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小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(2018/10/11)

小惑星探査機「はやぶさ2」は、引き続き小惑星Ryugu(リュウグウ)の観測活動を実施しています。 今回の説明会では「はやぶさ2」の現在の状況、「はやぶさ2」搭載の小型着陸機MASCOT分離運用の結果、タッチダウンに向けたリハーサルなどについて説明を行う予定です。

小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(18/10/11) | ファン!ファン!JAXA!

日時

  • 2018年10月11日(木)15:30~16:30

登壇者

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(image credit:JAXA

JAXA宇宙科学研究所はやぶさ2」プロジェクトチーム

※左から久保田氏、津田氏、吉川氏

中継録画

配付資料とリンク

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本日の内容

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目次

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はやぶさ2」概要

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ミッションの流れ概要

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1.プロジェクトの現状と全体スケジュール

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(吉川氏から)

2.MASCOT分離運用

運用概要

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MASCOT分離運用シーケンス

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ONC-W2によるMASCOTの撮影

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ONC-W1によるMASCOTの撮影

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MASCOT本体の写真、白い点があり周囲が黒くなっている。MASCOTの底面の白いアンテナが光っているものと推測。こういう写真が何枚か撮れておりリュウグウ表面近くでの動きを確認したことになる。

MASCOTのカメラ(MASCAM)による撮影

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リュウグウ表面での写真はたくさん撮れていて、いまMASCOTチームが解析しているところ。

MASCOT着地点

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欧州での反応

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12日にMASCOTの最初の成果報告になる記者会見が予定されている。

3.タッチダウンに向けたリハーサルとタッチダウンの方針

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(津田氏から)

10月後半に着陸を目指すとしていたが、リュウグウの状況がよくわかってきたことと、はやぶさ2の実力をもう少し知る必要があるため立ち止まろうと思う。その決断に至った経緯、なにを判断したかを説明する。

はやぶさ2の運用は今のところ非常に順調。6回の降下運用のうち中断したのはリハーサル1のみで、そのほかは計画通り進んでいる。中断したリハーサル1についてもうまくいかなかった部分を克服しMINERVA-II1やMASCOTを運用している。

今後のスケジュール。当初は10月末にタッチダウンをやれればやろうと想定していたが、タッチダウンではなく「TD1-R3」というリハーサル運用に変更する。

「TD1-R1-A」は2回目のタッチダウンリハーサル。「TD1-R2」と呼んでもいいが、すでにその名前で計画されていたリハーサル内容から変更したためTD1-R2は欠番とする。TD1-R1-AはTD1-R1と同じことをする。その結果をふまえてTD1-R3を行う。

合運用ははやぶさ2と通信できない期間。リュウグウと太陽、地球の位置関係から決まるため動かせない。この期間にタッチダウン運用の計画を立てる。

最初のタッチダウンはどんなに早くても来年1月以降になる。

タッチダウンに向けた基本方針

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ローバーを分離するとか重力を計測する裏では、小惑星の表面に肉薄するための航法誘導技術をここまでは順当に磨いてきたということ。

現時点で得られている結果・情報(1)

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実績軌道を図示したもの。はやぶさ2の降下方式はリュウグウの側面、赤道に下りるのが高精度。しかし赤道上空でMINERVA-II1やMASCOTを下ろしてしまうと、はやぶさ2自身が下りる場所がなくなってしまう。そのために途中で軌道を曲げ、北半球や南半球の高緯度地域で分離した。

タッチダウンでは赤道上空へまっすぐ下りていく。

精度は10メートル程度。リュウグウに到着する前に考えていたよりは精度が出ている。着陸するには高度0メートルまで行く。高度50メートルから0メートルに行く時、今まで得られている精度をどこまで維持できるかを見極めたい。そのためにリハーサルを積む必要がある。

現時点で得られている結果・情報(2)

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スケジュールを遅らせる一番の原因はリュウグウの地形。難しいのは、表面のでこぼこが全域にわたって一様に広がっているということ。
現時点でボルダーの分布は50センチサイズまで把握している。

近づいてみると案外すべすべなのではという期待もなくはなかったが、そう簡単ではなかった。下りてみるとでこぼこが厳しいと判明。

L07、L08、M04はともに100メートル四方。はやぶさ2の着陸精度は当初100メートルとしていた。それぞれの領域の真ん中を狙えばその中のどこかに下りられるということだったがリュウグウに対してそれでは歯が立たない。

