探査機「はやぶさ」は通信が復旧しつつあるそうです。まさに不死鳥。しかし予断を許さない状態であることに変わりはないようだ。記者会見のやり取りが生々しい。
- 週刊ポスト
- 喜びの声を聞きたいです。1月23日のビーコン取得と、テレメが取れたという時。
- 川口
- 信じられなかった。予想よりもずっと強い電波で入感してきたから。運用担当者も「本当かどうか分からないので、地上のアンテナを振って、本当にはやぶさの方向から来ている電波なのか確認してみた」と報告してきた。当日は半信半疑、翌日再度確認して、電子メール交換で全員歓喜した。スピン速度は 1周50秒から1分程度で、電波の強弱がこの周期が起こる。1分のうち20秒だけコマンドを受けてくれるという状況だった。その20秒に、うまくコマンドが到達するように地上側で工夫した。
- 日経新聞
- 地球帰還は厳しいのか。
- 川口
- テレメトリが取れたことで必要条件を満たした。まだまだ帰還に向けた関門がいくつもある。イオンエンジンその他の健全性を確かめ、それらがすべて正常であれば地球に戻れる。常識的に考えれば厳しい。この探査機が生きていることが奇跡だと思って欲しい。
- 毎日新聞
- 「12月に『重病人が手紙を出すためにポストに行くようなもの』と言っていましたが、ポストにいけるようになりましたか」
- 川口
- 「より重症になっているが、杖のつきかたはうまくなっているのかも知れませんね。」
「はやぶさ」は、我々を何度も何度もやきもきさせてくれる。決着は2010年。どういう結末を迎えるのだろうか。