を1桁下げるとは具体的に。いくらくらいで打ち上げられるようになるのか。また軌道投入ロケットはいつごろまでに完成?

稲川:JAXAの観測ロケットは正確な数字は非公開だが2億円~7億円ほどと聞いている。我々も非公開だが一桁下げる。プロモーションの有無などさまざまなオプションはあるが5,000万円以下、数千万円の前半でサービスしたい。
軌道投入ロケットはなるべく早く。国際的な競争にもなっている。ロケットラボなど実験を行っている。複数の会社がしのぎを削っている。小型の宇宙ロケットはここ数年で商業化が進むだろう。2020年ごろには商業打ち上げを目指したい。

(以上)

f:id:Imamura:20160621093539j:plain
MOMOモックアップ[提供:インターステラテクノロジズ

はてなブログライターを試してみる

(以下は「はてなブログライター」で投稿しようとした内容)

以前からときどき「google:はてなブログ はてダラ」を検索していて今回ついにヒットした。

これだ。すばらしい。さっそくダウンロードした。rubyはインストールされているからatomutilをインストール。

gem install atomutil

Macでは「sudo gem install atomutil」→Macのアカウントのパスワードを入力)

これで使えるようになった。このエントリはさっそく「はてなブログライター」を試してみているところ。いったんここでアップしてみよう。

ダメだった。

ruby hbw.rb new」で生成されるテキストファイルがShift_JISだった。UTF-8に変更して保存。

(追記:生成されたテキストファイルに日本語が含まれていなかったためにデフォルトのテキストエンコードで読み込まれたようだ。v0.5で変更された→「fix: Mac, Windows で動作しない #1 · rnanba/HatenaBlogWriter@a98353e」https://github.com/rnanba/HatenaBlogWriter/commit/a98353ee650719faa1bba9a031c4683138bddfa7

またダメだった。

C:\hbw>hbw.rb
新規エントリファイルが 1 件あります。
C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:118:in `match': invalid byte sequence in Windows-31J (ArgumentError)
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:118:in `block in parse_file'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:115:in `each_line'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:115:in `parse_file'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:106:in `initialize'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:228:in `new'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:228:in `post'
        from C:/hbw/hbw.rb:109:in `block in<main>'
        from C:/hbw/hbw.rb:105:in `each'
        from C:/hbw/hbw.rb:105:in `<main>'

「invalid byte sequence in Windows-31J (ArgumentError)」は文字コードのエラーみたい。生成されたテキストファイルの文字コードは確かにUTF-8なんだけれど。(複数のテキストエディタで確認)

Macだとエラーメッセージが違う。

mymac:hbw$ ruby hbw.rb
新規エントリファイルが 1 件あります。
/Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1523:in `block in get_contents_except_resources': Failed to get contents. 404 (Atompub::RequestError)
	from /System/Library/Frameworks/Ruby.framework/Versions/2.0/usr/lib/ruby/2.0.0/net/http.rb:852:in `start'
	from /System/Library/Frameworks/Ruby.framework/Versions/2.0/usr/lib/ruby/2.0.0/net/http.rb:582:in `start'
	from /Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1517:in `get_contents_except_resources'
	from /Library/Ruby/Gems/2.0.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1350:in `get_service'
	from /Users/hoge/hbw/HatenaBlogWriter.rb:216:in `ensure_get_service'
	from /Users/hoge/hbw/HatenaBlogWriter.rb:236:in `post'
	from hbw.rb:109:in `block in <main>'
	from hbw.rb:105:in `each'
	from hbw.rb:105:in `<main>'

Windows/Macとも「ruby hbw.rb post 2017-06-06_01.txt」でも同じエラーになる。「ruby hbw.rb check」は動作する。

はてなブログライターでの投稿はいったんあきらめ、ブラウザから直接投稿しよう。

ところで「はてなブログライター」は長いので、「はてダラ」のような略称を考えたい。ここはやっぱり「はてブラ」ですよね?

追記

Windowsのほうはすかさず対応していただきました。ありがとうございます。

この追記は更新されたはてブラで投稿できるでしょうか?

→やっぱりダメでした。新しいエラーメッセージは以下です。

C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:933:in `connect_nonblock': SSL_connect returned=1 errno=0 state=SSLv3 read server certificate B: certificate verify failed (OpenSSL::SSL::SSLError)
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:933:in `connect'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:863:in `do_start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:852:in `start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/2.3.0/net/http.rb:584:in `start'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/gems/2.3.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1517:in `get_contents_except_resources'
        from C:/Ruby23-x64/lib/ruby/gems/2.3.0/gems/atomutil-0.1.4/lib/atomutil.rb:1350:in `get_service'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:222:in `ensure_get_service'
        from C:/hbw/HatenaBlogWriter.rb:242:in `post'
        from C:/hbw/hbw.rb:111:in `block in <main>'
        from C:/hbw/hbw.rb:107:in `each'
        from C:/hbw/hbw.rb:107:in `<main>'

1行目のエラーメッセージを検索して以下を発見。

「システムの詳細設定」から環境変数SSL_CERT_FILE」に「cacert.pem」のフルパスを設定するも変わりませんでした。

なおWindows(8.1)で使っているテキストエディタWZ Editor 5.02Dです。rubyのバージョンは「ruby 2.3.0p0 (2015-12-25 revision 53290) [x64-mingw32]」でした。

Mac(10.11.6)はテキストエディタがmi 2.1.12r5、rubyは「ruby 2.0.0p648 (2015-12-16 revision 53162) [universal.x86_64-darwin15]」です。

ここでいったんブラウザから更新します。

追記2

Windows/Macともできました!

Windows

「システムの詳細設定」から「ユーザー環境変数」への環境変数の追加後、コマンドプロンプトを起動し直すのを忘れていました! 失礼しました。

コマンドプロンプトから「set SSL_CERT_FILE=C:\hbw\cacert.pem」といった指定をする方法では、コマンドプロンプトを開き直したら環境変数も指定し直す必要があります。

tips:
コマンドプロンプトから「SET S[Enter]」で、Sで始まる現在の環境変数がアルファベット順に表示されます。

Mac

config.yml で blog_domain の値をあり得ない値に設定すると同じエラーが再現しました。config.yml の設定を(改行コード等も)確認してみてください。

「はてなブログライター」が Mac/Windows で動かない(追記あり) - 児童小銃

「blog_domain: ima.hatenablog.jp」と指定するところを「blog_domain: http://ima.hatenablog.jp/」になっていました。失礼しました。

これでひとまず、テキストファイルからはてなブログを更新できるようになりました。ありがとうございます>id:rnaさん

あとは1つのテキストファイルから更新分を切り出す「はてダラスプリッタ」を使えるようになって、はてなブログ長年日記の閲覧機能が追加されれば、自分としてははてなブログを今のはてなダイアリーと同じように更新/利用できるようになります。(長年日記の要望はフィードバック済み)