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きになる新刊『猛毒動物の百科 第3版』『宮武一貴デザイン集』『裁判官の爆笑お言葉集』

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『猛毒動物の百科 第3版』今泉忠明

猛毒動物の百科 (動物百科)

猛毒動物の百科 (動物百科)

ふだん生活しているぶんには、ほとんど使いどころがなさそう。でももしかすると、一生に一度くらい役に立つかも。そしてそれは、生きるか死ぬかを分ける重大な事件になるかもしれない。

この本を見ているだけで、そんな風に人の生死に向かって考えが進んでいって、脳がクラクラしてきて気持ちがいい。

宮武一貴デザイン集 Highly original works』

宮武一貴デザイン集―Highly original works

宮武一貴デザイン集―Highly original works

宮武一貴は、「スタジオぬえ」のメカデザイナーイラストレーター。ハインラインの『宇宙の戦士』(ISBN:4150102309)でデザインした「パワードスーツ」は、のちにモビルスーツのデザインにも影響を与えた。

この本は帯に「メカデザイナーとしての思考法を探る」とある。単なるイラスト集やデザイン画集ではなくて、彼のメカデザインの発想の源泉がわかるかも。

『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

日販MARCの内容紹介:

裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけと思っていたら大間違い。1件でも多く判決を出すことが評価される世界で、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。

つい先日の、栃木監禁リンチ殺人の控訴審で、「もしちゃんと警察が捜査していたとしても、被害者を救出できた確率は3割程度」と裁判長が述べたそうで、妙に具体的なところが印象に残っていた。

三軒茶屋駅で、口論から会社員を刺し殺してしまった人の裁判で、裁判長が「ところで被告は、さだまさしの『償い』という歌を知っているか」と説諭した話もあった(→「さだまさしの「償い」)。そんな雰囲気の話がたくさん紹介されている感じ?

裁判ネタの軽い本としては、傍聴ものがいくつか出ている。裁判所に見る人生模様。

裁判長! ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

裁判長! ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)

気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)

気分はもう、裁判長 (よりみちパン!セ)

霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記

霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記

『ここは懲役4年でどうすか』は傍聴本の定番。文庫になってます。『気分はもう』は、同じ北尾トロが中学生くらい向けに書いた「よりみちパン!セ」シリーズ。

裁判の傍聴をテーマにした本では、他人の人生をかいま見たありさまが、軽い文章で書かれることが多い。Amazonに載っている感想を読むと、そういう視点を不謹慎と感じる人もいるようだ。個人的にはそちらの人にも興味がある。

「怪奇大作戦セカンドファイル」4/2からBSハイビジョンで放送

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  • 公式サイト
    • ファイル1「ゼウスの銃爪」4月2日(月)22:00〜22:45(演出:清水崇
    • ファイル2「昭和幻燈小路」4月9日(月)22:00〜22:45(演出:北浦嗣巳)
    • ファイル3「人喰い樹」4月16日(月)22:00〜22:45(演出:中田秀夫

「科学の信奉者」牧史郎は「怪奇大作戦」を象徴する存在で、今回は西島秀俊が演じる。宮﨑あおいの「純情きらり」に出てきた東北なまりの絵描きさん…という紹介はちょっと偏っているか。旧版で、岸田森が演じる牧先輩はとてもよかった。

ただ「セカンドファイル」は、紹介番組を見たところではなんというか、ちょっと前にNHKハイビジョンでやっていた「生物彗星WoO」のような見栄えが感じられてやや不安。脚本が面白ければすっきり帳消しになる程度の不安だけれど、なんだろうこの感触は。

最近は特撮の技術が上がって、という以前に、わざわざ「特撮」と呼ぶことはもうなくなっているのだろうか。ともかく、「セカンドファイル」のCGはいかにも「はーいこれCGで〜す」という風合いで、好みではなかった。もっと手間(≒お金)をかければ品質を上げられるのだけれど、無理なのでそれなりなものになりました、というような事情とかがあるのだろうか。

現在は、がんばればCGなのかどうかすらわからない映像を作ることができる。そのことを初めて感じたのは、映画「トゥルー・ライズ」のクライマックスシーン。戦闘機を操縦するシュワちゃんを、少し引いたカメラでとらえたカットがあった。垂直に上昇しようとする戦闘機の前半分くらいが画面に入っていて、コクピットに座っているのはシュワちゃんだとはっきりわかるくらい。

