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第26回「きぼう」日本実験棟ミッションステータスブリーフィング/第27回「きぼう」利用勉強会

取材 ISS

第26回「きぼう」日本実験棟ミッションステータスブリーフィング

登壇者

中継録画

01:10くらいに開始)

配布資料(PDF)

概要

ISS計画は去年、予定通り進んできた

今年は若田飛行士がコマンダーになるなどいろいろある

そのあたりを中心に説明したい(全部を読むと長いので抜粋で)

運用利用ステータス

超小型衛星放出、2回目(2013年11月19日、20日※日本時間)

非常にうまくいった

民生品の4Kカメラを持って行って実用化、NHKでも放送された

アイソン彗星は消えてしまったがその前の写真を撮れた

超小型衛星放出の拡がり

エアロックを使いたいという声が海外でも広がっている

資料巻末のバックアップチャートも参照のこと

民生品4Kカメラの宇宙初搭載

安全審査が大変で1年2年かかってきたがJAXAがつちかってきた安全化技術を利用、6か月で宇宙へ

今回の改修・試験プロセスは将来いろいろな機器に応用できるだろう

「きぼう」衛星間通信システム(ICS)の復旧

「こだま」(DRTS)を利用するもの

2年ほど前(2011/8)にISS側の電源系異常で遮断

2013年12月3日に復旧

ISS外部熱制御システム不具合対応

2系統ある電源系統のうち1系統を停止

急きょ船外活動を行い11月21日と24日にポンプモジュールを交換

ロボットアームの先端に飛行士を絶たせて作業、数ミリ程度の微妙な操作が必要、若田飛行士の技術は定評があり無事交換

現在はすべて復旧、3月までには予定の実験をすべて終わらせる予定

その他の活動

「きぼう」低温冷却系ポンプの停止(1月14日)

中温冷却系ポンプのみで循環させるモードに変更し、冷却系は現在安定運用中

プログレス補給船(53P)の打ち上げ(2013年11月26日)
シグナス補給船(Orb-1)の打ち上げ(2014年1月10日)

若田飛行士がロボットアームを操作してISSに結合

ドラゴン宇宙船(SpX-3)の打ち上げ

2月22日予定

若田飛行士がロボットアームで把持する予定

若田飛行士長期滞在開始後の「きぼう」の利用実験ステータス

(中略)

2月予定の「きぼう」利用実験

メダカの実験(宇宙医学)

参考:宇宙実験の成果が薬に向けて一歩前進

人間の骨粗鬆症治療に応用できるかも

若田飛行士の広報・教育活動


新聞、映像など

ビデオメッセージ

ソチ五輪壮行会へなど

地上とのリアルタイム交信イベント

今後ISSに滞在予定のJAXA宇宙飛行士の活動状況

油井飛行士、大西飛行士ともISS搭乗に向けて訓練中

バックアップチャート


質疑応答

NHKみずの:メダカの実験で若田飛行士はなにをするのか

三宅:2月にプログレスでメダカの試料が生きた状態で届く。骨細胞、破骨細胞の変化を見る。
若田飛行士と同僚がそれぞれのタイミングで世話をする。顕微鏡のチェックアウトは若田飛行士の仕事。
観察容器ごと打ち上げる。セットすれば地上からも見られる。

みずの:何セットあるか、何匹行くのか

三宅:のちほど回答とさせてください。
→容器は6つ、それぞれ12匹のメダカを入れて打ち上げる。バックアップを兼ねており観察に適した2容器を顕微鏡にセットし地上から観察。
前回は軌道上で処理して地上へ持ち帰ったが、今回は地上へ持ち帰らない。

産経新聞くさか:若田飛行士の今後について。コマンダー就任はいつか

三宅:いまコマンダーをやっている飛行士が宇宙から帰る、これが3月12日予定。その前日にコマンダーの引き継ぎをする。帰還日が決まったらまたお知らせします。
日付は世界標準時なので日本時間はずれるかも。

読売新聞のより:ほかに若田さんの活動でおもなものは

三宅:日程やイベントは変更が多く確実にするのはなかなか…シグナスの分離など日程はあるが輸送関係は変更がつねにつきまとう。
2月中旬にオービタル1の離脱関係、次にドラゴン3号機がやってくるがこれは最終審査会がこれから。
アメリカのナノラック社による小型衛星放出が2月中旬から下旬にかけて予定されている。資料3ページを参照のこと。今回は33個ととても多い。何回かに分けて放出。

広報より補足:セッティングは若田飛行士が行いますが、放出そのものは前回と違い地上からのコマンドがメインです。

のより:若田飛行士の全体的な様子は

三宅:健康状態はすこぶるよい、やれることがあれば追加作業もと提案され精力的に作業、遅れた作業を取り戻したりしている。
ロボットアームを使いつつ船外活動にも意欲。ロボットアームの操作については地上要員からも「さすが」という評価。若田飛行士が船内から指示することも。オペレーションミスもなし。

「きぼう」利用勉強会:宇宙を使った半導体単結晶製造技術の開発

研究タイトル
微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究(Hikari)

登壇者

中継録画

(記事冒頭と同じ動画の33:04くらいから)

配布資料

はじめに

宇宙環境の利用の意義が変化しつつある

宇宙工場から宇宙の実験室へ

実験の背景:シリコンテクノロジーの限界

→シリコンにゲルマニウムを均一に混ぜてできた新しい半導体(SiGe)

宇宙実験の背景:均一組成混晶への期待

シリコンとゲルマニウムを均一に混ぜる

原子間距離が広がるので電子が移動しやすくなり半導体の高速化が可能

しかし半導体産業界でもできていない

均一組成混晶育成を目指した宇宙でのチャレンジの歴史

「ふわっと'92」で実験したがいまひとつ

→TLZ法を発明

均一組成の混晶育成を成功させる鍵は

安定した濃度勾配を維持する方法

食塩を水に溶かしていくとある程度で溶けなくなる、これが飽和状態。飽和濃度は温度で変わる

温度勾配をつけると安定した濃度勾配をつけることができる

溶液帯に対流が起きると濃度勾配が安定しない→微小重力下で実験

これまで2回行った宇宙実験の成果

48.5%±1.5%の結晶ができた

TLZ法を地上で応用してSiGe結晶ができないか研究していく

どうやって地上で対流を抑制するか:シリコンでいくつか方法がある

長尺・大口径化を目指す


Si0.5Ge0.5単結晶の産業応用価値

クロック周波数に対して非常に消費電力が少ないCPUを作れるかも(期待値は5GHzで20W未満)

今後2回の宇宙実験を予定

若田船長が実験後のカートリッジを温度勾配炉から取り出し手作業で解体する作業を行う。回収試料の梱包も。

バックアップチャート


質疑応答

共同通信すえ:資料9ページ。地上実験では濃度がいったん離れてまた戻る。5ミリで一番離れるがそこで半々になってほしいのか

木下:実験方法を工夫して地上でもいいものができつつある。

広報から:9ページ右上のグラフは横軸が直径方向です。

木下:そのグラフは中心でゲルマニウム濃度が高いということを示しています。

JAXA:9ページ右側上下段のグラフは丸太状の結晶の組成方向の分布。面で見たとき同じ組成でできているかどうかを示している。
下の宇宙実験のグラフは均一だが上の地上実験では途中で濃度が大きく変化しているということを示す。

東京新聞さかきばら:微小重力で起きるマランゴニ対流の影響はあるか

木下:影響を受けないようにする。資料13ページ。溶けたとき自由表面ができないようにしている。こうすればマランゴニ対流の影響は受けない。

(以上)