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Maker Faire Tokyo 2013に行ってきた

行ってきましたMaker Faire Tokyo 2013。未来館まで自転車で行ってみたらこれがなかなか大変だった。埋め立て地に入れば坂はないだろうと思っていたら橋のアップダウンがあって、これが自転車にはつらかった。

未来館会場のオライリーのブースでは『イプシロン・ザ・ロケット』がイチオシ。一般書店に並ぶのは11月12日以降です。よろしくお願いします。

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7階ではロケット打ち上げ音響の体験が。これは音圧が高くてかなり実際に近いと思いますよ。H-IIBイプシロンロケットの打ち上げ音を聞き比べるのは初めての試みだったそう。

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会場の入口すぐに3Dプリンタをまとめて展示するコーナーがあり、なかなかの人だかりだった。実機を初めて見る人がまだまだ多い印象。これでなにができるのか、みんながいろいろ考えていてカンブリア紀の進化爆発のような状況だ。

ほかの展示で面白かったのはまずこれ。

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3Dプリンタ的に立体を積層で出力してアクリルの中に入れている。

しくみはこう。クリアファイルのような透明なシートに各層を印刷して重ねる。単純だけどきれいでよい。

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超小型飛行体研究所はいつもの羽ばたき機を飛ばしていた。

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(あんまりいい写真でなくてすいません、長いこと自転車に乗っていて疲れていた)

宗像俊龍さんは『3Dプリンタ デスクトップが工房になる』の巻頭でインタビューさせていただいた。

模型飛行機は手作りなので「この設計でよく飛んだからもう一つ作る」というのが実は難しい。部品を3Dプリンタで出せば機体ごとのばらつきが少なくなる。出力サービスの値段は体積で決まるので、穴を開けたりして軽くすると結果的に安くなるメリットも。という話が載ってます。

littleBitsは電源やセンサー、LEDなどのモジュールを組み合わせて電子工作ができるというもの。

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サイレントシステムの狭帯域通信装置のデモ。

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電波の周波数帯域を極端に狭くすると出力が小さくても遠くと通信できる。その代わりやり取りできるデータ量は少なくなるというもの。「豆電球程度の出力で札幌と名古屋で通信できました」とのこと。

狭帯域通信は惑星探査機ボイジャーとの通信にも使われている。当時は最先端の通信方式だったが今はこうして小さな通信機に収まっている。

サイレントシステムはエンジニア2人でやっている小さな会社だそうで、サイトを見てみたら中本伸一さんという名前が。Wikipediaに項目がある人で、ハドソン時代に「デゼニランド」とか「ボンバーマン」を手がけたのだそうだ。すごい。

次は野尻抱介さん。この人は面白い小説を書くのになかなか書かない。兵糧攻めにしようにも最近はスリングショット(いわゆるパチンコ)を自作して鳥を仕留める自給自足に夢中になってしまっている。その結果がこれ。

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トースターをプリンタに。トースターに8×8ピクセルで出力する。感熱紙の代わりに食パンを使うような話。

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実際作ってみるとなかなかきれいに出ないという。熱が横にもれてしまうためで、指向性を上げてやればよさそうだ。

人工芝の触り心地がよいiPhoneケースの「Shibaful」。

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ここまでが日本科学未来館の1階会場で見たもののごく一部。会場はあと3階、7階、Time24ビルの1階に分かれている。

3階も見たけどこの記事では飛ばして7階へ。こちらはクラフト関係や、暗いところで展示したいものなどが集まっている。

まずはティッシュケースから。

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布に芝生や木の幹の写真を印刷したもの。脳が期待する感触と布の感触の違いでくらくらしてくる。

フェルトで作ったオリジナルのキャラクター。独自の世界が確立されている。

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蓄光シートを紫外線LEDのPOV(残像メッセンジャー)でなでると文字が残る。文字が少しずつ消えていくのが面白い。シートもLEDもそう高いものではなかったとのこと。

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レゴのスクリーンにスーパーマリオの画面が投射されていて、そこへレゴをつけるとスーパーマリオの画面でもブロックが追加されてマリオが乗るようになるという、インタラクティブプロジェクションマッピング。レゴを外すと画面内のブロックも消える。子供が夢中になってやっていた。

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レゴブロックが取り付けられたことを赤外線で検知しているなど、実装が非常にスマートでナイス。

オシロスコープのブラウン管に時計を表示する「オシロクロック」。ベクタースキャンの線が美しい。

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ペットボトルで野菜を栽培している人。ペットボトルでもちゃんと育って食べられるそう。

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未来館の裏手にあるTime24ビルの会場はよりマニアックな電子系の展示が多かった。その中で一番の目玉はやっぱりこれ。人間用外骨格のスケルトニクス。

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手足の動きに追従する機構を見つけた製作者が、「これで人間の動きを拡大できるんじゃ」と作り始めたそうだ。『アップルシード』のアレを作りたいという出発点ではなかった。今はより洗練された新型機を作っているとのこと。

足元が実はサンダルなところもナイス。

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東京で行われる「Make:」のイベントは皆勤賞で、毎回新しいものが出てきて本当に楽しい。規模が大きくなってきていて一日で全部見るのが難しくなりつつある。次回も楽しみだ。

それにしても、いろいろ見ても自分でやろうという気持ちにまったくならないのが我ながら不思議だ。アイデアが出れば作るだろうが電子工作でどんなことができるかを理解していないからアイデアも出ないという循環になっている。

帰りはまた自転車で、なるべく大きな橋を渡らないようにした。

今日は自転車で移動した距離の新記録が出た。自転車は交通費ではお得だけどむしろ余裕がある人向けのぜいたくな乗り物だ。忙しければ電車で行く。電車なら行き帰りにほかのことができる。自転車をこいでいる間はとにかくこぐしかない。自転車は全身を使う行為だから端末の画面をじっくり見たり音楽などを聴いたりするのは危ない。春からずっと忙しかったが、自転車で遠出できるくらいの余裕がやっと出てきたということだ。

過去のMake: イベント

追記:次回のMaker Faire Tokyo

(11月8日記)