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キーボードのイベント「天キー8」でほめられた

キーボードを持ち寄ってみんなでわいわいするイベント「天下一キーボードわいわい会 vol.8」に行ってきた。


オープニングで「天キーに初めて来た人」という質問があり、予想外にたくさんの手が挙がった。4割くらいが初参加だったのではないだろうか。新しい人がたくさん来るのはいいことだ。

今回は自分のキーボードを持ち込んだ。前々回の天キー6で展示したのと同じキーボードではあるけれど、キースイッチやキーキャップを置き換えたしアクリルの枠やデコレーションプレートも取り付けた。テセウスの船のごとく大幅に変化したので見てもらいたいという気持ち。


前々回の展示の様子

説明シートのキースイッチ名には「静音タクタイル」や「静音リニア」という補足をつけてある。初心者の人はキースイッチの名前だけ見てもどういう素性かわからないだろうという考えで、初参加の人が多かったからこれはよかったと思う。一方で、「ポイント」はある程度長い方がいいかなあと思ってこのくらいにしたけれど、会場に置いてみるとちょっと長すぎた。あとQRコードはもう少し大きくてもよかったかも。QRコードの行き先は、いつもの「自作キーボードがひとまず完成してしまったがここからが沼」。

自分のキーボードを少し離れて見ていると、触ってくれる人がちらほらいる。声をかけるタイミングが難しい。ある程度の時間そこに止まっている人や写真を撮ってくれた人に対しては「作者です」と話しかけてみた。なるべく怪しくない雰囲気で。

ある人はキーボードを設計中で、ベゼル(枠)をなるべく小さくし、USBコネクタは後ろの中央に置きたいと考えているという。それはPro MicroよりRP2040ですよねみたいな話をした。algさんのTeihai70Hを紹介したけれど、ゴリラボさんのTinyDash-ChocRiemann v2の話をし忘れた。

今日が初参加の人からは、自分でキーボードを設計し基板を発注することについて質問された。サリチル酸さんの同人誌GL516デザインガイドをよーく読んで、疑問があったらDiscordでという話をしたけれど、Auto-KDKの話をし忘れた。Auto-KDKはキーボードのレイアウトを作ると、基板の配線やケースの3Dデータ作成を自動でやってくれる優れもの。

ほかにもいろいろな人と話ができた。トラックボールAZ1UBALL)がいいですね、全体のカラーリングがよくまとまっている、コンパクトでよい、よいので販売しては、あれこれほめられた。嬉しい。ほかのとがったキーボードと比べると普通のデザインで地味だけど、持ってきてよかった。

会場で見かけたキーボード

ごく一部をご紹介。

禊 v2」というキーボードに立方体のキーキャップを載せたもの。すごい存在感。

Yamatake氏が製作した「Fullgraphic Corne V4 mini」。スイッチプレートとキーキャップに施したUV印刷がお互いつながっていて、模様に立体的な連続性がある。

なかがわさい氏のSYNC24。「見ためがよい。おいしそう」。キーキャップがおいしそうなだけでなくキースイッチはショートストローク化され、キーを1ミリほど押すだけで入力されるようになっている。

ちゅうい氏の垂直テンティングさせたKeyball39。このようにすると手を机に置いたときに手首をひねる必要がなく、自然な姿勢でキー入力できる。ただしキーは見えなくなるので、キー配列を完全に覚えている上級者向けという印象。使い心地などを聞けばよかった。

テントさせた(斜めに持ち上げた)キーボードをちょくちょく見かけた中、これはテンティングでできた空間をペン立てにしたアイデアもの。製作者は「ゆ」氏、キーボードはroBa

段々畑氏が製作した、シャケの切り身キーボードとおにぎりキーボード。切り身のキーボードは3Dプリンタ用に赤のフィラメントを買ったところ「これは赤じゃなくてシャケの色だ」ということで作ったそう。キーキャップをよく見ると、タルタルソースに漬かったエビフライもある。どちらもBlenderモデリングしたとのこと。今回はこういうネタ系のキーボードが少ないと感じた。

きんちゃん氏のアルチザンキーキャップコレクション。自作キーボードにはこういう楽しみ方もある。

アルチザンキーキャップをもう一つ。ふじっこ氏が製作したステンドグラスのキーキャップ。ふじっこ氏はこれのほかにもいろいろなキーキャップだけでなく、ロータリーエンコーダ用のノブなども展示していた。

