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99/01/14 (Thu.)

元記事:ただ日記−99/01/14 (Thu.)】

しばらくごぶさただったSFが、突然目の前に現れた。
 毎週読んでいる『モーニング』に、不意打ちのごとくSFの読み切りが載ったのだ。幸村誠『ΠΛΑΝΗΤΕΣ(プラネテス)〜屑星の空〜』。近未来、衛星軌道でゴミ拾いをする男の話。物語に漂うセンチメンタリズムは、古き良き、そしてやや古くさいSFの空気を感じさせるものの、画力の高さ、特に影の描き方のうまさがきわだっていた。しっかりデッサンがとれているから、明るい部分の線を省略してもモノの形がくずれず、その裏側にある影を引き立てている。こういう絵柄はすごく好みで、ずっと見ていたくなるしもっとたくさんの絵を見たくなる。終わりのほうでは、すごくいいコマが2つもあって(さて、どれでしょう)満足満足。
 SFがぜーんぜん売れず(中身はSFなのに、SFと謳うと売れないので「ミステリー」にさせられている本がたくさんあるという)、星野之宣がSFから伝奇へ重心を移してしまった今、画力とSFマインドで読ませるマンガ家が登場したことはとても喜ばしい。次回作は春に、とのこと。楽しみが1つ増えた。