よく『少林サッカー』と対比されるこの映画。でき上がりの画面は超人的なアクションという点で確かに似ている。しかし、『少林サッカー』の俳優たちが実は体術に特別優れているわけではない(であろう)のに対し、スタントマン上がりの『マッハ!!!!!!!!』の主役はキレのよいアクションを次々に見せてくれる。そのサーカスのような体術を見て楽しむ雰囲気が強い。脚本に粗があっても、細かいことは構わずに楽しむくらいがよさそうだ。
ただ、格闘シーンでは本当にバキバキ当てているため、痛みをリアルに感じられてしまう。頭頂部に思いっきり肘を叩き込むところなど、見ていて「イタイ話」的につらいシーンも多々あった。物語も大筋ではハッピーエンドだが払った犠牲も大きく、やや後味が悪い。スタッフロールはジャッキー・チェン映画のお約束を使い、「これはお話ですよ〜」というクールダウン演出をしてだいぶ緩和されるけれど、それにしても映画中で蹴られたり殴られたりした痛み(への想像)は減らないわけで、なんだかものすごいことになっちゃったなーと思った。
ということで、ふだんアクションを見慣れていない人は、ちょっと刺激が強すぎるかもしれない。一方、CGやワイヤーアクションに食傷気味の人には強く勧めたい。あの足の動きは凄い。