「君津市民ふれあい祭り」にて、新日鐵の君津製鐵所にあるプラスチックリサイクル工場と圧延工場を見学できるというので、早起きして君津へ行ってみた。同時に東京湾へ出る「洋上見学」も開催されており、これは工場を海から見られる貴重な機会らしかったのだが、時間の都合が合わず断念。残念。
さて、君津駅から30分おきに出ているバスに乗って工場内のセンターへ行き、そこで見学用のバスに乗り換える。バスはまずリサイクル工場へ向かうのだが、センターから着くまで5分くらいかかった。この移動時間はこのあともだいたい同じであり、工場全体がとても広いのだった。
プラスチックリサイクルの工場はガラス越しに見る形になっており、ここはちょっと工場好き+巨大建築愛好会的には期待はずれ。でも、次に見た圧延工場はすごかった。
圧延工場は、真っ赤に焼けた鉄の板「スラブ」を冷やしながら圧延し、最終的には数ミリ程度の厚さに延ばしていくところ。写真は、圧延工場に入ってわりとすぐの地点である。上の写真を撮ってから振り向いて撮れたのが下の写真。工場はとても細長い。上の写真の上部に、黄色いフェンスがついた梁のようなものがあるが、これには人が乗っており、工場の奥と手前を行き来している。
この一点透視法的な工場と行き来するクレーンを見てすぐに思い出したものはというと、「ジオンの秘密工場では、新型モビルスーツが続々と生産されようとしていた。窮地に立つガンダムの運命は」というCM(が昔ありました)だった。
工場のキャットウォークを歩いていると、スラブがゴーッという音を立てて、周囲を吉野家の色に染めつつ後ろから流れてくる。スラブが通ると、すごい熱気を感じる。伝わる熱気はたぶん50度以上だと思う。手の甲にみるみる汗の玉が浮かんでくる。かざしたデジカメの前面は、少したってから触ってもほのかに暖かかった。キャットウォークの途中はところどころ窓が開いており、そこを通りがかるととても涼しい。東京の最高気温が35度になるような日なのに、外の空気を涼しいと感じるほどに工場内が暑くなっているのだった。
上の写真は、見学できる範囲の終わりのほう。ここまでくるとスラブはだいぶ冷えて薄くなる代わりに、流れてくる速度がとても速くなっていた。少しけむって見えるのは、スラブから上がる水蒸気。
下の写真は、圧延工場を出たところから見た別の工場。いかにも工場〜という感じに撮れた。
ところで、この工場全体で、1日に使われる水の量は210万トン。これは千葉県民600万人が1日に使う生活用水の量に匹敵するそうだ。「といってもその94%はリサイクルしています」と係の人は言っていたが、とすると残り6%、つまり12.6万トンの水は排水されたり水蒸気になったりしているということであり、ずいぶんすごい単位であることだ。
最後におまけ。ちょっとベッヒャー風(曇ってないとダメとか言わないで)。
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