
- 作者: リリー・フランキー
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本
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あまりに意外性がないが、多数決では仕方がない。「書店発のベストセラー」という考え方や目的は、この数年で急激に浸透した。今回の受賞発表は、テレビのニュースでも何度も採り上げられていたしね。その結果、本屋大賞の目的は、第3回にして達成されてしまった気がする。
つまり以下のような話。
つまり、売り場からベストセラーを出そうという思いで本屋大賞を作ったのだが、本屋大賞を受賞する前から書店発のベストセラーになったものに、改めて本屋大賞を授賞してもあんまりしょうがないんじゃないの、ということだ。それよりももっと光の当たらない本を探して来て、ベストセラーに仕立てる、というほうが幸福である気がするのだが(まさに『博士の愛した数式』のように)書店がベストセラーを作るのが当たり前の時代に、このままの方式で行うと、結局本屋大賞はその年にもっとも書店員が勧めて、もっとも売れた小説に授賞する、「今年はこの本が一番売れてましたね」というのを確認する賞になってしまうのではないだろうか。
エロ本編集者の憂鬱と希望![]()
来年は、書店大賞にワクワク感を取り戻してほしい。どんな工夫ができるだろう。「ぴあテン」と「もあテン」みたいに、今年出た本とロングセラーを並立させるとか? でも多数決である限り、根本的には変わらないだろう。
あるいは、「書店大賞はすでに役目を終えました!」として、スパッと発展的解消してしまうのもありかもしれない。