小惑星探査機「はやぶさ2」搭載小型着陸機MASCOTの分離運用に関する質疑応答(13時~)

登壇者

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(image credit:NVS

中継録画

午前10時からのひとつながりの動画になっていて、13時からの質疑応答と15時からの記者説明会をまとめて視聴可能。(放送前にタイムシフト登録せず視聴できるのはプレミアム会員のみ)

質疑応答

読売新聞とみやま:分離の高度、時間などを

吉川:分離時刻は日本時間10時57分。分離高度は速報値で51メートル。地上で確認できたのは11時17分。その後はやぶさ2は上昇に転じ、ホバリングの高度に向かって上昇中。
探査機はこちらが運用。MASCOTからテレメが届いている。それをこちらからヨーロッパへ転送していて、MASCOTの運用はヨーロッパで。

とみやま:着陸は成功しているのか

吉川:MASCOTからのテレメが届いているのでヨーロッパの記者会見待ち。シーケンスは予定通り進んでいる。

NHKきぬた:MINERVA-IIに続いて探査ロボットを分離できてお気持ちは

吉川:MINERVA-IIはJAXA側だがMASCOTはヨーロッパの装置なので是が非でも分離して着地させないと国際的な問題になっちゃいますので分離が成功してほっとしている。いいデータを送ってくれれば。

共同通信すえ:分離高度51メートルは誤差の範囲?

吉川:目標より数メートル低いが誤差の範囲。

すえ:MASCOTはMINERVA-IIとどう違う

吉川:MINERVA-II1の探査は基本が表面写真。温度も測る。MASCOTは写真だけでなく赤外線顕微鏡で鉱物を調べる。磁場も調べる。赤外線の熱…表面で詳しく熱の流れを調べるのもサイエンス的に重要。期待している。

ライターあらふね:MASCOTの観測結果が来るとリュウグウのどんなことがわかるのか

吉川:一番期待しているのはリュウグウの進化の過程を知りたい。それを通して惑星の形成過程にさかのぼる。イトカワはS型の岩石だけの小惑星。今回はC型を調べている。種類の違う小惑星の起源を調べるとゆくゆくは地球のなりたちに迫る。
MASCOTはリュウグウ表面のデータを調べることで形成過程を知るのに役に立つ。

あらふね:MASCOTのデータがはやぶさ2の探査に与える影響は

吉川:MASCOTが下りた場所にははやぶさ2タッチダウンしないが、データはタッチダウンの参考になる。

NHKきぬた:15時からの会見では新情報があるのか

吉川:15時からは私以外にもMASCOTのリエゾンである岡田も参加する。技術的な詳しい内容についてお答えできるだろう。
MASCOTの現状は17時のドイツでの会見を待つ必要がある。

きぬた:MINERVA-II、MASCOTと順調に来ているがお気持ちは

吉川:我々が一番気にしているのはタッチダウン。ボルダー(岩塊)が多く広い場所がない。ボルダーが少ない領域はあるが狭い。そこにうまく探査機を誘導しなければならない。高い精度のナビゲーションが必要。
MINERVA-II、MASCOTを下ろすために2回降下して探査機の誘導精度はわかってきた。そういうデータを使いながらタッチダウンのためにどうナビゲーションすれば狭い場所に精密に下ろせるかを検討している。今回もいい経験になった。

NVS金子:はやぶさ2からの通信では分離に関するどういうデータが来たのか

吉川:はやぶさ2がMASCOTを切り離したという情報を確認している。MASCOTからの電波も来ていると確認。

ライター林:MASCOTの電池は切り離してから16時間?

吉川:電源を入れるのは分離と同時。分離から16時間。

林:表面への着地をどうやって確認するのか

吉川:MASCOT表面に着地がわかるセンサーがある。

林:着地したことをはやぶさ2の管制室でも確認できる?

吉川:いえ、我々の管制室は中継するだけで、データの確認はヨーロッパで。
今MASCOTの管制室でデータを受けて解析中と思うが、MASCOTからどういうデータが来ているかはこちらにはわからない。着地宣言はヨーロッパからなされる。
日本にはMASCOTチームから2人来ている。通信が確保できているかを確認するなどの仕事をしている。

林:着地がわかるのはいつごろか

吉川:上空50~60メートルくらいから下降方向の速度が秒速3センチくらいで分離している。30分くらいで表面に着いているはず。着地は向こうですでに確認できているはず。それは先方の発表待ち。
MASCOTそのものについてはヨーロッパが17時に発表するのを待つことになる。

(以上)