ツバルといえば「.tv」ドメイン。じゃなくて。
最高でも海抜2メートルしかないサンゴ礁の島国は、地球温暖化による海面上昇で、まっ先に水没してしまうとみられている。
今まで、「海面上昇で沈んじゃうんだ」と言われてなんとなく納得していたけれど、それが具体的にどう進行しているのかが、日曜のNHKスペシャルで紹介されていた。
「煙」は中国の重慶、「金」はニューヨーク、そして「沈む島」がツバル。二酸化炭素の排出権をめぐる産業や経済の動きと、温暖化の被害をいままさに直接受けている国の様子が紹介されるというもの。
ツバルではすでに、畑を少し掘るだけで海水がしみ出すようになってきており、作物の収穫に影響が出ている。また大潮の前後の満潮時には、道路などで海水が噴き出す。被害は少しずつ深刻さを増していて、去年2月末の大潮では、今までにない広範囲が冠水したそうだ。そして今年2月末の大潮では、もっと大変なことになるだろうという話。
つまり潮位が変化(一日の中での変化+毎日の満潮・干潮時の潮位の変化)する中、2月末の大潮の日の満潮時に、一番潮位が上がるというわけ。なるほど、そうなのか。海の近くで暮らしたことがないから、潮位がこのように推移するというしくみは実感がない。なんとなく、ただ水位が少ーしずつ上がっていく様子をイメージしてしまっていた。毎年この日の満潮に、ツバルが最大の危機に陥るという説明は新鮮に感じた。
ツバルでは、この日のために高床式の住宅を建てても、来年はそこまで水が上がるようになるかもしれない。同時にだんだん、干潮時でもあまり水が引かなくなっていく。そうするうち、いつの日か、ツバルはいつも冠水している国になってしまうのだ。うわー、いやすぎる。
番組では、自分たちが大量の二酸化炭素を出しているわけでもないのに最初に沈没してしまうツバルと、そういう状況をまるで他人事のように、二酸化炭素の排出権ビジネスに携わる人々を対照的に扱っている。その演出もうまいのだけれど、自分の中にはツバルの「国が沈む」という恐怖感が一番強く残った。
この番組は、「NHKスペシャル−再放送予定」によると5月2日(火)深夜0時〜0時49分(録画予約は水曜の0時から)に再放送されるとのこと。おっ、「巨大穴・天坑」も5月8日(月)の夜に再放送しますぞ〜。