「宇宙ライターが観た『ジョン・カーター』」掲載されました

マイナビニュースはときどき映画のレビュー記事として、関係するライターに書いてもらうという企画をやっています。

今回エドガー・ライス・バローズの『火星のプリンセス』を映画化した「ジョン・カーター」のレビューという仕事のお話をいただき、宇宙ライター視点での「ジョン・カーター」という記事を書かせてもらいました。

火星観測の歴史など、いろいろ調べているうちにそっちの内容が濃くなりすぎたりして、調整してもらいながら完成しました。ぜひご覧ください。

ノベライズ

ジョン・カーター (映画文庫)

ジョン・カーター (映画文庫)

原作

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

火星のプリンセス (冒険ファンタジー名作選(第1期))

火星のプリンセス (冒険ファンタジー名作選(第1期))

記事から削った話

こういう話は原稿にはならなくても知識として自分の中に残るから、いつかまた思い出して使う日が来るかもしれません。

  • 火星のプリンセス』の初出時、バローズは「ノーマン・ビーン」というペンネームを用いていた。豆にちなんだペンネームは「ノーマル・ビーン」の誤植で、「普通の豆」という以外に「正気の男」の意味もある。映画の冒頭、ジョン・カーターが「まず豆をもらおう」と言っているのはこのペンネームに引っかけている。『火星のプリンセス』を翻訳した厚木淳は「こんな小説を書いた作者は、少々気がふれているのではないか、という非難を揶揄するつもりなのだろう」と書いている
  • スキャパレリが火星表面に「水路」を見いだした1877年の大接近では、アメリカのアサフ・ホールが火星の2つの衛星、フォボスダイモスを発見している
  • 作中オーバーテクノロジーとして描かれる「第9光線」と9つの惑星との対比について。火星に「運河」があると主張したローウェルは海王星の軌道を精密に観測した結果、「惑星X」が海王星以遠に存在すると予想した。これが1916年で、『火星のプリンセス』が連載されたあと。9つめの惑星として冥王星が発見されるのは、惑星X仮説の発表から14年後の1930年、クライド・トンボーによる。さらに2006年、冥王星は「準惑星」に格下げされた