中継録画
(一部しか撮れてなくてすみません)
第25回「きぼう」日本実験棟ミッションステータスブリーフィング
配付資料
- 第25回ミッションステータスブリーフィング資料(2013年02月22日)[ PDF: 763KB ]
- 配布元
- 報道関係者向け資料:「きぼう」日本実験棟 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA(http://iss.jaxa.jp/kibo/library/press/#status)
星出飛行士の帰還
- メダカの長期育成実験第1回終了(12/12/24)
- ISSを使った2か月にわたる長期実験
- 超小型衛星放出(実証ミッション)成功
- →定常的な放出ミッションを行うため通年公募を開始(13/1/31)
- 早ければHTV4号機で運ぶ。継続的に実施していきたい(応募はまだ)
温度勾配炉復旧後のチェックアウト
- 本格的な実験を始められない状況
- 3つの不具合
- 真空ポンプを使わずに実験を始められないか検証、プログラム変更で実施可能に
- 来週から実験を始められる予定
- 実験結果はSPACE X-2で持ち帰る予定
- 実験開始は1年ほどの遅れ
今後の計画
- 2013年3月11日で「きぼう」運用開始から5周年(2008/3/11運用開始)
- 高信頼性、技術力を立証
- 今年の実験予定(別表1、2)
- 第2回のメダカ実験
- 温度勾配炉利用実験(2月〜3月)
まとめ
- クルータイムが週35時間以上と十分な利用リソース
- EVAが3回と予定外の回数あった
- 民間輸送機としてオービタルサイエンスのシグナスが初フライト予定
- JAXAの運用チームがサポート
質疑応答
時事通信かんだ:改めて5年間の感想を。また「きぼう」の成果として、もしなかったらという視点で考えを聞きたい。それから宇宙実験の環境は当初と変わっていれば知りたい
三宅:5年を経ての感想というか今の気持ちとしては計画段階も含めると10年以上関わってきて最初は国際間の調整でも苦労があった。NASAからもいろいろ言われた。うまく運用できるか、どうやって経験を活かせるかを気にしていた。正直に言うと日本が吸収したものを最大限発揮して恒久的な有人実験施設を作り大きなトラブルなく運用できてきた。非常に大きな自信をつけさらに伸ばしていく経験になった。これがなければこの種の技術力は上がらなかった。投資に関して30年間7500億円、年間400億円弱を投入して初めてここまでできた。我々だけで独自にやっていたら無理だった。最初はこれだけ大きくて使い切れるのかという意見もあったが。今後もさらに「きぼう」を活用していけると考えている。
最初はトラブル対応で忙しかったが最近はいかに利用を増やすかをチーム一丸となってやっている。コスト削減としては空調やコンピュータの世話をしていた人間が全体の運用もできるよう、コンパクトな運用ができるよう少人数で実験できるようになりつつある。いい方向に向かっている。
かんだ:人数を減らすことで具体的にどんな効果が
三宅:定量的に述べるのは難しい。目標は10パーセントでも「きぼう」に行けばと思っている。国際協力なので我々だけがチームを変えても相手国から風通しが悪くなってはいけない。国際間協力が大切。
かんだ:環境が整ってきたことについて
三宅:「きぼう」はもともと利用のためのものでチームをコンパクト化するつもりだった。当初の期待通り動いていて実行できた。
日経新聞くさしお:シグナスの支援は有償か
三宅:シグナスにHTVが使っているプロック通信システム(三菱重工が開発)が搭載されている。つくばにいる運用完成チーム、アメリカの複数箇所のチームを回戦でつないでうまくいくかサポート。NASAとの契約にもとづいて有償で。具体額はちょっとわからない。
くさしお:民間会社を有償で支援するのはJAXAとしては初めてか
三宅:オービタルサイエンスとの直取引ではなくNASAが窓口になっている。NASAに有償で協力するのは以前からやっていた。
NVSさいとう:NASA側にも小型人工衛星のバックオーダーがあるとのことだが。また通年公募について日本とNASAの割合はどう変化していくだろうか