シュワちゃんハリアーを操縦できるはずないから、これはCG(か、実物大の模型を使った特撮)なのだろう、でもあまりに自然で、ぜんぜんCGに見えない」

という恐るべき映像なのだった。(実は本当にシュワちゃんハリアーを操縦していたのを、普通に撮影したのだったらすいません)

こういうのに比べると、「セカンドファイル」のCGはちょっと見た限りでは、やっぱり「いかにもCG」すぎてやや興ざめしてしまう。

そう考えると、昔の「特撮」はモロ特撮とわかる品質だったけれど、そのぶん視聴者の「こう見せたいんだな」という「見立て」に寄りかかれる面もあったように思う。これは、人形劇にも通じるところがありそうだ。

なにはともあれ、放送が楽しみ楽しみ。

昔の「怪奇大作戦」の楽しみ方

4月30日〜5月3日には、新作の再放送とあわせ旧作セレクション(全14話)をBS2で一挙放送します。


怪奇大作戦 セカンドファイル

なんだって〜!

旧作の「怪奇大作戦」は、1968年から1969年にかけて放送された。当時は視聴率がとても高かったそうだ。でも、今見てもものすごく面白い傑作揃いかというと…話によってはちょっと(けっこう)厳しい感もあったりして。これは今TOKYO MXで放送されている「ウルトラセブン」を見ていても感じる。

当時の特撮や風俗を今見ることの面白さを感じたい人には、ぜひ全話どうぞとおすすめしたい。

たとえば、画面上に出てくる街並みや車、ファッションなどが時代を感じさせて楽しい。また「怪奇大作戦」はなぜか景勝地でのロケが多く、当時のレジャーのありさまを伺える。

そのほか、こんなセリフがあるのも面白いと思った。

「最近はプライバシーもうるさいからな」
「プライバシー」という概念や言葉は、1960年代の終わりにもうドラマに出てくるくらい一般的だったのか。(その後「NHKアーカイブス」を見ていたら、「プライバシー」が昭和36年(1961年)の流行語として紹介されていた)
「ちくしょう、霧が出てきやがった」
そういえばいつごろからか、都心に霧が出ることはなくなった。

こういうのがときどき出てくるだけでも楽しめる人、「怪奇大作戦」はやっぱり一度見ておきたいというモチベーションがあるという人はどの回もなかなか興味深く見られるだろう。そうでない人は、無理して全話見ることはないかも。正直いって。

でも下の回はそんな中で、どんな人にもおすすめしたい。

怪奇大作戦」の好きな話

第1話「壁ぬけ男」
究極超人あ〜る」の「キングアラジンのまねっ!」元ネタが登場。でもあの姿勢を取る理由は結局不明。初めて見たときは「怪奇大作戦」のネームバリューに期待しすぎたせいか、けっこうがっかりしてしまった。
第4話「恐怖の電話」
2話、3話と見てけっこう微妙なのでウームと考え込んでいたのが、この回で大復活。実相寺昭雄監督+佐々木守脚本の黄金コンビ。ウルトラマンのフジ隊員こと桜井浩子が出演。無響室や電話交換所のシーンなど、絵作りがとっても面白い傑作です。
第7話「青い血の女」
ものすごく怖くて、当時の子供にトラウマを植え付けたらしい。こないだ唐沢なをきが「電脳なをさん」でネタにしてました。
第23話「呪いの壷」
実相寺昭雄が監督。でも脚本が石堂淑朗佐々木守ではないせいか、お話はわりと普通。京都が舞台で、25話と一緒に撮影したんだと思う。
第25話「京都買います」
これが「怪奇大作戦」全話中一番のおすすめで、世間的にも傑作と言われている回。これも実相寺昭雄佐々木守。詳しくは下の「実相寺昭雄監督死去」(d:id:Imamura:20061130:jissouji)で紹介してます。こないだ唐沢なをきが「電脳なをさん」でネタにしてました。
第26話「ゆきおんな」
平原での雪女の演出がとても面白いです。オチも「怪奇大作戦」の中ではほどほどによくまとまってました。

あとは24話の「狂鬼人間」をうっかり放送してくれたらいいんですけどね。そのあたりの事情は以下にあるそうです(未読)。

封印作品の謎

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