100メートル四方にわたって平坦な場所はないが、ある広さで平坦な場所はある。そこに向かって着陸できる精度を実現しなければならない。そういう見方でリュウグウを見直さなければならない。

着陸の可能性ではL07、L08、M04が相対的によいということはわかっている。この2か月ほど、この中のどこだったら下りられるか検討してきた。

現時点で得られている結果・情報(3)

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探査機そのもののデータではなく3機のローバからのデータも着陸点の選定に役立てる。ローバのチームも含めた国際的な総力戦でやろうとしている。

タッチダウンに向けて300名ほどの科学者で解析を進めている。MASCOTチームからも着陸に役立つデータはいち早くいただいている。

画像からわかるのは、「地面そのものが大小さまざまな岩の集合」ということ。

タッチダウン前に確認すべきこと

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これはリュウグウを攻めるためになにが足りないかの3点。

高度50メートルまでは当初見込みまでより高い精度で下りられるとわかった。この技術をフルに生かしていく。

小惑星の温度環境は技術的に想定した最悪ケースよりだいぶ低いとわかってきた。リュウグウの軌道は楕円形で、これから太陽に近づき温度が上がっていく。それでも思ったより温度が上がらない。そのため、1年半のリュウグウ滞在の中でタッチダウンに挑戦できるのは5月くらいまでと思っていたが、今は6月末まで可能であると考えている。

LRF(レーザーレンジファインダー)の性能は、このあとTD1-R1-Aで25メートルくらいまで下りて初めてわかる。LRFは低高度での高度計測を担うもの。高度30~40メートルから下でないと計測できない。

ターゲットマーカーはタッチダウン本番でのみ使う予定だったが、次の次のリハーサル(TD1-R3)で落としてみようと思う。はやぶさ2がターゲットマーカーをきちんと認識するかテストする。リハーサルでは5個あるターゲットマーカーのうち1個を落としてみる予定。

状況が許せば「ピンポイントタッチダウン」の技術を投入することも考える。

TD1-R1-AとTD1-R3で行うこと

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TD1-R3でこれらを行うかどうかは、TD1-R1-Aの結果をふまえて決定する。

タッチダウン候補地点:L08-B

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TD1-R1-Aで目指す模擬着陸点。L08の中でできるだけ平坦な場所、L08-Bを目指す。ここに実際に下りられるか、下りられてより高精細な画像を得られたら実際の着陸点としてよいかどうか確認する。

TD1-R3でもここを目指す。

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MASCOT運用の時撮影したL08-Bエリアの写真。

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全ページと同じ画像を拡大したもの。直径20メートルという当初予定より狭い領域内に着陸できるかどうかはこれから見極めていく。

TD1-R1-Aのスケジュール

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4.今後の予定

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(久保田氏から説明)

参考資料

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MASCOT

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ピンポイントタッチダウン

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合運用

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質疑応答

読売新聞とみやま:タッチダウンスケジュールの変更で地球への帰還時期は変わるのか

津田:帰還は変えません。2019年末にリュウグウを出発し2020年末に地球に帰還するのは変わらない。滞在期間中のスケジュールを組み替えるということ。

とみやま:今後2回のリハーサルのあと合期間の前、11月の上旬や中旬にタッチダウンはできないのか

津田:ちょっと立ち止まって長考する期間が必要と判断した。リハーサルの首尾がよくても同じようにすれば着陸できるというわけではなく、今後2回のリハーサルの結果を評価して行いたい。リハーサルの結果タッチダウン前にもう一度とか二度リハーサルをするかもしれない。そういうことを考える時間が欲しい。

とみやま:今後必要なことについて。今の10メートルの精度を維持できれば大丈夫なのか

津田:高度50メートルより下の航法誘導は地表面のでこぼこをLRFで計測しながらなので地形に大きく影響を受ける。50メートル以下でも現在の10メートルという精度を得られるかどうかや、LRFが性能を発揮するかはやってみなければわからない。

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落としたターゲットマーカーをはやぶさ2が認識するかも落としてみないとわからない。そういうわからないところをなくしてから本番に臨みたい。

とみやま:TD1-R1-Aは何メートルまで下ろすのか

津田:25メートル程度と思っている。表面の凹凸によっては5メートル前後の差が出る。

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とみやま:そこまで下ろさないと「タッチダウン前に確認すべきこと」の3点はわからない?

津田:はい。

時事通信かんだ:23ページの図で、L08-BはL08の領域の中心から20~30メートル北という感じ?

