2011年10月25日に開催されたプレス向け共同インタビューの際に配布された資料です。
JAXAのISSサイト内に見つからなかったのでアップしました。
- NEEMO15:JAXAの宇宙飛行士 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA(http://iss.jaxa.jp/astro/onishi/neemo15/
)
- フォトライブラリ: 検索結果 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA(http://iss.jaxa.jp/library/photo/tag/NEEMO15
)
取材時のメモ
質疑応答
NHKはるの:自身の環境変化について
大西:耳の圧迫感がある。ちょっとものの聞こえが悪くなっている。さらに英語なので苦労しているところ。体調はおおむねよいが漠然とした違和感、声が少し高めになる。気圧の関係だろうか。ほかの人も同じことを言っている
時事通信いまい:将来宇宙へ行く実感がわいてくるものだろうか
大西:若田飛行士もNEEMOの経験がある、宇宙環境にとても近くよい経験になるとのこと。窓の外に一歩へだてて人が暮らせない環境にいることで宇宙の実感に近い
ニッポン放送はたの:食事も宇宙に即しているのか。味覚の変化はあるか
大西:食べているものはフリーズドライのものが中心。お湯を入れて10分ほど待つと食べられる。新鮮なものもある。味覚はそれほど変わらないが満腹になるのが早くまた長持ちすると感じる
読売新聞きむら:今回の訓練で身につけたいことは。同期の方からはどういう言葉をかけられているか
大西:身につけたいのは閉鎖空間でチームの一員としてミッションをこなし貢献していくスキル。他国の人とうまくやっていきたい。油井、金井飛行士からは激励を受けた
フリーライター林:ミッションが始まってから想定外のことは起きたか
大西:今日は5日目。EVは予定されておらず「行動心理学」となっていたが急にシナリオを与えられ影響を見るという訓練になった。クラゲに刺されたと言っていたクルーが急に倒れた。そういうシナリオにもとづく訓練。順調にこなした
共同通信たけおか:ISS滞在に向けた期待と訓練中の生活にたえられそうか
大西:長期滞在に向けた抱負は、若田さんも言っていたように実際の宇宙ミッションに近い訓練なので一日も早く自分のミッションを獲得できるようにしたい。閉鎖環境についてはほとんどプライバシーがない中5日間だがそのあたり鈍感だしにおいも気にしないほうなのでISSへ行っても大きなストレスはないだろう
読売新聞きむら:こういう閉鎖環境でのコミュニケーションで重視しているものは
大西:相手の文化を尊重することに気をつけている。日本人とコミュニケーションのとり方、距離感が違う。相手の距離感に合わせるよう工夫している。アメリカ人は自分のことを話すことが好き。自分の中に話せることがあれば合わせるなど
毎日新聞のだ:今回のミッションでの役割は。また今日このあとはどう過ごすのか
大西:今回は搭乗員役。船外活動などの技術検証。コマンダーはチーム全体を指揮する。その指揮下に入っている。こちらは20時過ぎ。23時ごろ就寝。一人起きていてもほかのクルーに迷惑がかかるので寝る。写真の整理をしていたりツイッターに書き込んだり。わたしはJAXAに掲載する日記を書いてから寝るだろう
NHKはるの:このミッションに入ることになった経緯
大西:選抜されたときからNEEMOをしたいと思っていた。若田さんが上司だが力強くバックアップして宇宙飛行士室長にかけあってくれた
フリーライター林:NORS(野外)訓練と今回のNEEMOの違いは
大西:大きく違うのは野外訓練ではチームがメンバーだけで完結していたがNEEMOでは100人くらいのバックアップクルーがいる。地上とこちらでどう連携をとっていくかが重要。大きな範囲でのチームワークが求められるミッション
科学新聞社:大学の先生にEVAでのアドバイスなどはあるか
大西:クルーのSteve Squyresはコーネル大学の惑星科学の教授。火星探査車の主任科学者。面白い話や苦労話をいろいろ聞かせてくれる。小惑星と火星ミッションではいろいろ条件も違うが実際にミッションに関わった人の話を聞けて貴重。ここから火星チームと話をしたりしている
(質疑応答は以上)
大西:まだ5日目でやりたいことや検証もあるが体調に気をつけてこなしていきたい。これが自分の、ひいては日本の宇宙活動の発展に寄与するようにしたい
今村の所感
NASAはいろいろな訓練プログラムを用意しているものだ。この訓練は誰でも自由に参加できるものではない由。大西宇宙飛行士はこの訓練に推薦されるよういろいろ活動したということだった。