会場で撮影された写真のまとめ

Xなどで見つけられたものを。

まとめ

持参したキーボードを見てもらえたのはとてもいい経験になった。ただこのキーボード、トラックボールまわりの動作が不完全だったり問題があったりして堂々と販売できるレベルではない。QMK Firmwareのバージョンは作った当時から上がっているから、最新版で書き直してみたら不具合が解消しないだろうか。とか思いつつ、トラックボール以外はちゃんと機能しているのでつい作業を後回しにしてきてしまった。しかし今回の天キーでモチベーションが上がった。トラックボールがきちんと動作するよう、なるべく早くなんとかしたい。

『セガ 体感ゲームの時代 1985-1990』の勝手な正誤表

セガ 体感ゲームの時代 1985-1990』第1刷(2025年4月30日発行)の勝手な正誤表

14ページ10行目
数百ヵ所ヵ所→数百ヵ所
28ページ4行目
クレーゲーム→クレーンゲーム
59ページ※1
プログラミング言語で、汎用性の高いプログラミング言語。→汎用性の高いプログラミング言語
87ページ13行目
松模様→市松模様
110ページ1行目
行頭の2字サゲを1字サゲに
119ページ最終行
行頭の2字サゲを1字サゲに
144ページ※1
小玉恵理子 鈴木裕→小玉恵理子鈴木裕
155ページキャプション
[当時]以下全員)→[当時]以下全員)
206ページ後ろから2行目
→最後
222ページ後ろから4行目
行頭の2字サゲを1字サゲに
223ページ1行目
行頭の2字サゲを1字サゲに
226ページ後ろから3行目
→基板
231ページ8行目
裏手→裏手

勝手に正誤表を作る意図について

自作したキーボードのキーキャップを交換する

これが
こうなった

自作したキーボードはキーキャップも自分で調達している。つまり別のキーキャップに交換してもよい。今まで使っていたキーキャップは製作当時Amazonで安かったロープロファイルのキーキャップで、選択肢がほとんどなかった。

これはこれで悪くないのだけど、ほかの人のキーボードとキーキャップがかぶることが多い。模様替えしたいなと考えていたら先日、同じキーキャップメーカーの直販でBOGO(Buy One Get One=1つ買うと1つもらえる)の企画があったのでつい2つ買ってしまった。

今回はNormcoreに交換することにした。

交換中の様子

交換するキーキャップを全部外して、スイッチプレートにたまったほこりを掃除した。キーキャップだけを外そうとしても一緒にキースイッチが外れることがある。キースイッチからキーキャップを外そうとしてウーンとやったら、外れた拍子にキースイッチのピンが指に刺さって血が出たりした。

右下のカーソルキーはキーケット2025で買ってきたLofree Hades(ロープロファイルの静音リニア)にしてある。ほかの部分のKailh Deep Sea Silent Whaleは静音タクタイル。リニアとタクタイルで感触は違うのだが、カーソルキーを押すときは指が必ずホームポジションから外れるせいか、それぞれで大きな違いは感じない。

あと中央手前の親指部分の2キーはほかと同じ45グラムだと軽く感じるので、少し重めの静音キースイッチに交換したい。

キーキャップの交換が終わった。中身は同じでもキーキャップが白基調に変化したキーボードは新鮮だ。さっそくパソコンにつないでタイピングしてみた。キートップにざらざらがあるのを感じる。同じシリーズのキーキャップだから、前のキーキャップにもこのざらざらがあったかもしれない。それが数か月でつるつるになってしまったのだろうか。

そして気がついた。「V」のキーが入力されない。なんで? キースイッチを隣と入れ替えても同じ位置のキーが反応しない。これはキースイッチが悪いのではなく、スイッチソケットの接続不良ですね。今までたまたま大丈夫だったのが、キースイッチの交換で問題が顕在化したようだ。

ボトムプレートやアクリルの枠を取り外し、メイン基板を見てみた。

なるほど、SW23の「23」の刻印の上は予備はんだだけしてあってちゃんとはんだ付けしていない。ここにはんだを流し込んだ。ほかのソケットが同じことになっていないかよく探して、いくつかのソケットは同じようにはんだ付けし直した。

