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イプシロンロケットY-1ブリーフィング(2013年9月13日)

登壇者

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  • イプシロンロケットプロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 森田泰弘
  • 惑星分光観測衛星プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 澤井秀次郎

中継録画

※音がかなり大きいです。ご注意下さい

(01:05に始まります)


Video streaming by Ustream

参考リンク

配付資料から(森田)


森田:今日は遠くまでお越しいただきありがとうございます。ご心配いただいた打上ですが明日となり王手がかかった。前回は大勢ファンの方に来ていただき全国でも応援いただき内之浦の町の方、報道陣にも直前の延期でご迷惑をおかけしたがご声援に支えられようやく明日打ち上げられる。あの日以降のできごとをおさらいしつつ説明したい。

8/27からの作業状況と今後の予定

打ち上げ中止後水平展開でロケット全体の点検を始めた。
特別点検チームによる点検。
9/5と8日にシーケンス試験とシーケンス点検。打ち上げ中止の原因への直接対策と確認。
9/11に最終確認審査。
9/12はY-2作業。
9/13(今日)Y-1作業。順調に進行中。

カウントダウンシーケンス

(前回と同様)

  • 6:40頃:第1回Go/NoGo判断
  • 7:00:ターミナルカウントダウン開始
  • 7:15:M台地・整備塔関係者以外立入禁止
  • 9:45:地元住民の皆様の退避開始
  • 10:05頃:
    • 第2回Go/NoGo判断
    • 関係者以外ILL内退避完了、国道通行規制
    • 衛星アクセス窓閉め
  • 10:45頃:ランチャ旋回開始
  • 11:00頃:ランチャセット完了、ロケット班退避開始
  • 11:05:搭載機器電源ON
  • 13:25迄:総員退避完了確認
  • 13:25頃:最終Go/NoGo判断
  • 13:30:衛星シーケンススタート
  • 13:43:発射準備完了
  • X-70秒:自動カウントダウンシーケンス開始
  • X-55秒:ロケット内部電源切り替え
  • X-26秒:火工品ARM(動作可能状態に移行)
  • X-22秒:フライト準備モード
  • X-15秒:1段駆動用電池起動
  • X-10秒:固体モータサイドジェット点火
  • X-1秒:ROSE(即応型運用支援装置)電源1 OFF
  • X-0.0秒:リフトオフ

イプシロンロケット試験機の飛行計画

(公式の情報に経過時間(秒)と時刻の列を追加)

事象 打上後経過時間 時刻 距離 高度 慣性速度
時:分:秒(秒) 時:分:秒 km km km/s
(1)リフトオフ 00:00:00(0) 13:45:00 0 0 0
(2)第1段燃焼終了 00:01:52(112) 13:46:52 70 88 2.6
(3)衛星フェアリング分離 00:02:30(150) 13:47:30 131 147 2.4
(4)第1段・第2段分離 00:02:41(161) 13:47:41 148 162 2.4
(5)第2段燃焼開始 00:02:45(165) 13:47:45 154 167 2.4
(6)第2段燃焼終了 00:04:27(267) 13:49:27 415 323 5.1
(7)第2段・第3段分離 00:10:24(624) 13:55:24 1658 822 4.2
(8)第3段燃焼開始 00:10:28(628) 13:55:28 1671 823 4.2
(9)第3段燃焼終了 00:11:57(717) 13:56:57 2061 840 7.5
(10)第3段・PBS分離 00:16:48(1008) 14:01:48 3846 864 7.4
(11)第1回PBS燃焼開始 00:19:08(1148) 14:04:08 5943 896 7.4
(12)第1回PBS燃焼停止 00:29:58(1798) 14:14:58 7447 921 7.4
(13)第2回PBS燃焼開始 00:53:50(3230) 14:38:50 17431 1143 7.2
(14)第2回PBS燃焼停止 01:00:30(3630) 14:45:30 19020 1154 7.2
(15)惑星分光観測衛星分離 01:01:40(3700) 14:46:40 19722 1151 7.2

イプシロンロケット試験機の飛行経路

(前回と同じ)

