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あかつき、金星周回軌道への投入失敗

惑星探査は厳しかった。地球からピューッと内惑星へ飛んでいって、一気に減速する一発勝負。減速に使うセラミックスラスタは松浦晋也さんによれば「あかつき唯一の工学試験要素」とのことで、予算がつかず軌道上での技術試験がないままのぶっつけ本番だった。

なお、はやぶさは本来「工学実験機」であり、イオンエンジンからなにから新規要素が満載。一方あかつきは手堅く成功させるのが目的の「惑星探査機」だ。泣き所のセラミックスラスタが案の定うまく噴かなかったというのは、JAXAにとって痛恨なんじゃないだろうか。

ともあれ、2016年12月と翌2017年1月には、あかつきがもう一度金星の近くを通りがかる。その時に金星周回軌道への投入を狙うとのことで、6年は長いようで短いような、果たしてそのころ自分はどうしているだろうか。

今回は、ニュースでの扱いが応援ムードなのを強く感じる。はやぶさの偉大さが際立つ。そして「うれしいことを可能な限り先延ばしにする」のは、はやぶさだけではなかった。あかつきも同じ血を引いているということだろうか。はやぶさは苦労の果てに大きな実績を上げた。あかつきもそうなるよう、来るべき日までがんばってほしい。

  • 「うれしいことはできるだけ先送り」について書いた記事:JAXAはモテ期に突入している - Imamuraの日記(d:id:Imamura:20101006:hayabusa