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「ER」最終シーズン放送中

アメリカの医療ドラマ「ER」の第15シーズンがBS2で放送中である。ついにこれが最終シーズンになるそうだ。

アメリカの救急医療の現状を伝えつつ、そこに行き交うたくさんの人々を描写する。脚本がとてもよくて、登場人物それぞれが自分の人生を生きてきた厚みを感じさせるし、人に対する思いやりや自分の弱さ、困難に立ち向かう勇気、いろいろな感情が多彩なエピソードからしっかり伝わってくる。

とくに印象に残っているのがかなり昔に見た、病院に年配の女性が苦情を言いに来るシーン。というか本筋とは関係のない、ほんのちょっとしたカットである。女性がいらいらしながら取り次がれるのを待っていると、横に小さい子供がてくてくやってくる。「あっち行ってなさいよ!」みたいなエキセントリックな演出になるかと思ったら、この女性は怒った表情をちょっと変えて子供ににっこりと笑いかけたのだ。この子供は自分の事情に関係がないのだから感情をぶつけたりせず大事に接するのがよい。それがわかっていても自然に行動できるのはいいなと思ったし、そういう演出にできるERはもっといいなと思ったのだった。

そういう、行動の規範にしたくなるやり取りがたくさんあるのがERの魅力のひとつでもあった。

さて最終シーズンの本放送はあと何回かで終わる。最終回は放送前に特番がある由。

また、来週の月曜の夜からBS2で集中アンコール放送があるそうだ。

  • 第1回〜3回:2月28日(月)午後9時00分〜11時16分
  • 第4回〜5回:3月1日(火)午後9時00分〜10時30分
  • 第6回〜7回:3月2日(水)午後9時00分〜10時30分
  • 第8回〜9回:3月5日(土)午後9時30分〜11時00分
  • 第10回〜13回:3月7日(月)午後8時00分〜11時00分
  • 第14回〜17回:3月8日(火)午後8時00分〜11時00分
  • 第18回〜21回:3月9日(水)午後8時00分〜11時00分
  • 特番「ER レトロスペクティブ」&第22回(終)3月19日(土)午後11時00分〜翌午前1時15分
ER XV 緊急救命室|NHK BS2 海外ドラマ

ERはしばらく見てないなーという人も、グリーン先生やケリー・ウィーバーなどなつかしい面々が出てくる第7話「医者よ自らを癒やせ」は大いに楽しめるだろうし、第3話「思い出多く…」のネームプレートのシーンも思わず巻き戻して見直してしまうだろう。

ERをまったく見ていない人も、この際だから最終シーズンだけでも見てみてはいかが。いつどんな順番で見てもいいように作られているからメイン登場人物の大きな流れは初めてでもなんとなくわかるし、毎回用意される、医療現場での細かなエピソードはどれも示唆に富んでいて、見て損はないと思う。

しかしERが始まって15年とは年を取るものだ。最初の会社に入ったころにすすめられて見始めて、会社ではERネタが定番だった。ドラマ内で産まれた子供はすっかり大きくなったし、見ているこちらもあれからだいぶ変化した。