三宅:小型衛星は最大6個まで放出できる。ロボットアームの準備など考えると年1回か多くて2回、6個から12個ということになる。これから選定。海外と国内の割合は…
衛星を装置に組み込んでエアロックに入れるなどは乗員が行うためクルータイムが必要。クルータイムを国際間でシェアできないかということで前回は日本と海外で半々出した。我々としては国際ミッションを多く取り入れつつ日本のものも進めていきたい
ニッポン放送はたなか:「きぼう」の不具合がアメリカの実験室に比べて半分とあるが具体的には
三宅:通信機器やコンピュータ。これらが壊れるとシリアスな状況。つい先日も通信機能をロスしたという不具合が出た。NASA側のコンピュータがうまく動かなかった。我々はそういうコンピュータ機器のシビアな不具合は日本では出ていない。細かな不具合は「きぼう」は目立って少ない。
第25回「きぼう」利用勉強会:MAXI
配布資料
- 第25回「きぼう」利用勉強会資料(はくちょう座の極超新星の痕跡 発見論文の説明)[PDF:1.47MB]
- 第25回「きぼう」利用勉強会資料映像(はくちょう座の極超新星の痕跡)[ZIP形式:52.7MB]
同席
- 常深博(つねみひろし)
概要
従来のX線天文衛星は視野が狭く、半径11°と大きなはくちょう座巨大バブルの全体像を把握できなかった
MAXI/SSCは視野が広いので観測に向いた
100個連続の超新星爆発ではなくエネルギーが大きい極超新星爆発とわかった
300万年前に星が爆発してショック波が広がる→現在このように見えている
質疑応答
時事通信かんだ:はくちょう座巨大バブルの存在は知られていて従来見立てはあったのか
木村:いろいろ知られていて大きいので複数の超新星爆発か、中心部から出る太陽風のせいかなどと言われている。極超新星爆発と知られたのは今回初めて。
かんだ:その決定打は
木村:温度と大きさ。
かんだ:爆発したのは300万年前? この大きさで爆発するとほかの超新星。
木村:300年前、地球から見ると満月を超えるという計算結果が出た
読売新聞ほんま:超新星残骸は100個分とのことだが普通の超新星爆発はどのくらいの大きさか。
木村:赤いもやもやと輝点は相互作用していない
日経新聞くさしお:爆発する前の星の大きさは?
木村:太陽の20倍〜50倍程度で超新星爆発しやすい。
くさしお:なぜその大きさがよく爆発するのか
木村:あまりに重いとブラックホールになったりしてうまく爆発しない。観測例が少ないので推測が多く入っている。
NHKこぐれ:広い範囲を見られることがポイント?
木村:そう。また分解能が高い。ほかの衛星はここまでグラフが細かく出ない。視野の広さとエネルギー分解能の高さがポイント。
松岡:ISSは地球を回っている。いつも宇宙を見るようなところに装置を置けば姿勢制御が不要。最初の天文観測装置なのでこうして世界最大、15年前にはなかなかISSが上がらなかった。
さいとう:ASTRO-Hとの連携は
松岡:すざくとも連携して論文が出た。ASTRO-Hは狭いところだけを見る。MAXIがなにか見つけたらASTRO-Hがよく見るいった形で協力できる。
ほんま:温度と大きさで極超新星爆発とのことだが、普通の超新星爆発の規模は。またひとつの爆発と断定した根拠は
木村:温度300万°は超新星爆発では一般的。シグナスループも300万度。近いので見た目よりいろいろ見えるが。また一気にドカンと出たらX線が見える期間が短い。
共同通信たかや:巨大バブルの形は星形に見えるがそういうもの?
木村:いい質問です。超新星爆発はきれいに丸くなる。写真の中でなぜこのような形になるかはまだわかっていない。
MAXIは90度×1.5
すざくは18分角。MAXIで見た下半分
木村:その通り。
さいとう:超新星残骸のあと星が生まれたりするがそのような予兆は?
木村:近くでも星生成領域がある
シグナスについてNASAへの支払いは2億円ほどの経費として契約している。
今までもこういう金銭のやりとりはあった。
JAXA広報:来週REX-Jというロボット実験についてフルサクセスレベルといえる。来週勉強会を開催。よろしくお願いします。
(終了)