【元記事:夜の記憶−99/08/05 (Thu.)−留守電応答メッセージの謎】
仕事で出張に出ることが多い友人にある日電話をしたところ、案の定留守電が出た。
「はい、×です。お電話ありがとうございます。×月の×日から×日まで」
と、ここまで聞いたところでツルリと受話器を落としてしまった。あわてて拾って続きを聞くと
「…に行っています。ご用の方は発信音のあとにお名前とご用件をお話しください」
一体どこに行っているのかわからずじまい。もう一度電話して応答メッセージを聞き直せばいいのだが、さすがにそこまでするのもナニだと思い、幸い戻ってくる日はわかったのでまあよしということにした。
後日その友人に会い、応答メッセージの話をしたところ
「ああ、あれは『出張に行っています』って吹き込んであったんだよ」
つまり、最初から行き先は吹き込まれていなかった。受話器を落とさなかったとしても、友人がどこに行っているのかはわからずじまいになる運命だったのだ。うっかり受話器を落としたおかげで、思わぬ葛藤とドラマを生んでしまったのだった。