これでよし。今度は「V」キーもちゃんと入力された。

作った当初の見た目はこれで
次がこれで
今回こうなった

メイン基板やプレート類は同じまま、キースイッチやキーキャップを交換したりアクリルの枠をつけたりして変化している。楽しい。もう1つ買ったキーキャップはまた気分を変えたくなったら交換しよう。

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生成AIに文書のブラッシュアップをお願いした

ちょっとした文書を作って、ほかに書いておくことはないかなと考える段階になった。そこで思いついたのがAIの利用である。無料で使える対話型の生成AIはたとえば以下がある。(本記事執筆時の情報です)

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文書をGoogleドキュメントからコピー・ペーストして質問もできるが、その場合どこが見出しかや見出しの階層が生成AIに伝わらない。面倒でも「ダウンロード」したファイルを使う。

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(ブログの記事も同じようにブラッシュアップできるかもしれないが、やりすぎると自分が書いた記事と思えなくなってきそう)

新型コロナウイルスの推定患者数のグラフ作りはいったんお休み

モデルナからの情報をもとに、東京都における新型コロナウイルスの推定患者数の7日間平均とその前週比をグラフにして毎日ツイートしていたが、これを今日でいったん休止すると決めた。

理由はこういうツイートを見たから。

新型コロナウイルス感染症になっても病院に行かない人が増えた結果、医療機関からの感染者の報告数は実際の感染の広がりを反映していないのではないかという話である。下水サーベイランスは医療機関のフィルタがないため、より正確に実態を伝えていると考えられる。上のグラフだと夏と2月ごろに出るピークは、下水サーベイランスでは今でも前年と同じくらいまで高くなることがわかる。一方医療機関からの情報をもとにしたグラフはだんだんピークが低くなってきている。このグラフの出典は以下。

これだとモデルナの推定患者数情報も感染状況を正確に伝えていないように思えて、毎日のグラフの投稿はやめることにしたのだった。代わりになる情報源を探したが、東京都の下水サーベイランスの結果を毎日出しているところはないようだった。

新型コロナウイルスの感染者数の推移が気になって、毎日自分でグラフを作り始めたのは2021年4月22日。NHKが記事にグラフを載せなくなったので自分で作ることにしたのがきっかけだった。

2年後の2023年5月、新型コロナウイルス感染症が5類になったのをきっかけに都からの情報提供は終わった。グラフ作りも少しの間やめていたが、6月27日にはモデルナの情報を利用する形で再開している。これが現行のグラフで2年弱続いた。

(上のツイートはなぜかポストの埋め込みコードを取得できなかった)

グラフの画像ははてなフォトライフの「COVID-19」フォルダに上げてあり、いま数えたら1,400枚以上あった。4年間よく続いたものだ。

下水サーベイランスのグラフを見ると新型コロナウイルスは全然終わっていないことがわかる。ワクチン接種は今は1万円以上するから集団免疫にも期待できない。運悪く感染したら後遺症が恐すぎる。マスクをして手をよく洗う日々はずっと続くのだろう。

キーケットへ行ってきた

22日(土)にキーボードマーケットトーキョー、略してキーケットへ行ってきた。キーボードに関する即売会である。

自分が常用するキーボードはすでに自作し完成しているが、新しいものや面白いものを探す感覚で。


電磁石でキーの重さを変えられる「MagLev Switch Force Feedback」


一般に市販されているキースイッチでは、キーを押すときの重さは主にキースイッチ内のばねの強さで決まる。ばねを交換すればキーの重さを変えることもできる。「famichu」はばねの代わりに磁石を仕込んだキースイッチ「MagLev Switch」を作っている。磁石の反発力でキーを浮かせていて、それがキーを押すときの重みにもなるしくみ。

「MagLev Switch Force Feedback」は電磁石を用い、キーの重みを可変にしたもの。触ってみると、確かに設定によってキーの重さが大きく変化して面白い。システム全体がこのサイズになっているのは電磁石の冷却に必要だからで、これを普通のキーボードに組み上げる場合、うまく冷やすしくみが必要とのことだった。

電磁石なので電源を切るとキーの軸が下にストンと落ち、電源を入れるとスコンと持ち上がるのがいいギミックだった。これがキーボードだったら朝電源を入れると「ザッ」と全キーが持ち上がることになる。考えるだけでかっこいい。