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津田:緑の四角がだいたい100メートル四方。L08-Bは中心から40メートルほど北。

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かんだ:L08-Bの選定理由は

津田:18ページ右端のカラフルな図。青が安全、赤系統になるほど危険。サンプラーホーンの長さ70センチ、太陽電池パネルの大きさ(5メートルくらいのスパン)を勘案して下りられる場所を評価したもの。右上の青いところをL08-Bとした。
BのほかにAなどもあり、いくつか候補があった中でL08-Bを選択した。

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NHKすずき:スケジュール変更に至った当初の予想との一番大きな違いは

津田:地形。一様に凹凸が激しい。イトカワを含め既知の小惑星には必ず平坦な地形がどこかにあった。小惑星とはそういうものと思っていた。リュウグウは徹底的にデコボコしていて平坦な場所がひとつもない。探査機を着陸させるには意地悪きわまりない。そこが一番意外だった。

すずき:ピンポイントタッチダウンでなくてもいける?

津田:技術的にはピンポイントタッチダウンをしてみたいと思い盛り込んだ機能だが、そこまでしなければならないか、ほかの方法はないかを考えたい。このあとのリハーサルの結果によっては、まったく別の着陸方式のアイデアが出てくるかもしれない。そこも含めてピンポイントタッチダウンは現在のところ一案にすぎない。

すずき:インパクターで平らにするのは

津田:それは最後の奥の手としてあるかもしれないが…(笑い)。なにかぶつけたら平らになる地形とはあまり思えない。そこに期待するのは楽観的。

すずき:スケジュールについて

津田:ターゲットマーカーはリハーサルで1個だけ落とすと決めた。その後は未定。着陸回数を減らすことは考えていない。与えられたスケジュールの中でやれることをやりたい。本番の着陸がいつできるかによるが、はやぶさ2は少なくともサンプルを1回取って帰ってくるのが最低限の至上命題。そこを押さえてから次のことを考えたい。

ライターあらふね:長考の時間でどういうことをするのか

津田:まずはTD1-R3が終わったあと、どのくらいの精度で下りることができたのか、LRFやターゲットマーカーの結果を評価する。結果が期待通り、また期待以上だったら年明けに着陸を目指そうとなる。一方で小惑星の地形そのものについても情報が集まりつつある。ローバーのチームからも解析結果が出てくるだろう。それらをまとめて年末までに方針を決めたい。
12月にははやぶさ2の全科学者が集まる会議を予定している。そこでまとまった議論ができるだろう。

あらふね:ローバーから来ているデータはどんなものか

津田:現時点では画像を見ている。画像から類推できることを…ローバーが送ってくるのは着陸点そのものの画像ではないので。
リュウグウはある程度一様な風景が広がっていそうだとわかっているので、ミリメートル、センチメートル級の解像度の画像からL08-Bがどれだけでこぼこしているか、どれだけ固そうか、どういう成分かということを見ている。
MINERVA-II1やMASCOTが分離やバウンドしたときの情報も出てくるだろう。そこから小惑星の表面について力学的な情報が得られると期待している。

あらふね:着陸点のボルダーはどのくらいの大きさまで見えているのか

津田:解像度のおおよそ3倍くらい…現在の写真では分解能20センチなので50~60センチくらいの岩が見えている。

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あらふね:100メートル四方の範囲に着陸させるのと、直径20メートルの範囲に着陸させるのでは難易度はどのくらい違うのか

津田:どれくらいというのは難しい。かなり難しいのは確かだが不可能なことではないと考えている。実力をある程度把握していることと、ピンポイントタッチダウンという方式を考えてきた経緯がある。精度を上げるためのポイントはわかっている。精度向上の障害になる条件をどうつぶしていくかを考えていかなければならない。

NVS齋藤:現在のMINERVA-II1の状況は

久保田:健在です。2台とも通信はできていて時々データを送ってきてくれる。さらなる情報が得られればと期待している。

齋藤:新しい画像はあるか

久保田:MASCOTの運用中はお休みをしていたがその後もデータが来ている。リハーサルに向けての情報提供とデータ解析を並行して進めている。新しい情報があったらお知らせする。

齋藤:合運用のときはホームポジションから離れると聞いているがどのくらい?

津田:正確な数字はいま思い出せないが、100~200キロメートルくらい離す。

齋藤:ホームポジションからのサイエンス的な観測はひと通りすんでいる?

津田:ある意味終わりがない活動を1年半の間ずっと続けることになっている。計画以上にこなしている。観測は今も続いていて地上に降りてくるデータの量は当初の予定より多い。

共同通信すえ:ピンポイントタッチダウンは当初、インパクター運用の時行う予定だった?

