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胃カメラを呑んで熱が出る(人間ドック2015後半)

今日は胃カメラとレントゲン。バリウムはいつもあとで排出に苦労するので胃カメラを。

ここ数回は鼻から入れる細いタイプだったが、今回は口から入れる太いタイプ。これが大変でつらかった。

胃には小さいポリープがあり、これは経過観察。ほかは胃カメラでのどに少し傷ができたとのこと。

朝9時前に入って、終了したのは10時15分くらい。前回と合わせてドックの料金は9,720円だった。

今日の結果は10日ほどあとにもう一度受診して聞くことになる。

そして「うー、しんどかった」と帰宅してしばらくしたら熱が出てきた。38度程度。関節の痛みなどはない。食欲もあって単に熱だけという感じだ。

クリニックで風邪の菌をもらってしまったのだろうか。だとしてもこんなに早く熱が出るものかな?

ちょうど先日、facebookで風邪の基礎知識について知ったところだったのでタイムリーといえばタイムリーだった。風邪に関して、小児科医が普段外来で保護者に伝えていることだそう。

ちょっと前に、小児科医をやっている弟が書いていたのを、ここにコピペしておきます。(シェアもしたんですが、多分もとの公開設定から見られる人は少なかっただろうと思うので。)

-------以下、引用--------

友人から、風邪に関していろいろ相談されたから、普段外来で保護者に伝えていることをざっくりまとめました。せっかくなので、こちらにも転載しておきます。

(深夜の救急で「ついさっきから熱が出てきたんです」と心配そうに受診される乳児連れの若い夫婦とかに、以下の内容をざ〜っと話してあげます。結局お持ち帰りいただくのが解熱剤1個だったりするけど、ほとんどの方が安心して帰ってくれます。時間かかるからその時の混雑状況や、自分の体力で途中端折ったりするけどね笑)

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風邪はほとんどがウイルス感染が原因で起きる。親からの移行抗体が消失する0歳後半(生後6~10か月以降あたり)から風邪をひきはじめる。風邪の症状は、外から体内に侵入しようとするウイルスにたいする防御反応である。

発熱は、抗体を作る過程で起きている免疫反応。風邪を起こすウイルスは200種類以上あると言われている。その1つ1つに対して、抗体を作らなくてはいけない。つまり、全種類の抗体をゲットするまでに200回以上、発熱するということ。風邪をひかずに大人になろう、なんてそれは甘い考え。

体が初めて出会ったウイルスに対して、免疫細胞が抗体を作り始めて、抗体がウイルスを駆逐して風邪が治るまでに、平均して5日程度かかる。ざっくり言えば、毎週のように風邪をひいて発熱しても、年に50個の抗体もゲットできないくらいの計算。全種類の抗体をゲットするには、毎週発熱したとしても4年くらいかかってしまう。これは極端な話だけど。

200種類以上の風邪ウイルスのうち、「よく出会う系」と「レアキャラ系」がいる。よく出会うウイルスは、10~20種類くらい。1歳前後で保育園に通い始めると、最初の3か月〜6か月は「お熱出てます」って呼び出されるのが筋。やっと治って保育園に預けると、翌日また発熱で呼び出される感じ。これが3か月続けば約12種類、6か月続けば約24種類、風邪ウイルス抗体をゲットできる計算。このことが、3〜6か月は母仕事にならない、ということの背景。でもそこでよく出会う系ウイルスの抗体をゲットしとけば、あとはたまに出会うレアキャラ系に対する抗体を手に入れるだけになるから、だんだん風邪をひかなくなる。

3歳〜4歳で幼稚園に行く子でも、最初は風邪をひくことが多い。ただ、幼稚園に通い始める前に児童館や子育て支援センター、あるいは兄姉がいればそこから風邪ウイルスをもらってたまに風邪をひいたりしていれば、徐々に風邪ウイルス抗体を手に入れているので1歳前後で保育園に行き始める子に比べたら、あまり風邪をひかない印象はある。

発熱それ自体は、体に害を与えない。発熱のせいで頭がおかしくなったり、内臓に障害が出ることはない。42度を超えると問題があるが、風邪に対する免疫反応で42度は普通超えない。子どもは発熱に対して大人よりも強いので、40度でもケロッとしている子はいて、その場合特別な対応は必要ない。ただ、発熱のせいで不機嫌でぐずってしまう、寝てくれない、イヤイヤが激しく飲み物も拒否される、ような時は、迷わず解熱剤を使ってよい。こんな時、粉薬は飲ませようと思っても飲んでくれないので、座薬を使うのが便利。自分は未就学児に粉薬の解熱剤はほとんど処方しない。逆に、40度越えでも、眠れている、機嫌がよい、飲み物は飲んでくれる、ような時は解熱剤を使わずに放置してよい。