搭載カメラによる画像取得計画

f:id:Imamura:20130913122228j:plain

カメラ搭載位置 撮影向き カメラ数 撮影対象
CAM1 1段機器搭載構造 ↓下向き 1 1段飛行中SMSJ作動状況
CAM2 2段機器搭載構造 ↓下向き 1 1/2段分離挙動
CAM3 3段機器搭載構造 ↑上向き 1 フェアリング分離挙動、衛星分離
CAM4 3段機器搭載構造 ↓下向き 1 2/3段分離挙動、PBS/3段分離挙動

(公式の情報に時刻の列を追加)

撮影フェーズ X+time(秒) 時刻 使用カメラ ダウンリンク時間(※1)
リフトオフ後のロール制御 -5〜15 13:44:55〜13:45:15 CAM1 320秒〜450秒
2段姿勢変更時の3軸制御 118〜128 13:46:58〜13:47:08 CAM1 320秒〜450秒
フェアリング分離 145〜158 13:47:25〜13:47:38 CAM3 320秒〜450秒
1/2段分離 158〜170 13:47:38〜13:47:50 CAM2 320秒〜450秒
機体周囲の状況 300〜310 13:50:00〜13:50:10 CAM2 320秒〜450秒
スピンモータ点火 599〜609 13:54:59〜13:55:09 CAM4 1748秒〜1838秒(※2)
2/3段分離〜3段ノズル伸展、3段モータ分離 619〜634 13:55:19〜13:55:34 CAM4 1748秒〜1838秒(※2)
PBS/3段分離 1003〜1013 14:01:43〜14:01:53 CAM4 1748秒〜1838秒(※2)
PBS燃焼(フェーズA) 1413〜1423 14:08:33〜14:08:43 CAM4 1748秒〜1838秒(※2)
衛星分離 3695〜3705 14:46:35〜14:46:45 CAM3 3715秒〜3735秒
  • ※1:ダウンリンク画像をJAXA放送中継時に差し込む予定です。
  • ※2:この間の画像はクリスマス局からのオフライン伝送となります関係でJAXA放送上は2900〜2990秒頃の中継となる予定です。

打上げ時の制約条件

ロケット系

下記において、制限風速以下であること

  1. ランチャ旋回時:【制限風速】15m/s(最大瞬間風速)※屋外高所作業制約
  2. 射点起立時:【制限風速】25m/s(最大瞬間風速)
  3. 発射時:【制限風速】20m/s(最大瞬間風速)
  1. ランチャ旋回時に、降水量が15mm/hr以下であること。※屋外作業制約
  2. 射点起立時に、降雨強度が50mm/hr以下、降水量が50mm/h×3時間以下であること。
  3. 発射時の降雨強度は8mm/h以下であること。
  4. ランチャ旋回後は降氷がないこと。

積乱雲の中を飛行経路が通過しないこと。

発射前および飛行中において、機体が空中放電(雷)を受けないこと。

  1. 射点を中心として半径10km以内に雷雲のないこと。
  2. 飛行経路から20km以内に発雷が検知された場合には、しばらく発射を行わないこと。
  3. 飛行経路が雷雲や積乱雲等(※)の近辺を通過する場合には発射を行わないこと。(※)氷結層を含み、鉛直の厚さが1.8km以上の雲を含む
高層風
  1. フェアリング及び第1段機体の落下点が落下予想区域内にあること。
  2. 1段ノズル舵角等が制限値以下であること。
  3. 飛行中の機体が受ける荷重が規格値以下であること。
飛行安全系・射場系

X-10分以降からX-20秒までの期間において瞬間最大風速が20m/s以下であること。

風の影響解析

射点近傍で破壊した場合に、落下破片等による警戒区域外への影響がないこと。

各設備

各設備が正常に動作し、飛行安全管制およびデータ取得に支障がないこと。

打上げ時刻

ロケットの打上げから地球を1周回するまでの間において、ロケット及びロケットからの分離物と、軌道上の有人宇宙物体若しくはそれに準ずる宇宙物体と衝突しないこと。

保安系
陸上警戒

総員退避区域の無人化確認が図れること。

海上警戒

地上安全計画で定めた海上警戒区域の警戒、監視が可能なこと。

その他

生命に係わる急病及び被災者がある場合は救急措置を優先すること。

「惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ準備状況と今後の予定について」配付資料から(澤井)

