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観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」実験概要説明記者会見

日時

  • 2019年4月12日(金)10:30~

場所

  • 大樹町宇宙交流センター SORA(大樹町多目的航空公園内)

中継録画

  • 【放送予定】4月12日10:30~観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」実験概要説明記者会見 | NVS-ネコビデオ ビジュアル ソリューションズ-(http://blog.nvs-live.com/?eid=574

(中継は冒頭途切れ)

「宇宙品質にシフト MOMO3号機」概要


(稲川氏から)

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日本においては宇宙へ到達するロケットはすべて国主導だった。民間ではISTが初。
2011年から13回打ち上げ実験。
MOMO初号機は2017年7月30日打ち上げ。部分的成功。離床後66秒で通信途絶。MaxQで機体が破損し到達高度20キロ程度と推定。

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初号機から2号機への変更点

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  • 窒素タンクがバルブ駆動用の1本のみになった
  • エタノールと液体酸素のタンク間部の構造が改良され強度が向上した
  • ペイロードとして高知工科大学のインフラサウンド(超低周波音)計測器を搭載、大気上層部の音響観測を行う
  • 尾翼の構造を見直し強度が向上した
  • ロール制御用ガスジェットの性能向上のため、コールド窒素ガスから液体酸素とエタノールの燃焼ガスによるガスジェネレータに変更
  • ロール制御用ガスジェットは可動ノズルによって偏向させる方式を採用。噴流が尾翼に干渉することを避けるため、機種近くから尾翼下へ移動した
参考記事
ISTの「MOMO2号機」の改良点は? - 再挑戦に向けたイベントが開催 (1) MOMO2号機ではどこが改良されたのか? | マイナビニュース(https://news.mynavi.jp/article/20180202-579709/

2号機は2018年打ち上げ、失敗。原因究明は完了済み。

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  • 新規要素の姿勢制御用スラスタ燃焼器が設定範囲外で動作
  • 姿勢制御用ガス温度が設計値を大幅に上回り、配管が溶融
  • 漏れた高温ガスがバルブ駆動系配管を焼損しエンジン停止

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地上でも再現試験し不具合を確認。

「宇宙品質にシフト MOMO3号機」概要

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「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の基本的なところは従来と変わらない。乾燥重量がやや増えている。

  • 推進方式:液体燃料ロケット
  • エンジンサイクル:ガス圧送式
  • 推進剤:エタノール/液体酸素
  • 加圧ガス:ヘリウム
  • 推力:12kN(1.2トン)
  • 全備重量:1,150キログラム
  • ドライ重量:330キログラム
  • 機体全長:9.9メートル
  • 機体直径:500ミリメートル
  • 目標到達高度:100キロメートル

打ち上げから120秒間エンジン燃焼、おおむねマッハ4へ加速し高度40キロへ到達。そこから慣性飛行し、打ち上げ後240秒で高度100キロへ到達。燃焼終了から120秒間フリーフライト、微小重力状態。
打ち上げ後400秒程度で着水。水平飛行距離は約50キロメートル。

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「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の変更点

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  1. 推進剤タンクからエンジン/姿勢制御用スラスタへの燃料供給配管を変更
    • 従来はエンジンへ燃料を供給する配管を途中で分岐させスラスタへ燃料供給していた。これを推進剤タンクから直接スラスタへ燃料供給する配管とした
  2. 姿勢制御用スラスタ燃焼器の噴射器の設計変更
  3. エタノールメインバルブ変更
  4. スポンサー
  5. ペイロード

縦噴き燃焼実験を合計4回行った。機体を地上に縦向きに固定し、うち1回は実際の燃焼時間と同じ120秒間燃焼。

機体スポンサー

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  1. ネーミングライツ命名権
    • 実業家丹下大氏(株式会社SHIFT社長)によって「宇宙品質にシフト MOMO3号機」と命名。機体に「宇宙へシフト!宇宙品質」と掲載。
  2. ロケット機体への広告デザイン

ペイロード

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吉田茂司氏(GROSEBAL代表取締役)コメント
「相模原名物料理グランプリ」「相模原お店大賞グランプリ」に輝いた逸品はグリルフクヨシ相模原本店のオーナーシェフ住村哲央氏が考案した。開発の目的は「とろけるハンバーグ」を通じて相模原の名を全国に知ってもらい、相模原市民の誇りになるように。その想いは多くの方々に伝播し、楽天デリバリーランキング2017年度上半期お弁当部門1位など多くのアワードを受賞し、今では全国で75店舗、海外1店舗で愛されております。これからも宇宙の街、相模原の誇りとして輝ける星になれるように共に宇宙へと飛び立ちます。

クラウドファンディング

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  • 出資者1,173名
  • 支援総額1,981万円
ISTがいただいているご支援の仕組み

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各プロジェクト
プロジェクト横断

打ち上げ実験日時

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  • 4月30日(火)11:15~12:30
プレスリリース
観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の打上げ実験実施について | インターステラテクノロジズ株式会社 – Interstellar Technologies Inc.(http://www.istellartech.com/archives/1856
予備日程

打ち上げウィンドウ:朝05:00~08:00/昼11:15~12:30/夕16:00~17:20

  • 4月30日:昼、夕
  • 5月1日:夕
  • 5月2日~5月5日:朝、昼、夕

※気象条件、打ち上げ準備状況、その他複合的要因により、打ち上げ実験を予備日以降に延期する可能性があります

IST公式打ち上げ見学イベント会場

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  1. SKY-HILLS:唯一、射点が直接見える会場(有料)4月30日~5月1日
  2. パブリックビューイング会場:大樹町多目的航空公園滑走路(無料)4月30日~5月1日
    • イベント名:スペースフェスタ(主催:宇宙のまちづくり推進事業実行委員会)詳細は後日、大樹町役場Webサイトにて

打ち上げ当日の取材について(メディア向け)

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質疑応答

■:今回の打ち上げへの意気込みを

稲川:2号機の打ち上げで悔しい思いをし残念に感じているところ。バグ出し、悪かったところの改良を徹底。原因究明は外部の有識者にも依頼。縦噴き燃焼試験は実際の打ち上げに相当するくらいの大変な試験。これをこなせたことで自信がついた。
ロケットは難しいと2号機までで感じているところ。油断なくしっかりいきたい。

■:平成が終わる4月30日に打ち上げ日程を組んだ理由はあるのか

稲川:(苦笑)特にない。我々は我々のタイミングで技術開発をし、可能な限り最速で行う。

(以上)