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BSのドキュメンタリー3本「アメリカ被曝兵士」「人類の消えた地球」「東京湾深海の幻のサメ」

BS世界のドキュメンタリーアメリカ 被曝兵士の告発」

  • 放送日時:BS1 2009年1月30日(金)午後9:10〜午後9:57(47分)

アメリカは、1946年から1962年までの16年間にわたり、のべ11作戦、1030発の核爆弾を用いた実験を行なった。その際に何万人もの米軍兵士たちが、わずかな装備と不十分な情報しか与えられず、まるでモルモットのように、爆心からの至近距離で実験に立ち会わされた。実験後、多くの兵士が身体の不調を訴え、今なお終わることのない後遺症に苦しみ続けている。

爆心から2キロほどの塹壕で爆発を目の当たりにした兵士は、大衝撃を感じた瞬間、両目を覆っていた手の骨が透けて見えたと証言する。実験前のオリエンテーションで、被曝量はレントゲン以下と、上官は説明していたという。

また、核爆弾の投下演習に参加した空軍兵士は、秒読みが終わっても爆弾が投下されず、何とか手動で切り離したものの、予定よりはるか上空で炸裂したため被爆した。海中や空中での核実験を軍艦の上で幾度も経験した兵士は、現在、自らの後遺症に加え、3人の娘がいずれも心臓や精神の障害を持つにいたっている。

アメリカの核実験における兵士たちの被爆は単なる事故だったのか?米政府と米軍は、自国民の被爆の実態については一切公表しておらず、ましてやそれが、いわゆる「人体実験」であったとは認めていない。またこれまで、被爆兵士が自らの体験を語っても、政府がそんなひどいことをするはずがないと聞く耳をもたれなかったという。

この番組は、核の恐ろしさを身を持って体験したそうした被爆兵士たちの証言を積み重ね、核実験の裏側でいったい何が起きていたのか、事実に光を当てようとしたものである。

BS世界のドキュメンタリー

むかーしNHKでこういうテーマの番組を見たことがあって、でもタイトルも、どの番組で放送されたのかもわからないままだった。

当時見た番組では、何人か出てくる老兵士の一人に対して、カメラがアップから少しずつ引いていく映像が衝撃的で、脳裏に焼きついている。

公式ページの「担当者メモ」にはこうある。

2001年6月 NHK教育テレビ「ドキュメント地球時間」の枠で紹介された作品の再放送です。番組の中で「人体実験」という言葉は一切使われていませんが、被爆兵士たちの証言は、見事に、ある一つの真実を指し示しているように思います。

BS世界のドキュメンタリー

もしかすると、むかし見たのは「ドキュメント地球時間」だったのかも。いずれにしても見てみよう見てみよう。

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ハイビジョン特集 フロンティア「科学シミュレーション 人類の消えた地球」

  • 放送日時:BShi 2009年1月31日(土)午後3:30〜午後5:00(90分)

地球上に生息する人類は60億あまり。極寒冷地から砂漠地帯まであらゆる場所に分布し、環境に多大な影響を与え、今やあらゆる生物の中で圧倒的な優位を誇る人類。

その人類がある日突然、一瞬にしてすべて消えてしまったら、地球は一体どう変化するのか。

1時間後、1日後、1か月後、1年後、10年後、そして100年後には…?

これは、一見荒唐無けいな想定のもとに、人類と地球との関係をあぶり出そうとする科学シミュレーションドキュメントである。

人類が消えてしばらくたつと、制御が利かなくなった化学工場や原子力発電所が爆発。整備する人間のいなくなった建造物は腐食し植物が表面を覆う。治水によって都市化されたロンドンやパリはやがて元の沼地に、ロサンゼルスやラスベガスは砂漠に戻る。遺伝子改良された家畜は次々に死に絶え、生き残った動物は本来の野生を回復する。人類による大気汚染が止まったことによって空気は澄み、地球温暖化は止まる。海や河川が本来の岸辺を取り戻す…。

そして2万5000年後、新たな氷河期を迎えようとする地球の姿とは?

ハイビジョン特集 フロンティア

去年何回か放送されて、とても面白く見た。いま突然人類が消え去ったら、という刺激的な仮定から始まるドキュメンタリー。人がなぜ消えるのかは考えず、とにかくパッと消してみたらどうなるかを淡々と描く。この淡々さがイギリスSF風味というか、感情を挟んでいなくてよい。

書籍で『人類が消えた世界』というのが出ているのだけれど、これが番組の「原作」なのだろうか?

人類が消えた世界

人類が消えた世界

番組の原題は「Aftermath: Population Zero」、書籍の原題は『The World Without Us』。うーむ、わからない。

ハイビジョン特集「深海に幻のサメを追う〜秘境 東京海底谷〜」

  • 放送日時:BShi 2009年2月1日(日)午後4:00〜午後5:50(110分)

東京湾の深海に、巨大な谷がある。深さ1000m、長さ40キロに及ぶ大峡谷・東京海底谷だ。この峡谷には、古代の形質をとどめた生き物が数多く生息し、世界中の研究者が注目する深海ザメが潜んでいるといわれる。なぜ大都会の傍らに、幻のサメが生息しているのか、その生きたままの姿と生息の謎を追った。

NHK 番組表

ハイビジョン特集」のサイトは「フロンティア」とは別で、1ページのみで作られていて番組ごとのページもない殺風景さ。まるで人類が消えたあとの地球を思わせる。いやそれは大げさか。大げさだ。

深海探査というと、どこか遠くの海やよその国で行うようなイメージがある。でも実は東京湾も出入り口付近が急に深くなっていて、そこには珍しいサメ「ゴブリンシャーク」などが住んでいるのだそうだ。これがなかなか面白くて、深海のサメの目つきはよく見るサメと違うし、サメのほかにもいろいろな生物が出てくる。身近な場所でも、深いところには珍しい生き物がいるというのはわくわくする。