津田:おっしゃる通りです。

すえ:ピンポイントタッチダウンを複数回行うことに技術的な問題などはあるのか

津田:制約はターゲットマーカーの数だけ。5個のターゲットマーカーを使う範囲で何度でもピンポイントタッチダウンができる。
タッチダウンで減るものといえば燃料だが、普通のタッチダウンと比べてピンポイントタッチダウンの燃料消費が多いわけではなく損得はない。

すえ:予想外にでこぼこしているリュウグウは特殊な小惑星?

吉川:なにをもって特殊かというのがあるが、そもそも直径1キロ以下の小惑星に探査機が接近した例はイトカワリュウグウだけ。2例しかないため特殊かどうかはまだわからない。
直径数十キロと大きな小惑星と比較するとリュウグウはボルダーだらけだった。小さい小惑星どうしでの比較はまだわからない。いまOSIRIS-RExベンヌという小惑星に向かっている(ベンヌの直径は約500メートル)。ベンヌと比較することでいろいろわかってくるだろう。

すえ:これまで非常に順調だった中、いったん立ち止まることへの率直な感想は

津田:まったく新しい世界を探査するので、なにもかも計画通りにいくとは思っていなかった。いよいよリュウグウが牙をむいてきた。チーム全体でこれにどう立ち向かうか意気が上がっている。

日経かとう:タッチダウンの時サンプラーホーンから弾丸を発射するのか。この表面の状況で弾丸を発射することに危険はないのか

津田:はやぶさはやぶさ2のサンプリング方式は表面の硬さに対しては守備範囲が広いのが特徴。石であっても砂であってもサンプリングができる。あまりに凹凸が激しいと収量が減る心配はあるが、サンプラーホーンを接地させて弾丸を発射しサンプリングするという方式そのものに心配はない。

かとう:最初のタッチダウンでも弾丸を発射する?

津田:はい。

日経サイエンスなかじま:普通のタッチダウンとピンポイントタッチダウンの違いについて

津田:普通のタッチダウンでは、落としたターゲットマーカーに向かって下りていく。ピンポイントタッチダウンではターゲットマーカーを落としたあといったん上昇する。目標点とターゲットマーカーの位置関係がわかれば、ターゲットマーカーの位置を元に目標点へ誘導できる。
実際にターゲットマーカーから相対的な位置を指定できるかなどを評価した上でピンポイントタッチダウンを行うかどうか決める。

なかじま:複数のターゲットマーカーを使う条件は

津田:ターゲットマーカーの位置と目標点が離れているとき、橋渡し的に2個目、3個目のターゲットマーカーを落とす。

なかじま:着陸をともなう運用は来年6月末までに?

津田:太陽距離の観点だけからいうと10月~11月ごろはリュウグウが太陽から離れるため、来年11月もタッチダウンに向く温度環境になる。ただし最初からそこを使う計画は考えていない。来年末の帰還開始に向けて準備も必要。あくまで来年6月までにやりきるつもりでやりたい。

毎日新聞永山:当初計画では複数の場所からサンプリングするとしていたが、そうしない可能性もある?

津田:リハーサルの結果にもよるが、サイエンスのチームともよく議論していきたい。
リュウグウの表面が一様で地域性が少ないとわかっているのでサンプル採取は1回でいいじゃないかという人がいる一方、複数の場所からサンプルを取りたいという人もいる。インパクターでクレーターを作ってそこからサンプルを採取するという話はもともとあった。それらはまだ捨てていない。
最初のタッチダウンがうまくいけばもう一度となるかもしれない。今はまだ選択肢が広いままにしておきたい。

ニッポン放送はたなか:タッチダウンを合運用前に行うとしたときに考えられるリスクは。またタッチダウンそのものを断念する可能性はあるのか

津田:このあとのリハーサルなしにL08へタッチダウンした場合、たまたまL08-Bへ着陸すればラッキーだがそれ以外の場所に行ってしまうとサンプラーホーンが接地する前に太陽電池パネルや本体が損傷していたかもしれない。
損傷を防ぐために、ひどいでこぼこを検知したら上昇しなさいとプログラムすることはできる。しかしそうしてもたまたまL08-Bのような場所へ行けばいいが、現時点では(探査機は損傷しないが)サンプル採取できない確率が高い。
サンプリングを断念することは考えていない。このミッションのなりたちそのものであり、手ぶらで帰るわけにはいかないと思っている。なんらかの方法で挑戦したい。

(以上)