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日記的日常

【元記事:日記的日常:d:id:manpukuya:20060227:diary

Cさんの場合(聞いた話を再構成しています)

午前中、自分も関わっているプロジェクトの会議が、外部の担当さんを交えて行われた。といっても自分は出席しなくてもよく、こちらからの出席者は課長と部長だけである。

しばらくして会議室から、課長や部長のやや強い調子の声が聞こえてきた。先方の誤解がはっきりして、険悪な雰囲気になってしまったらしい。この会社とは来週にも会議がある。その前に、自分と担当さんで打ち合わせをすることになっている。誤解のもとについても話しておこうと思った。

夕方、その担当さんから電話。なんと、来週の会議に出られないかもしれないという。今日の会議でのことをしきりに恐縮しつつ、しかし来週はちょっと…というところはどうにも譲れないらしい。

「こういうことをお話しするのも申し訳ないのですが、実は息子が入院しておりまして、具合がよくないんです。ちょうど来週あたり、どうなるかわからないものですから…」

同じ人でも、照明を当てる角度によって違う顔に見えたりする。さっき会議室にいた、会社の関係先の担当者である人が突然父親としての顔を見せ、しかもその息子さんの具合はかなり深刻らしい。不思議な感覚がした。

自分の場合

産休中のSさん、会社に用事があり、赤ちゃんと一緒にやってきた。フロアの誰かと話をしている。いま6カ月とのことで、お母さんはリュックを体の前に抱えるようにして、赤ちゃんと向き合っている。赤ちゃんの「あー」とか「うー」という声が聞こえてくる。ほかの社員が少し高い声であやしているのも聞こえる。

(それにしても、赤ちゃんに話しかけるときはなぜ自然と声が高くなってしまうのだろう)

うちの会社は、社員どうしの関係は? と聞かれると「普通よりちょっと仲がよいくらい」と答えるだろう。殺伐ということはまったくないが、しかしここはやっぱり会社だから、会社員としての節度と共に働くという程度の空気はできている。

そこへ赤ちゃんのかわいらしい声が入り込むと、フロア全体の空気がはっきりとゆるむ。しかもそれは、殺伐←→なれ合い、という尺度とはまったく別のベクトルを持っている。ふだんの会社では、こんな雰囲気になることはまずない。会社に普通はいないはずの人が来ると、それだけでフロアが異空間に変貌するのだった。