PLAフィラメントの廃材をキーキャップに再生するプロジェクト


FDM方式の3Dプリンタを使っていると、フィラメントの端材がよく出てくる。通常捨てるしかないが、ysklabではキーキャップへの再生に利用している。

PLA素材の不要なフィラメントを集めて溶かし、アルミ製の型に押し込む。キーキャップの軸は精度が必要なので0.2ミリのノズルを装着した3Dプリンタで別に出力しておき、型に押し込むときに接着させる方式となっている。「アップサイクルキーキャップ」と名付けたとのこと。

アルミの型の切削は、プリント基板を製造するJLCPCBの姉妹サイト、JLC3DPで行った。3Dモデリングしたデータをアップロードして素材を選べば加工して送ってくれる。プリント基板や3Dプリントだけでなく金属加工のサービスも一般的になってきて、アイデアを実現するハードルが下がっているのだな。

アルチザンキーキャップのミクロな宇宙

キーキャップをキャンバスにして造形を行う文化がある。そうやって作られた凝った造形のキーキャップは「アルチザンキーキャップ」と呼ばれる。キーケットではキーボードだけでなくアルチザンキーキャップもたくさん販売されていた。ミニチュアものを2つ紹介。


Foodie&Keyは主に食品サンプルを小さなキーキャップの上に展開している。二郎風のラーメン、カセットコンロつきのおでん、ハンバーガー、たこ焼きなど。どれもキースイッチの台座がついており押し込むことができる。もちろん自分のキーボードの特別な場所に飾ってもよい。緻密な仕上がりで見ていて飽きない。


こちらは「しゃちの水槽」が出展していた多肉植物のキーキャップ(上段)。3Dプリントした植木鉢のキースイッチ台もついてきて、キーボードに装着しなくてもスコスコ押せる。造形がとても細かい。下段は金魚が泳ぐ池。

買ったもの

「狭ピッチキーボード」とはキースイッチを通常より狭い間隔で並べたキーボードである。キーキャップもそれに合わせて少し小さいものを使う。狭ピッチだと指が遠くのキーまで届きやすい。「狭ピッチ」の読み方は「せまピッチ」? 「きょうピッチ」? と@takashicompany氏に聞いてみたところ、「自分は『せまピッチ』と呼んでいるけれど『きょうピッチ』でも全然構わない」とのことだった。

買ったのは「Rookey」という9キーのマクロパッド。これは狭ピッチではない。基板1枚を切り離してスイッチプレートとメイン基板、スペーサーにするアイデアがよい。10センチ角のプリント基板はとても安く製造できるので、それをうまく利用している。

https://github.com/takashicompany/rookey/raw/master/images/daihuku/DSC01480_2.jpg

それからこちらも。

企業スポンサーのブースのうち「Lofree」ではお高いキースイッチが割引で買えるとのことで、11時すぎに来たときは購入希望の長い行列ができていた。「最後尾」の札も使われていた。

午後、行列がなくなってから「Hades」を4個買った。冥王の名がつけられた静音リニアのキースイッチである。自分のキーボードのカーソルキーをこれにするつもり。

追記:次回のキーケットは?

次回のキーケットは2026年3月28日に都立産業貿易センター浜松町館(今回までとは別の会場)で開催されるそうです。

ルンバのバッテリーを交換

ルンバが掃除を始めても40分くらいでバッテリーが切れて止まってしまう。これはバッテリーの寿命ですね。交換用バッテリーを買うことにした。

Amazonを検索すると互換バッテリーがいろいろ出てくる。しかし☆1つのレビューを読むとわりとすぐダメになった的な話が並んでいる。怪しいバッテリーは外れを引くと火を噴いたりして恐いので純正品で。リチウムイオンタイプはちょっと割高だけれど、ニッケル水素タイプより寿命が長いそうだ。

バッテリーの交換方法の説明は公式の動画がある。2つのねじをゆるめてパネルを外したらバッテリーを入れ替える。

前回バッテリーを交換したのはいつだっけ。調べてみたが買った記録は見つけられなかった。今使っているルンバ890を買ったのは2018年11月。ひょっとして今回が初めてのバッテリー交換で、今までのバッテリーは6年間ももったのかも。だとしたらすごいな。交換前のバッテリーもリチウムイオンタイプだった。次のバッテリー交換は2031年になるのだろうか。

新しいバッテリーには今日の日付を書いておいた。