(前回と同じ)
打ち上げ15分前に衛星内部電源(バッテリ)に切り替え、タイマーを動かし始める。ここには打ち上げ後4日間までのシーケンスが入っている。

気象資料(森田)

明日は絶好の打ち上げ日和。

質疑応答

NHKこぐれ:森田さんへ。前回の打ち上げ中止から2週間。改めて心境と意気込みを。

森田:心境としては複雑なものがあって、前回の打ち上げが発射直前のできごとで宇宙ファンのみなさんに残念な思いをさせてしまった。悔しいのは我々も同じ、緊張が頂点に達したときのことだった。厳しい心境だった。期待にあの日はこたえられなかった。簡単に言うと落ち込んだ。その後応援、激励の言葉をいただいた。電話、直接、はがき、色紙やお守りまで。そういう声援が我々のはげみになった。前に進んでいく勇気になった。
打ち上げ中止から2週間、厳しい思いも経験してきたがわれわれ一人ひとりはがんばっているしみなさんに応援されていることを感じた。
いただいたメッセージの中には病院で入院しているご老人や施設の小さい子供などもいて、自分たちが生きていくだけでもせいいっぱいな中夢をイプシロンロケットに託しているとわかりそういう姿を思い浮かべると涙が浮かぶような状況だった。多くの人の夢を載せて飛んでいくので明日は絶対成功させる心境で進めていく。

朝日新聞東山:澤井さんへ。2週間前も15分前にタイマーが動いていたと思うが

澤井:前回は止めました。そういう事態も想定している。発射直前の手順に従いシーケンスを止めた。ほっておくと3700秒後に太陽電池が開く。これはロケットと分離しなければ開かないが、タイマーが作動してセンサーが誤動作すれば開く可能性もある。それまでに安全にシーケンスを止めることを絶対できるようにしている。みな落ち着いてきれいに止めることができた。いま衛星は健全な状態。

東山:1時間前には止めていた?

澤井:だいたい10分以内には止めていた。

東山:ロケットが外に出ているとき遠隔操作で止めた?

澤井:はい。

東山:レイトアクセスについて。衛星のバス側に真空ポンプを載せなくてよくなったと聞いた。となると打ち上げ中止になると真空でない状況に長く止められていたのか。アンビリカルケーブルで真空に引いていた?

澤井:アンビリカルケーブルで真空に引いてはいない。射場安全班の逆行手順で真空ポンプを引くのをやめてから10時間以内にとしている。実際には5〜6時間で再度真空に引くことができた。

東山:真空が必要な撮像素子の影響は想定内?

澤井:はい。劣化がゼロではないが事実上ない時間を10時間以内と考えている。今回のような非常事態を考えるとぎりぎりまで真空引きをしておいた。それが4時間前。真空引きをやめても事実上劣化がない範囲内におさまっている。

東山:整備塔に戻してすぐに真空引きに戻した?

澤井:はい。

鹿児島テレビかみやど:煙が出始めるのは打ち上げ何秒前?

森田:10秒前。M-Vでは15秒前に出ていたがあれに比べるとほんのちょっと。ロケットの一番下に2つでっばりがある。これはSMSJといって中に小さな固体ロケットが入っている。燃焼ガスの向きを変えることによって姿勢を変える。これに点火するのが発射10秒前。ちょっと黒い煙が出る。

読売新聞ながの:前回の打ち上げ中止と総点検を受けて森田先生自身の感じとして信頼性がさらに上がったのか

森田:いい質問というかたいへん難しい質問ですね。我々メンバーとしては十分やるべきことをやって全力を出してきたが単純なミスもあり大いに反省、実験隊員全員で水平展開といって総点検した。特別点検チームでより大がかり、広範囲、別の次元、われわれと違う始点で見落としがないか見ていただいた。ポカを含めて外部の目を含めて大丈夫になった。培ってきた自信がさらに少し増したといってよい。

ながの:前回の打ち上げ前には絶対成功間違いなしと言っていたが今回は?

