「ぴたすちお」という、ちょっと人を食った名前のフリーソフトがある。ウィンドウをデスクトップの端やほかのウィンドウの端に「ぴたっ」とくっつけて(スナップして)くれる。それを見て「すちおっ」と言いましょう、というソフトである嘘である。
これはかなり昔から公開されているソフトで、雑誌を作っていたころはオンラインソフト特集で何度も紹介させてもらっていた。最初のバージョンは2001年暮れに公開されたそうだ。
長い間の開発で機能がいろいろ追加され、設定ダイアログボックスはいまこんな感じ。
実は今まで、ウィンドウをスナップしてくれるソフトには興味がなかった。そのことが便利だという気にならなかったからだ。
今回これを使おうと思ったのは、ウィンドウがスナップするのもいいかも、となんとなく考えたことがひとつ。もうひとつの理由は「ぴたすちお」に、「ホイールの回転をマウスポインタがある場所のウィンドウ(より正確にはコントロール)へ送る」という機能があるからだった。
Windows Vistaにして、特に使いづらくなったなあと思う点が2つある。
- エクスプローラでファイル一覧をスクロールしたいとき、フォルダ一覧がアクティブになっているといったんファイル一覧のどこかをクリックしないといけない、またはその逆
- 外部記憶装置(HDDやメモリカードなど)の内容を表示していると、「装置を取り外す」ことができない(←XPまでは可能だったのに)
「ぴたすちお」はこのうち、1つめの不満を解消してくれる。設定ダイアログボックスの「ホイール回転」欄、「カーソルの下のウィンドウに送る」をオンにすると、マウスポインタがある場所をホイールですぐスクロールできるようになるのだった。
ほかにも、Windows XPまでを使っている人には朗報がある。
ファイル名を変えるとき[F2]を押すと、拡張子も含めたファイル名全体が選択されてしまって、ちょっと不便ではありませんか。
ぴたすちおの設定ダイアログボックスで、「エクスプローラ」欄の「ファイル名編集の拡張」をオンにすると、ファイル名を変えるとき拡張子を除いた部分だけが選択されるのだった。(Vistaでは最初からこうなってます)
そのほか「マウスショートカットの設定」では、デスクトップ内のいろいろな場所をクリックしたときの動作を細かく設定できる。自分の場合、こんな設定をしてみた。
- ウィンドウのタイトルバーをホイールクリックすると、常に上に表示される(コピー中のダイアログボックスなどによく使う)
- タスクバーをホイールクリックするとエクスプローラが起動する
うーん、これはいい。
そんな感じで、ウィンドウのスナップだけでなく、便利な機能をあれこれ提供してくれる「ぴたすちお」なのだった。