- 作者: 喜国雅彦
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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紀伊國屋本店1階の「本好きの人のための」というようなフェア台で、これなら自分にもと思って買った。ほかの本は「古本に埋もれて」のような雰囲気で、いやそれは喜国雅彦もそうかもしれないが、喜国の場合そんな自分を客観視できていそうな感じがしたのだった。
読んでみると、古本マニアの生態報告としてとても楽しい。「マニアたるもの、かくあるべし」のような押しつけもなく、常人の感覚から離れている様子がわかりやすく、そしてとても面白く描かれている。
もう一つ、喜国雅彦が古本集めを本格的に始めたのは30代に入ってからだというので、なんだかほっとした。いやそれは病歴が浅くてよかったとかではなく、その年齢になってなにかを始めてもよいのだと改めて思ったからだった。「そんなん当たり前やん」と思ったあなたは幸いである。どうも自分の場合、年を取るにつれて、それまでに得た知識や考えをもとに本などを摂取する傾向が強まってきていると感じていたのだった。
でもこの数年は、興味の幅が広がってきている。宇宙はもともと好きだったが、積極的に本を買うほどではなかった。今ではロケットの打ち上げを見に行こうとしているし、宇宙関係の本も作っている。巨大建築ものは、巨大建築愛好会によって背中を押されるように濃くなってきている。電車にはずっと興味がなかったが、ブレーキの種類を調べた経験と旅行前に時刻表を買ったあたりから面白いシステムだと思い始めた。車への興味は、グランツーリスモ4がきっかけだろう。
電車や車は今から趣味にしても、知識を詰め込めないしそこまで濃くなるつもりもない。けれど、なんだか面白いもの・面白いことがあるという漠然とした興味が向く対象になった。こういう知見の広がりで、豊かなものを得られるのはよい。
世の中には自分にも面白いと思えることがまだまだたくさんあるし、それはちょっとした種によって面白くなってくるものだ。
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