冷えピタや、氷枕、水枕は、「ひんやりして気持ちい〜」と本人が感じるためのものでしかなく、解熱の効果は期待できない。発熱は体内の免疫反応で生じているので、それが落ち着かないと熱は下がらない。親が、もしも「冷えピタで熱を下げよう」と思っているなら、無意味。子どもがそれを好きなら、やっても構わない。嫌がるならやらない方がいい。

免疫反応で、体温調節中枢が体温を高めにキープしようとするが、体温調節中枢の目標温度を超えてしまったり、下がりすぎてしまうことがある。例えば、体温40度が目標なのに、体温が38度しかなければ、体温を上げるために手足から逃げてゆく温度を最小限にするために血管を収縮させる。それで手足は冷たくなる。また、おしっこの後にブルって震えるような、体の震えを起こして、体温をどんどん上げていく。この時間帯は、本人は寒気を感じている。(ので、冷えピタなどはなおさら逆効果)

これでどんどん体温が上がって、今度は41度まで行ってしまうと、40℃に下げたいと体は思うので、熱を発散し始める。だから手足はぽかぽかになり、首筋や背中がしっとり汗ばむ。この時間帯は、はーはー呼吸も早くて暑がっているから、薄着にしたり水枕を使ってみるのはいいかもしれない。

風邪薬は必要かというと、残念ながら「風邪薬」としてもらう病院の薬は、風邪を治していない。風邪ウイルスをやっつける薬は、まだ発明されていない。(注:インフルエンザには抗ウイルス薬があるが、そのような特別なケースを除いて。)

風邪薬は、あくまでも咳や鼻水などの症状を和らげる薬でしかない。

そもそも、咳や鼻水はなんで出ているのか?それは、気道粘膜から体内に侵入しようとしているウイルスを、鼻水や痰といった分泌物に絡めて外に出そう、という正常な防御反応である。だから、軽い咳や鼻水は、むしろあった方がいい。ただし、症状が強すぎて、たとえば咳で眠れない、鼻水で眠れない、食事もとれない、といった時は、症状を緩和してあげる必要がある。決して、症状をなくすことを目的としていない。

また、抗生物質を飲めば治ると広く誤解されているが、抗生物質は風邪ウイルスには無効なので、まったく意味がない。

風邪薬も抗生物質も、時には副作用が問題になる。なので、本当にその薬が必要なのかどうか、を見極める必要がある。

では、風邪をひいたらどうするのか?

発熱もなく、軽い咳、あるいは鼻水が垂れているだけ、なら特別な対応は必要ない。

咳や鼻水がきつく、睡眠や食事などの日常生活に支障がでてくるようなら、風邪薬をもらいに行く。

発熱しても、元気、飲み物は飲める、眠れている、状態なら、自宅で安静にする。病院を受診すると、かえって疲れてしまったりする。

発熱して、不機嫌、眠れない、飲み物もとらない、なら、自宅に解熱剤があるなら使用してよい、なければ、病院でもらえばよい。

発熱して、手足がポカポカで汗をかいてるくらいなら薄着に、あるいは布団を1枚減らす。発熱して、手足が冷たく、震えたりしてるなら厚着に、あるいは布団を1枚多くかけてあげる。

発熱してたらお風呂は入っちゃだめ?って、これは、江戸時代あたりから戦後まで言われてきたこと。つまり、風呂と言えば銭湯を一般人が利用していたころの話。銭湯はお湯が熱く、我慢して入るのは体力を消耗する。しかも、銭湯をでて帰宅するまでに湯冷めしてしまう。これが風邪をひいた体にはよくなかった。でも現代は、自宅に風呂、シャワーがあり、エアコンもあるので、さっと体を洗って、すぐに体をタオルで拭いて乾かしてお布団に入れば問題ない。元気な子どもは風呂を上がって裸で走り回っているが、これはダメだけど、逆にそれぐらい元気ならその風邪は心配ない程度、と思ってよい。

風邪をひくと、食欲がなくなるのはあたりまえ。その子が食べられるものがあれば、なんでも与えてよい。ヨーグルトやゼリー、アイスクリームなどでも食べれているなら全然問題ない。それらも食べない場合、最低限でも飲み物は与えたい。そのようなときの飲み物も、飲めるものならなんでも基本的にはいいが、水、お茶だけで過ごしていると低血糖、ミネラル不足(低Na)になる可能性があるので、甘みのある物(ジュース類)、塩気のあるもの(スープ類)も頑張って飲ませたい。スポーツ飲料やイオン飲料が飲めて入れば、まずは問題ない。

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しゃべってるとあっという間なのに、文章にすると大変だ笑

-------引用、以上--------

伊藤 哲也 - ちょっと前に、小児科医をやっている弟が書いていたのを、ここにコピペしておきます。(シェアもしたんですが、多分もとの公開...

ブクマの際にタイトルはそれっぽくつけさせてもらいました。

明日は熱が下がっているといいなあ。