森田:前回打ち上げのときのポカを大いに反省している。イプシロンロケットでの新たな取り組みがモバイル管制装置。人間の負担を減らして機械にいろいろやらせている世界初の試み。人の落ち度、思い至らないことを未然にあばいて事前に止めるのがコンセプト。たまたま誤検知でつまづいてしまったがそれもまた自信に。反省すべきは大いに反省し2000点の項目を徹夜に近いような形で見直した。確固たる自信がさらに増した。絶対成功間違いなしは変わらない。
ただし、この2週間反省したり7年間の研究開発をふり返り個人的には肩に力が入っていたなという気がしている。2週間たってイプシロンはわれわれだけのロケットではなくたくさんの人の夢を載せて応援を推進力にして飛んでいく。心配することはなにもない。やれることは十分やりつくした。持てる力も十分出し切った。
明日の打ち上げは絶対成功間違いなしの確信は2週間前に比べると静かですがすがしい。明日は平常心の延長戦上で打ち上げていきたい。

毎日新聞つしま:特別点検チームの追加コストは

森田:数字は計算中なので追って後日。おおよそでは…ちょっとそこまで頭が回っていないのでわからない。すいません。

つしま:体調面は

森田:ちょっとふわふわしたような、生きているのかわからないような状態。食欲もあまりなかった。全国の宇宙ファンからメッセージをいただき再び前を見る勇気をもらった。元気な状態に戻った。

つしま:体重が減ったとか

森田:ちょっと減りましたが今はもう誤差の範囲。

つしま:宇宙ビジネスへの展開へは。ややパワー不足と思うが

森田:これからの小型衛星市場を活性化していきたい。小型衛星の市場が育っていこうとしている。イプシロンロケットと標準バスで世界をリードしていきたい。イプシロンの挑戦は始まったばかり。パワーやコストでさらに進化していきたい。
低コスト、高性能版イプシロン、高度化イプシロンとも読んでいるが、コストを下げるのは性能も上がるということ。打ち上げ能力が上がっていき市場をリードする形で進めようとしている。これからが本当の勝負。

(東京会場へ)

東京新聞さかきばら:森田先生へ。カウントダウンシーケンスについて。X-70秒前で300項目監視していると聞いた。H-IIAと比べてどうか

森田:たいへんいい質問で当然すぐに答えられるべきだがすみませんわかりません。項目数はイプシロンのほうが増えているとはいえる。

NHKはるの:搭載カメラについて。衛星分離の映像はJAXA放送でいつごろ流れるのか

広報:数秒から数十秒後にはJAXA放送に流せると思っている。

はるの:衛星分離すれば打ち上げは成功か

森田:分離の15分後くらい、ロケットの最終軌道が出てくる。これで衛星が乗った軌道がわかる。

フリーランス秋山:澤井先生へ。立ち上げと確認が11月ごろまであるが観測開始の10月中旬と重なるが

澤井:すみませんこれはミスプリです。観測開始は11月上旬から中旬ごろ。

ニッポン放送はたなか:打ち上げ時刻が設定された段階で再点検は終わっているのか

森田:点検作業は終わっています。

はたなか:そのときの心境は

森田:そうですね、監視項目だけの点検ではなかったが監視項目に限っていえば2000点近く、すべてのデータを洗いざらい行った。実験隊のレベルを超えて何十人も集まり朝から晩まで。それがようやくおととい終わった。みなさんの奮闘努力には頭が下がる。それとともにそういった点検を改めてすることで安全かつ確実な打ち上げが見えてきて安堵ではないが気が引き締まった。

(つくば会場へ)

NVSかねこ:森田先生へ。天候条件での延期可能性があると思うが14時半までのウィンドウ内でねばることはあるか

森田:ウィンドウが13時45分から14時半まであるのでまずは最大限努力したい。高層の風の影響などもあり案外変わったりするのでその日のウィンドウ内でしっかりがんばりたい。

