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小惑星探査機「はやぶさ2」機体公開

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前回の機体公開

NVSによる中継録画

小惑星探査機「はやぶさ2」概要説明

説明者

  • はやぶさ2プロジェクトマネージャ 國中均
  • はやぶさ2プロジェクトサイエンティスト 渡邊誠一郎

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MASCOT(The Mobile Asteroid Sueface Scout)概要説明

説明者

  • ドイツ航空宇宙センター(DSR) MASCOT プロジェクトリーダー トラミ・ホー
  • フランス国立宇宙研究センター(CNES) MASCOT プロジェクトリーダー ミュリエル・ドゥルーズ

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上記資料の原文(英語)

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質疑応答

※あくまで概要です。正確な内容は上記の中継録画をご覧ください

NHKはるの:國中先生に。先ほどようやく完成としたが率直な感想を

國中:宇宙機器は身の回りと違うのはたった一つしか作らない。たくさん作って99パーセント成功すればよいというものではない。打ち上げウィンドウに間に合わせて確実に動くものを作るのは大変だった。簡単ではなかった。
しかし今日、1年8か月前に構造モデルを紹介したが今日の機会を得られたのはJAXAの技術力、計画力を示すもの。
今日紹介するハードウェアは自信作。つぶさに見に行ってほしい。

はるの:トラブルが多く注目されたが2はどんな旅路にしたいが

國中:もちろんスムーズがよいに決まっている。宇宙の現場は決して甘いものではない。なにかがあってもへこたれないよう気を引き締めて新たな航海に進みたい。


日本テレビいだ:はやぶさ2の旅路は何キロくらいの長さになるか。打ち上げ時期の詳細は

國中:正確な距離を申し上げるのは難しいところがあるが公式見解は6年間で52億キロということになっている。
打ち上げ時期はこの場ではご紹介できません。関係各所との調整が必要。公式見解としては今冬を目指しているということで。


ニッポン放送はたなか:はやぶさは川口先生が象徴的な存在。ここまででアドバイスや印象的なやりとりは

國中:レビュー会があり要所要所で示唆などいただきながら開発してきた。困ったときはアドバイスをいただいた。たいへんご協力いただき開発してきた。
印象的なやりとりは…「あかつき」では燃料の蒸気がもれてきて事故が起きた。これへの対応を含めたアドバイスをいただいた。推進系ではガス系を完全に2系統に分けてガスの状態でも燃料と酸化剤が触れ合わないようにした。


ハフィントンポストあんどう:1999JU3を目指すことになった理由は

國中:C型小惑星有機物や水を含む。はやぶさが行ったイトカワはS型。S型は比較的多いがここ10年で行けるC型小惑星は2~3しかなくわずかなターゲット。
打ち上げウィンドウがたいへん狭い。それに間に合うように。


NVSさいとう:DLCホーさんに。MASCOTに搭載されている観測器はロゼッタなどと共通のところが多いかと思う。ロゼッタと対照的に分析できることの意義は

ホー:小惑星も彗星もたいへん小さい。惑星を作るもとになった。両方を理解することが太陽系進化を知るのにとても重要。


テレビ朝日さとう:はやぶさ2は最終調整中と聞くが具体的には

國中:相模原での作業はほぼ完了。このあとは種子島へ持って行く。移動にともなう電気的チェックをする。相模原では可燃性のものは詰められないので燃料やキセノンの充填を種子島で。など。


フリーランス秋山:NASAから着陸技術の開示要望があったというがARM計画との関係は

國中:対象となる小惑星を見つけるのはとても大変。小惑星を持ってくるというARM計画の対象としてイトカワも候補に上がっている。イトカワへ行くことになった場合この岩を持ってきたいといった話になっている。
非協力ターゲットへの着陸データを提供してほしいという打診をいただいている。


産経新聞くさか:ホーさんとトゥルーズさんに気持ちの部分、どんな期待をしているのか。国際協力の意義などを組織の代表としてではなく個人的な部分をお聞きしたい

ホー:三者で協力できてエキサイティング。

トゥルーズ:CNESとしてもこのミッションに期待している。


時事通信かんだ:渡邊先生へ。今回のはやぶさ2にどういうことを期待しているか

渡邊:サンプルリターンは太陽系進化の研究に大きなインパクトを与えるだろう。非常に期待している。


共同通信すえ:ローバについて詳細は

國中:ミネルバ級は3機搭載。JAXAが2つ、大学コンソーシアムが1つ。表面の近接画像を取得、温度の計測などを計画している。


サイエンスライター青木:吉川先生へ。小惑星探査をシリーズ化してほしいと考えているが今後の見込みは

吉川真:わたしが適当かわからないが…まだまだ太陽系を調べたい。予算は厳しいがみんなで議論しつつ日本の惑星科学をどんどん進めていきたい。小型ミッションで新しい切り口を見つけるなどしたい。いろいろ意見がある。
はやぶさマーク2は検討終了、次を検討中。


