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金星探査機「あかつき」の金星周回軌道再投入及び観測計画に関する記者説明会

登壇者

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中継録画

※[twitter:@nvslive]による

資料


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質疑応答

NHKおかだ:改めて投入する機会がめぐってきたが率直な感想、意気込み。5年前とまったく同じ12月7日ということについて

中村:これは5年前に成功していて当然のミッションでありじくじたるものがある。今回の失敗はJAXAの資産として生かされておりはやぶさ2でも利用されている。
お祭り騒ぎではなく粛々と進めていきたい。5年前と同じ日だが感傷的にならず進めていきたい。

石井:12月7日になったのはまったくの偶然。一番いい日を選んだらこの日になった。できる限りのことをしたい。

今村:5年遅れでようやく観測が近づいてきた。5年間で進んだ金星大気の科学をふまえてアップデートしたものを出していきたい。
12月7日については力まず冷静に異常を見逃さないように。

読売新聞とくもと:今月と夏頃太陽に接近するが距離やどうモニタリングするのか

中村:今月2月11日に再接近。どこかの温度が急に上がったら警告が出る。8月の近日点通過は8月29日。2月は地球と合になっておりあかつきの様子を見られない。

アストロアーツとひ:再投入の時間帯は

石井:運用局や起動後のシーケンスなどから最適を選ぶ。いま何時何分とはいえない。

時事通信かんだ:どちらの側の姿勢制御エンジンを使うかは7月のは決まっているのか。姿勢はHGAを太陽向きにしているとのことだがそちら側のスラスタの健全性は

石井:7月の熱状況は本番とは異なる。7月と12月で同じ側のスラスタを使うかどうかは未定。
太陽光圧で姿勢が少しずつ変わる。スラスタは今も使っていて健全であるとわかっている。

共同通信すえ:スケジュールサマリーの定常観測について

中村:正式な観測は2016年春から2年間を予定。その後運用延長もあるかも。

すえ:春とは具体的に

中村:4月1日くらい。チェックアウト中にもうこれは観測できるとなったりする。

すえ:HGAについて32kbpsは予定通りなのか

中村:32kbpsは当初の予定通り。

東京新聞さかきばら:スラスタの設計温度は

石井:資料7ページ。設計は70度。最後には少し超えている。設計マージンを考えれば大丈夫。

さかきばら:残りの燃料はどのくらいで再投入にトラブルが起きた場合の次善の策は

石井:次善の策は…たとえば4基のうち2基しか噴かなかった場合どう健全なのかがわからないとどうにもならない。ぎりぎり金星の重力圏内におさまるなどの段階も考えられる。全部がちゃんと噴かなければ軌道には入れない。
燃料はもともと200キロ弱。燃料と酸化剤を合わせた推進薬。いまは60キロくらい残っている。姿勢制御などに使う残りから軌道投入に使える量を算出して決めた。

さかきばら:ブレーキをかけるときどのくらいの時間噴くのか

石井:連続して20分くらい噴く。最接近点の10分前から20分間というシーケンスになると思う。

NVSさいとう:再投入時の姿勢制御用エンジンについて。ヘリウムの加圧タンクから1回加圧したあと20分間噴くのか

石井:流路にあるバルブがどうなっているかわからない。ヘリウムからの加圧は期待しない。

さいとう:金星軌道に投入された場合推進薬の残りは

石井:今は2年から4年。軌道を変えなければあまり使わずに済む。うまくいけば4年残るだろう。

さいとう:今村さんに。当初と違う軌道に投入されるが科学観測ミッションとして成果を出すために工夫や苦心したところは

今村:どういう軌道に入るかは4年前にはわからなかった。赤道周回か極軌道か。今回の観測には赤道周回軌道に入らなければ連続的な気象データを得られない。それができると分かった段階で展望が得られた。
より頭を使う必要が出てきた。もともと想定していた空間解像度の期間は短くなったが低解像度でも連続してデータを取れるところが出てきた。
そのあたりで当初の計画をかなりリカバーできるだろう。

TBS:熱環境について。姿勢制御用エンジンが大丈夫だとすればどこに影響があるのか

石井:やはりエンジン。高利得アンテナ。これが使えないとデータを下せなくなる。また太陽電池パドル。発電に必須。7ページの3つのグラフに出ている。
なにがあったとしても文句は言えないというか。
このように5年間、9回近日点を通る。あと2回残っている。設計条件は越えているが持ちこたえるのではないか。
全体的に厳しいのはその通り。

読売新聞とみやま:ミッションをクリアするためのハードルは軌道投入できるかと観測機器の健全性と思うが

石井:軌道投入に危険があってできないということを言ったつもりはない。
たとえると自動車を購入したとき10年20年と動くことは動くが不安なところが出てくる。部品の交換はできない。なにかが起きてもそれは可能性としてあり得る。現状として確実に軌道投入は成功するだろう。

とみやま:観測はできるのか

今村:悲観する材料はない。放熱面にあり涼しい快適なところで保管されている。宇宙放射線の影響もあるが想定内。何年か動かしていない機器に電源を入れることになる。

石井:熱的に厳しいのでHGAを地球に向けると熱環境が悪くなる。機器を守るためにHGAを地球に向けない。
いろいろやったために温度が上がって壊れてしまっては本末転倒。

とみやま:推力について500Nと23Nの関係は

石井:23Nはヘリウムの圧力で変わる。平均すると20N程度だろう。だんだん減少していく圧力カーブから20Nとしている。
23Nは4つ使うから89N。これは500Nに対して2割ほど。

朝日新聞こいけ:近金点の距離はどう変わるか

中村:近金点は当初とあまり変わらず300キロ程度、秒速12キロほど。そこでの観測も当初予定と変わらない。

石井:近金点は大きく変わらない。

今村:そこでの観測は昼側を通るときと夜側を通るときで変わる。昼側を通るときは水平線上を観測してエアロゾルを観測。夜側では真下に雷カメラを向ける。

フリーランス大塚:前回の会見でエアロブレーキングについて聞いた。現時点で見通しは。フルサクセス後の実施はあるか

石井:今のところ考えていない。微調整のための燃料が必要になるため寿命を長くしておく方が得。

共同通信すえ:15年冬の投入がうまくいかなかった場合次のチャンスはあるのか

石井:今回がラストチャンス。15年冬は軌道が不安定なのでやり過ごし16年夏の検討を行った。今は15年冬で決めている。15年冬の軌道投入で燃料を噴いたがだめだったとなると燃料が残らないため次のチャンスはない。
2010年に失敗したときは緊急ストップになった。これが全部噴いていたら2015年もなかった。燃料が残っていたから15年冬もある。

宇宙エレベーターニュース秋山:11月の軌道投入から12月に変更した検討のプロセスは。どういう経緯ですぐ金星に落ちると分かったのか
また観測期間を過ぎたあとあかつきはどうなるのか。金星衝突になるのか

石井:12月の軌道が安定性が悪い。しかしすべてが計算通り進めば確実に投入できる。実際の世界で誤差があったら投入できない。誤差を考えるとリスクが高い。計算上は可能は可能だが。それを考えて12月のなるべくリスクが少ない軌道をということで決めた。
観測が終わってからのあかつきは燃料がなくなる。観測はできても軌道が変化するのを直せない。軌道のエネルギーからすると金星に落ちる方向だろう。落下を回避できないだろう。

宇宙作家クラブ松浦:15年12月の地球と金星の位置は可視であるから8分後には半リアルタイムで観測できるのか

中村:その通り。通信レートが低いので限られた情報だが前回と異なり可視である。軌道決定には精密な観測で1日2日かかる。

(以上)

参考リンク