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「ゲゲゲの女房」は普通なのがよかった

面白かった「ゲゲゲの女房」が先週で終わって、今日から新番組「てっぱん」が始まった。

しかし見始めてすぐに、これは最近の朝ドラのいやーんなパターンになる気がしてきた。

視野が狭く、周囲とあつれきを生みかねない行動をとりがちな主人公。もしこれが主人公じゃなかったら単なる自己中、空気を読めず自分の考えを押しつける暑苦しい人だ。これが「逆境にもめげず前向きで元気ハツラツ!」みたいなキャラクターを演出しているつもりらしいので、見ていてなおつらい。

そうか、「ゲゲゲの女房」の布美枝さんは普通の人で、「ゲゲゲの女房」は普通の人の苦労話だから共感できる。そこがよかったんだな。(それに、最終的には苦労が実るとわかっているから安心してハラハラできる。映画の「タイタニック」と同じように、最後どうなるかがあらかじめわかっているから本当の不安を突きつけられない)

あとね、ときどき鋭いことを言わせる脚本もよかった。「低俗な貸本マンガから子供たちを守れ!」みたいな人たちに対して貸本屋のおばあちゃんがふと「自分が正義だと思ってる人ほど恐ろしいものはないねえ」ともらしたり。好きで就いた仕事のことで藍子が悩んでいると知った水木しげるが「がんばったからうまくいく、努力したから報われるというほど、世の中は簡単にできとらん」とつぶやいたり。そういう地に足がついたことをさらっと言わせるのがうまかった。