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今日のツイート

いきなり打ち上げ延期

これまでの流れ
今日の予定
  • 14:00~:Y-1ブリーフィング

今日は「Y-1(ワイマイナスいち)ブリーフィング」がある。「Y-1」とは打ち上げ1日前という意味である。今回の打ち上げ予定は30日だから厳密には「Y-2ブリーフィング」であるが、打ち上げ前ブリーフィングということで慣習的に「Y-1」と呼ぶようだ。

さてそのY-1ブリーフィング、会場へ来てみたが登壇者などの資料が配られない。ちょっと変だなと思っていたら開始直前に配られた資料に「打上げ延期」の文字が。

「天候が悪いため12月1日以降に延期します」ということでこれはもう仕方がない。H-IIAロケットはこのところ天候による延期もなく、当初予定の時刻通りに打ち上げられてきたがそれこそが普通でない状態だ。今回は途中で帰らず、打ち上げまで見守るつもりで来ている。最後まで付き合おう。

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これはプレスルームの座席表。はやぶさ2ともなるとたくさん来ている、かどうか確認してみよう。

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これはH-IIBロケット3号機のときのプレスルーム。「予備机」がいくつかあるが、上と比べて格段にスカスカとは感じない。ロケットの打ち上げとなるとたいていこのくらい来るということだろうか。

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宝満神社に参拝し、河内温泉センターで温まったのち西之表へ戻る。プラッセで買い出しをして夕飯とした。

今後の予定

  • 未定

12月1日の午後1時過ぎに打ち上げるなら約12時間前に機体移動がある。組立棟から射点へのロケットの移動である。しかし今のところ打ち上げ日は確定していない。

(1月23日記)

次の日

H-IIAロケット26号機/はやぶさ2打ち上げY-1ブリーフィング

登壇者

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中継録画

※04:00ごろ始まります

Broadcast live streaming video on Ustream

公式発表と配布資料

打ち上げ延期について(平嶋)

氷結層ができると電気を帯び雷が発生する可能性がある。ロケットが帯電し電子機器に影響して飛行に問題が出ることがある。打ち上げ条件を満たさないため延期。
打ち上げが12月1日になった場合、打ち上げ時刻は13時22分43秒。
続いて26号機のプレスブリーフィング。
(省略)

高度化開発成果の適用について(長田)

  1. 第2段液体水素タンク白色塗装適用:太陽光の入熱を低減、液体水素の蒸発量を低減する
  2. 第2段エンジン冷却機能改良

はやぶさ2の準備状況(國中)

(以下は抜粋)

  • 帰還開始は2019年暮れ、帰還は2020年暮れ
  • マイクロ波放電イオンエンジンJAXAが独自に開発(世界初)
  • 中和器の長寿命化達成、推力20パーセント向上
  • 遠隔操作、自動技術の開発
  • 各種の改良

質疑応答

NHK鹿児島すずき:たくさんの人が打ち上げを楽しみにしていた。どのように受け止めているか

國中:11月30日を目指して準備を進めてきた。天候ということで仕方ない度考えている。6年間のミッションであるから1日2日でどうなるものとも思っていない。引き続き準備を

鹿児島テレビ:打ち上げウィンドウの狭さについて

國中:11月30日はウィンドウの最初の日。10日程度のウィンドウがある。その中で成功裏に打ち上げたい。

読売新聞ながの:12月1日以降への延期で1日の打ち上げに向けて準備しているのか

平嶋:12月1日に向けて準備をしている。

南日本放送いわさき:H-IIAH-IIBで打ち上げ延期をするのはいつ以来か

平嶋:H-IIA20号機が前回。同様に氷結層が出たため。

いわさき:注目度が高い打ち上げの延期をどうとらえているか

平嶋:ひまわり8号のあと最短で打とうとしていたが残念。緊張感を保ちつつ打ち上げに向けて準備を進めていきたい。

JAXA東京事務所へ)

NVSかねこ:打ち上げ延期で打ち上げ時刻の変化は

平嶋:1日ごとに1~2分前倒しになっていく

(聞き取れず):1999JU3について。名前が仮称だが命名についての交渉状況、いつ決まるか

國中:1999JU3はMITリンカーンラボのロボットシステムが見つけた。命名権を持っている。先方と交渉中。どういう方法でどういう名前をつけるかはまだ決まっていない。今は打ち上げに向けて準備に全力。

NHK春野:今後天候がよろしくないが見通しは

平嶋:現段階で12月1日をあきらめてはいない。天候状況、特に氷結層の状況を見つつ打ち上げ日を検討中。

はるの:ロンチウィンドウが短くなっていくがプレッシャーは

國中:深宇宙機はロンチウィンドウが短い。それでもH-IIAで1週間と長くとれている。
種子島に入ったときは台風18号、19号の直撃でなかなか作業が進まなかった。
射場作業が進まず困ったが今はもう台風の季節は過ぎている。冬は気候が安定しているため楽観視している。

JAXA相模原キャンパスへ)

フリーライター青木:着地時に映像をどのくらいまで取れるのか。また万一こけちゃったときのための対処法は

國中:着陸点の画像については今回は寄付金で作らせてもらった追加カメラ「CAM-C」がホーンを見ている。これで着地点の画像を取得できるだろう。
はやぶさの経験、知見を活かして行う。

とりしま:第2段高度化について。はやぶさ2搭載にあたっての改修点はあるか

長田:H-IIAは性能はいいが諸外国のアリアンなどと比べると打ち上げ能力、価格で格差が生じていた。そこを埋めるのが高度化の目的。
はやぶさ2の場合、より確実に軌道投入のために上の2つの機能を搭載した。

NVSさいとう:平嶋さんに。氷結層が出る見込みで延期とのことだが機体移動して燃料を入れる前、またロンチウィンドウが短い中でどう判断したか

平嶋:3日ほど前に状況を見ていて今日になってさらに予想の確度が上がってきた。液を入れての判断をする可能性もあったがもう目はないということで判断した。

さいとう:地球を1周してから分離という考えのもとは

國中:実はあまりよく知らないが(笑)M-Vは固体モーターのため加速度が大きい。一気に加速する「直接打ち」をしていた。H-IIAは図体が大きいし液体ロケットで加速度が小さい。地球を1周してこちらに来てから分離すると考えた

朝日新聞東山:当初のウィンドウは日曜日ということでたくさんのチビッ子が残念がっている。ぜひプロマネからひと言

國中:我々も11月30日を目指していて残念。6年間のうち1日2日延びても大きく変わらない。我々と一緒にはやぶさ2の門出を応援していただければと思う。

朝日新聞デジタル:この日に打ち上げるという判断は打ち上げのどのくらい前にするものか

平嶋:打ち上げ2日前通知というのがあり2日前に「この日に上げる」と通知する。

(終了)