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マトリックス・リローデッド

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30日で閉館する、東急文化会館パンテオンで鑑賞。

第1作の『マトリックス』を観たとき、これはもう「映画」ではないと思った。ではなにかといえば、ゲームの幕間に流れるような「ムービー」だ。空っぽの人間たちが、肉体感覚が希薄でただ派手なだけのアクションを繰り返している。映像は驚きに満ちており、ついでにすべてをわかりやすく映像で説明してしまう薄い作り。

この『リローデッド』では、その傾向がさらに進んでいる。しかも映像や描写が過剰なため、とうとう笑いに転化するレベルにまで高まっているのだ。スミス百人組み手のシーンなど、あまりにメチャクチャでもう笑うしかない(余談だがあのシーン、スミスが別のスミスにからむところを探しながら見てしまった。投げ飛ばされたスミスによってちゃんと別のスミスが倒されたりしているのを見てほっとしつつ、そういうところを探したりほっとしたりするところがまた面白いと思った)。実際、その手の過剰なシーンが終わって少し静かになったとき、劇場のあちこちからくすくす笑いが聞こえてきていた。監督も、そういうところは笑うものとして作っているのではないかなー。

相変わらず話は単純で、登場人物の行動はすぐにわかりやすい目的や選択肢に還元されてしまう。それに肉体感覚の希薄さもそのままだ。同じ格闘シーンでも、物語上必要になった時にだけ痛みの描写があり、任意に血が流れる。

ということでこの映画は、過剰な映像を見て、それをネタとして楽しみたい向きによさそうだと思った。そこを割り切れば楽しめるし、完結編『レボリューションズ』も見に行くつもり。