中継録画
会見のあらまし
牧野:今回は前回7月の機体を一部改良。7月に打ち上げた「いちご」は機体回収できず、確実にするため改修した。
全長4173ミリ、重量98.5キロ。高度5000メートル弱を狙う。これまで行ったことがない4000〜5000メートルへ。
新開発のテレメトリ(状態を無線で地上へ伝える機械)の実験。
今後大型化していくための基礎的な実験。
なによりも回収を成功させることが目標。
植松:CAMUIも7月の打ち上げで使った機体を改良。
高度10キロまでの制限内でフルに使う機体。
前回はブレーキのパラシュートが一部作動しなかった。
大きな機体を確実に回収できるようにするための実験。
回収機構を改良。
機体のカーボンファイバー化による軽量化、剛性向上。
飛行結果によい影響を与える。
打ち上げをできる環境があるだけでも恵まれている。大樹町と漁協に感謝。
10キロまでの問題を解決できればもっと高くする実験ができるようになる。
安全、確実に。
ハイスピードカメラなどの使用でデータ量が増えており、通信を使わずデータが記録されたメディアを直接回収することが今後重要になる。
波の状態が厳しい。
もしかすると一日延期かも。
全体の運用と安全管理について(伊藤)
冬場の海打ちということで困難な実験であり予想外の事態も起きるかも。
必要最小限の人数で実験することとし、一般見学についてはお断り。
業務上視察や見学したい人に限って入っていただいている。
原則としてロケットを自分たちの自主判断で上げている。法律の安全管理下ではない。極端にいえば止める権限を持つ人も許可する人もいない。自分たちの責任で打ち上げなければならない。
大樹町がいいよと言うのが唯一の判断。ご協力いただいている立場
よりどころとするのは自主的に決めたガイドライン(日本宇宙工業会)
民間の保険で十分担保する
今回はそこを一段と厳しくし
各人が労災保険、業務としてここに来ていて万が一の場合にはその適用を受けるようにということ
十分な保険で担保されていることを条件としたい
明日の朝に「保険に入っていますね」と聞きます。「はい」と言えない方には保安区域の外でご見学いただく。
打ち上げ自体も保険に入っている。
最低限、なにも保険がないというわけではないが念には念を。
明日の取材以外にもさまざまな見学者がいる。2か所見学場所がある。
取材に関してはプレスキットの(5)が取材位置。
射点の近くに行く方には通行証を配布。これがない車は500メートル。海岸のT字路で射点とは逆方向に曲がっていただく。
万一を想定して初めての方には150メートルラインを外に出てもらう。個人的な判断で500メートルに下がってもらうこともある。
腰を抜かす人がいるためそういうおそれがある方には500メートルまで離れてもらう。
異常な打ち上げになったとき自分がなにをしたらいいかとっさの判断ができるかどうかでも決める。
それも安全策。
万が一事故に関してはどういう処置をするかさまざまなケースを考えている。瞬時になにが起きるかわからないことを知っていてもらいたい。
おかげさまでどちらのロケットもだんだん成長していく。力も強くなってきている。暴れ出したりトラブルになると
重要な時期であること
いったん大きなトラブルになると
内閣府が日本の宇宙開発をどうするか議論をH26年度から1年間かけて考えることになっている。
民間の宇宙開発や大樹町の実験場のあり方を議論する前になにかあってはならない
民間の宇宙開発を考え直すべき、制限すべきなどと話がいってしまいかねない
民間の宇宙開発を推進しようという時期になれば法律が整備されその下で行えるようになる。今は自主的な判断で上げている。そのぶん安全には念を入れている。
失敗はありうるがそれが事故につながらないようにしたい。
漁船にも事故があってはならない。
取材の懸念について。昨今、新しい技術が日本からきわめてイージーに外へ流れていって似たような技術が出てきちゃったりなんかして問題になっている。このロケットについてもそれはいえる。類似品が出た段階でクローズされるだろう。それは避けなければならない。
競争相手はウェルカムであるがコピーを作られるのがよくない。そういうことに報道が資料を提供していたということにならないようにしてほしい。
まねされないところまで来ていればいいが今はまだそのような状況ではない。
法律などもからめて日本としてどう保護するか、機密を維持するかは議論されていない。
技術をオープンにして誰でも使ってよいと言ってよいものかどうか、商売にするかどうかは別として未解決。
そのあたりも含めてよろしくお願いしたい。