アストロアーツ1999JU3に名前はどうつくか

國中:なかなか悩ましい。いい名前をつけたい。発見した個人が命名権を持っている。1999JU3はMITリンカーンラボのロボットが見つけたもの。リンカーンラボにJAXA命名したいと伝えている。的確な名前を申請していきたい。どうやって決めたらいいものか困っている。はやぶさのときはつけた名前がよすぎた。1999JU3をどう命名するかの詳細は決まっていない。

ぶら下がりで聞いた話

はやぶさ2の次の計画について

吉川真:さまざまな計画があるが今のところ検討が最も進んでいるのが木星トロヤ群の小惑星を探査する計画。ソーラーセイルとイオンエンジンを組み合わせた探査機を木星軌道上の小惑星へ送る。
いわゆる小惑星帯メインベルトは火星と木星の間にある。イトカワ1999JU3は地球と火星の間を回っている。
1999JU3の次はメインベルトを飛び越え、一気に木星トロヤ群を目指す。ほかの小惑星探査計画との差別化を図り、インパクトのある探査をしなければならない。
太陽から遠い小惑星は太陽系のより始原的な情報を持っていると考えられる。ここの小惑星はD型小惑星という。イトカワはS型小惑星1999JU3はC型小惑星。これらと同じ種類の物質は地球に隕石として比較的よく落ちてきているが遠い小惑星はなかなか隕石として落ちてこない。そのためD型小惑星についてはS型やC型と比べてわからないことが多い。
木星トロヤ群を目指す探査機は片道15年かけていく。とても時間がかかるため現地到着を最低限のミッション目標とし、サンプルリターンはエクストラとする。とはいえ先日彗星に到着した探査機ロゼッタも打ち上げから10年かけて目標に到着している。15年は極端に長いというわけでもないだろう。

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上図の一番外側が木星軌道。その12時の位置にある黒丸が木星で、2時および10時の位置(木星と太陽を結ぶ線から60度離れた位置)に固まっている点群が木星トロヤ群。
木星軌道の内側に大量に密集している点群がメインベルト

衝突装置(SCI)で作るクレーターからのサンプル採取について

津田雄一:SCIでクレーターを作りそこからサンプル採取するが、クレーターの中心からサンプル採取するとは限らない。中心から少し離れた場所のサンプルを採取するのが最適という判断をするかもしれない。どんなクレーターができるかによって最適な場所へ降りていく。そもそもクレーターができるかどうかもわからない。銅板(ライナ)は秒速2キロという猛烈な速度で1999JU3に当たるが、ものすごく堅い岩石にはね返されるかもしれないし、逆に1999JU3を突き抜けてしまうかもしれない。さまざまな可能性を議論しているところ。
SCIは1999JU3の探査の最終盤で使う。SCIの利用によって小惑星の状態が変化するため、それまでに自然の姿を十分探査しておく。

MASCOTの通信と「1度だけジャンプ」について

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津田雄一:上記資料に「通信:ミネルバ送受信機を用いる」とあるのは、ミネルバと同じ通信機を搭載しているということ。ミネルバと地上局とのデータのやり取りは、はやぶさ2を介して行う。これがMASCOTも同じということ。

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津田雄一:上記資料に「1度だけジャンプして移動可能」とあるのは、はやぶさ2から切り離されたMASCOTが1999JU3に着地した際、センサの向きが悪かった場合にそれを補正するためにジャンプ機構を使うということ。1度しかジャンプできないわけではないが、1度だけジャンプすればよい。あちこち移動して観測することは考えていないが、よほど余裕があったらジャンプでほかの場所へ移動してみるかもしれない。

公式サイト

関連リンク

機体公開

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はやぶさ2情報源-Fact Sheet Ver.1.3/2014.8.31」

追記:Version 1.4がファン!ファン!JAXAで公開されている。

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