かねこ:天候で延期の場合翌日に打ち上げられるのか

森田:天気のことならば技術的には翌日に打てるが明日天気が悪くて打てなかった場合いつ打つのが最適かは精密な判断が必要でケースバイケース。

内之浦会場へ)

時事通信かんだ:森田先生へ。今後のイプシロンの改良に向けて得られた教訓は

森田:たいへんいい質問。教訓はたくさんあっていろいろ検証が必要と思う。新しいものを作ったときになにをどのレベルまで検証すべきか、確認すべきか、範囲や深さをさらに広げていく考え方が必要かなと個人の印象では考えている。ただ人手と時間がかかることなのでロケットの開発をどう進めていくのが効率的かということもあわせて考えていくべき。
ものづくりの現場はどこも同じだろうが工程がちょっと進むごとに点検できれば不具合は減るがコストが上がる。いつ不具合を暴くのが効率的かは打ち上げる前と考えて非効率な開発にならないように進めてきた。
ロケット開発の進め方という点でも今後に反映させていきたい。

共同通信ふかや:森田先生へ。プロジェクトマネージャとしてチームの方々に士気を高めるためどういうことを言ってきたか

森田:現場まで来ると直接ああしろこうしろと言ったりはげましたりではなくボクが暗い顔をするのではなく明るくするのがいいかなとカラ元気で誤解されることもあったがリードする立場として最大限明るくふるまうのがチームに対してできたたったひとつのことと思う。

ふかや:今日の作業で終わっているものは

森田:今日は火工品の確認をしていて…今ここにいるため精密にはわかっていない。進捗を知らせる放送も止められてしまったため。今日の質問で一番難しいですね。

ふかや:火工品の点検後に充電?

森田:充電はあらかた終わった後淡々と、少ない人で時間をかけて行うもの。

あらや:地元の協力について。それにどう応えていきたいか

森田:固体ロケットはもともとこの内之浦ができたときから町の人と二人三脚で行ってきた。イプシロンもまさにそう。固体ロケットの存亡の危機も乗り越えてこられたのは宇宙ファンの支援と内之浦の皆さんの応援があってこそ。住民の皆さんには大勢の方にかなり前から退避していただくなどたいへんなご負担をかけている。前回の打ち上げのときには直前の中止でご迷惑をおかけして申し訳ない。改めて明日お願いするのはしのびないがそういった皆さんのご協力に応えるたったひとつのほうほうが打ち上げを成功させること。明日はぜひ成功させたい。

KTS鹿児島テレビわかまつ:天候について。資料によると打ち上げ時間帯はいい天気のようだがそれをずれると心配になってくる。台風も近づいてきている。以前も台風で延期したことが多かったイメージがある。今回の打ち上げでは明日の天気は大丈夫か

森田:かなりの意気込みで元々悪かった天気をここまでよくした。台風も全員で念力をかけて小笠原で直角に曲がるように仕向けた。明日も嘘偽りがなくわれわれができるせいいっぱいのことは祈ることと残りの作業をがんばること。
打ち上げ前後ははかったようにいい天気になりそう。ご期待いただければ。

毎日新聞さいとう:澤井さんへ。小型衛星の市場について。その可能性をどう見ているか。またSPRINT-Aの画像などをいつごろ見られるのか

澤井:小型衛星の動向は明るいと考えている。皆さんパソコンを開いているがパソコンはこのように小さくなってきている。同じ機能を小さいもので果たせるようになってきている。以前は大きな衛星が必要だったものも小さいものでできるようになってきている。小衛星を積んだりするのは主衛星が小さくなってきているから。大きな衛星で勝負しなければならない分野もあるが小さい衛星と分化していくのでは。
ファーストライトというが最初に惑星像が出てくるのは11月中旬。ただしきれいな、一般の方が見てきれいだねというような画像は撮れない。科学観測に特化したようなもの。ただしそれでも年内には成果が出始めてくると考えている。
きれいな絵を撮ることが目的ではない。画像から惑星のことをより深く理解していく。そういう絵によって惑星の環境をより深く理解できるようになっていく。

森田:天気について。私さっき精神論で明るい展望を述べたが慎重に判断して進めていきます。

(終了)