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99/01/31 (Sun.)

元記事:ただ日記−99/01/31 (Sun.)】

昨日はとうとう日記を休んでしまった。それというのも『シビライゼーション2(Civilization II)』というシミュレーションゲームでずっと遊んでいたからなのだ。知人から譲ってもらった古いパソコンに入っていたゲームだから、知っている人にはなつかしいかもしれない。なにしろWindows 3.1上で動いているのだ。Windows 3.1(日本語版は1993年に発売)はWindows 95の前のバージョンのOS。古き良き時代の話である。
 さてこの『シビライゼーション2』、「文明」という意味のタイトルから大げさな気分になるかと思えばさにあらず、いくつかの条件(国の数、世界の広さなど)を決めるだけでゲームスタートすれば、マニュアルなしでもそれなりに勝手がわかるまま、紀元前2000年から期限となる紀元2020年まで、4000年に渡る文明開化がざんぎり頭を叩いた音なのだった。なんだそりゃ。
 どの国を選びますかと聞かれ、当然のように「日本」を選べばあなたは卑弥呼ですなんて言われちゃって、首都「京都」の周囲は当初暗黒におおわれていて、日本人が踏破した範囲だけが明るくなる寸法。なにしろ紀元前2000年、文字や車輪すら「科学者に研究」させて「発明」しなければならない時代なのだ。ほかの国…チンギス・ハーンの「モンゴル」、ジャンヌ・ダルクの「フランス」、ハンニバルの「カルタゴ」など、かなりめちゃくちゃな相手を向こうに回し、時には同盟を結んで技術を交換し、時には戦争をしながら文明を進歩させていく。都市が生産できるのは、各種の兵士、開拓者、探検家、キャラバンといった種類の人間、カノン砲ガレー船、戦車、駆逐艦、戦闘機、巡航ミサイルなどの兵器、兵舎、市場、図書館、上水道発電所証券取引所、SDI戦略システムといった施設など多岐にわたっており、開拓者(のちに「エンジニア」になる)を野原へやって都市を作らせ(京都の次は江戸、大阪、薩摩、出雲、横浜、松山、鹿児島…といった具合)、道路を引き線路を引き、潅漑を進め砦を築く。年を経るごとに動かすべきユニットの数が増え、1ターンにかかる時間が長くなっていく。最初の1000年はすぐに過ぎるが、最後の1000年は数時間かかる。歴史が進むほどゲーム時間の進みがゆっくりになっていく様子は、歴史の教科書がページを繰るほどに密度が上がっていくのと同じ時間感覚で面白い。
 文明の進歩にともなって政治形態の模索もあり、君主制、共和制、原理主義、民主主義に共産主義などの変化もある。その結果「市民革命です。卑弥呼は総理大臣になりました」とか「卑弥呼は同志を宣言しました」とか、卑弥呼も忙しい。あげくに紀元2000年になると「卑弥呼の任期が切れる2020年まで、あとわずかです!」と言われてしまう。実に4000年に渡って日本を支配する卑弥呼松本零士の「1000年女王」ならぬ「4000年女王」だ。すごすぎる。で2020年にいったんスコアが出て、希望すればそこからさらに続けることができる。16時間ほどプレイして今は紀元2040年。大阪の周辺は汚染が進み、札幌では航空母艦を建造中である。爆撃機が富山と長崎を往復し、京都ではマンハッタン計画がまだ推進中。薩摩ではアポロ計画も進んでいる。ゆくゆくは「未来技術」を獲得して宇宙船を作れるようになるらしいので、そこまでは進めるつもり。