3Dプリンタで小物を出力してもらう

3Dプリンタの本を編集して、自分でもなにか出してみたいと思うようになった。

(↓作った本)

3Dプリンタ デスクトップが工房になる (インプレスムック)

3Dプリンタ デスクトップが工房になる (インプレスムック)

(↓その紹介)

仕事でお世話になった一般社団法人3Dデータを活用する会(3D-GAN、@3DGAN)では「まず出力品を手に取ってみることが大事」ということで個人向けの機種を使って無料で3Dプリントしてくれる。

なにか出してみたいがなにを作ればいいだろうと考えて、ひげトリマーのスタンドをモデリングすることにした。縦と横の幅を測って、それより前後左右に2ミリ大きくすればいいかな。

3Dプリンタは下から積層していくから、ひさしや人のあごのようにせり出した部分はそのままでは出力できない。そういう場所の下には造形時にサポートという部分がつき、出力後取り外すことになる。面倒は避けたいからサポートいらずの形状にしよう。

一方で、単なる箱として作ると材料が余分に必要だし出力にかかる時間も長くなる。大きい穴を開けてできるだけ容積を減らしつつ、サポートがいらない形状にしたい。

こんな形がいいかな。

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上半分は容積を減らしつつサポートが不要な形状ということでこうなっている。下半分はひげトリマーの細かいひげが散らばらないよう箱形状になっている。

これはオートデスクの無償CAD「123D Design」でモデリングした。(仕事で123D Designチュートリアル原稿を編集したので簡単な形状は作れるようになった)

まず平面でスケッチを描く。床にスケッチを描いて垂直に立ててあげればよい。

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それぞれのスケッチを押し出して(Extrude)整形して作る。

STL形式でエクスポートして、形状として問題がないか、マテリアライズの「Minimagics」でチェックする。Macだと「netfabb Basic」というソフトがある。

SketchUpのように平面を組み合わせて立体を作るソフトだと、3Dプリンタで出力できないデータができることがある。

チェックソフトはポリゴンが裏返っていないかとか、厚みのないポリゴンがついたてのように立っていないかなどをチェックしてくれる。しかし123D Designは基本的に厚みのある形状しか作れない。モデリングの自由度はやや下がるが、完成した形状を3Dプリンタで出力するのに問題が出ることはまずない。チェックは今回も問題なし。

データを3D-GANに送って出力してもらった。

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おおー、すごい。ちゃんと立体になっている。並べてみるとこんな感じ。

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材料はABS。出力はAfinia H479という機種で行ったとのこと。この3Dプリンタは出力の失敗が少なく精度も高くていいそうだ。

これは「UP! plus2」と同じ機種のもよう。

うきうきしながら、さっそくひげトリマーを立ててみることにした。

あれっ!?

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おかしいな、なんで入らないんだろう。しばらく考えてわかった。

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このスケッチを押し出して立体にするとき、間違って内側へ厚くしてしまったんだ。設計ミスだー。とほほ。完成した3Dモデルに画面内でダミーのひげトリマーを入れてみたりするべきだった。

スケッチを壁の厚みのぶん外側へ移動する。(ここでは4ミリ)

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スケッチを外側へ4ミリオフセットする。

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さらに必要な線を加え、不要な線をトリム(削除)する。

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押し出して厚みをつける。

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2枚の壁をそれぞれ対面へコピーする。形状を選択して[Ctrl]+[C]→[Ctrl]+[V]すると同じ場所に形状が複製される。もとの壁と向かい合わせになるよう1つを移動すればよい。

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底面を作り、4枚の壁と一体化(combine)すればできあがり。

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右側の白いモデルが今回出力してしまった小さい立体。

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ひげトリマーのダミーを入れてみた。これなら大丈夫。奥の白いほうはダミーと重なっていて、これは確かに入らない。

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次はこちらを出力してもらおう。

それにしても、モデリングしたデータをこうやって実体化できるというのは独特の驚きがある。またなにか作ってみよう。

(1月28日記)