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「放射性物質見える化カメラ」の開発について

登壇者

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プレスリリース

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超広角コンプトンカメラ」原理実証機からその実用化へ(高橋)

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  • 次期X線天文衛星「ASTRO-H」向けに高性能のガンマ線検出カメラを開発していた
  • 東京電力からの依頼もありその技術を放射性物質の分布の可視化に使えないかということになった
  • この国難にこの技術を使うべく開発

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  • 超広角コンプトンカメラはほぼ180度という広い視野をカバー。セシウムヨウ素など固有のガンマ線を識別できる
  • 敷地や家屋に分布した放射性物質を可視化できる
  • サーベイメーターで人力で分布を調べるには困難な場所で利用できる
  • コンプトンカメラは図中青い検出器の部分でガンマ線を失い黄色いところでも失う
  • これでガンマ線の飛んできた方向がわかる
  • ビリヤードをやっていて玉をついたとき、はじかれた玉の散り方が完全にわかれば、ついた玉が見えなくてもどこからどの強さでついたものかわかるようなもの
  • 詳しい原理はISASニュースを参照
  • 固有のエネルギーを持ったガンマ線が出る
  • どこから飛んできたのかわかれば放射性物質がどう分布しているかわかる
  • ほとんどがセシウムであるとわかる

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  • サーベイメーターではかったものと一致
  • 1回で自分の前の視野にどう放射性物質が分布しているかがわかる
  • 多かった質問:実用化時期はいつか、1回の測定にかかる時間を短くできないか、車で運ばなくてもよいようにできないか

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  • 5月に富岡町で測定試験
  • 草の根っこに多く分布しているとわかる
  • この後改良を検討

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  • JSTの研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)「放射線計測領域」革新技術タイプに応募
  • 高感度化、軽量化、可搬化、ソフトウェアの整備
  • 改良機の試作はJAXA三菱重工名古屋大学の共同研究で
  • 今回の商品化(ASTROCAM-7000HS)

放射性物質見える化カメラの開発・販売について

製品の概要(米田)

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  • 高感度、超広角・広範囲、耐ノイズ特性

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  • 試作機からの改善点
    1. 感度向上、測定時間の短縮
    2. 感度を維持する冷却機構の内蔵
    3. 洗練された外観デザイン
    4. 測定用ソフトウェア

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  • 他社製品は視野、測定距離ともに狭い

今後の展開(黒田)

  • 年度内リリース、販売開始を予定

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  • (動画)円の交点に放射性物質が識別される。同時に種類もわかる

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質疑応答

日刊工業新聞むらかみ:今後の販売計画について。価格帯のイメージは。市場規模として販売目標は

黒田:価格は今は申し上げにくい。おおむね数千万円のレンジ。センサーの枚数が価格に大きく影響するのでレンジが広い。市場規模は年に数十台と考えている。

むらかみ:8ページ、9ページにある「測定時間の短縮」。具体的には

黒田:プロトタイプの1/10を狙う。10分かかるものを1分でできるよう開発中。

高橋:最初のものはシリコン(Si)2枚、カドテル(テルル化カドミウム、CdTe)が3枚というセンサ構成。20分から40分、1時間と見ているうちに出てくるというもの。冷却や可搬性に特化したものがプロトタイプ。シリコン8枚、カドテル4枚、センササイズも大きくなっている。単純計算で10倍の性能。

宇宙作家クラブ今村:今回のセンサはASTRO-Hではどういうことをするのか

高橋:ソフトガンマ線検出器。宇宙から来るガンマ線は限られている。1万秒で1つ来るかどうか。ASTRO-Hは狭視野。超新星残骸からのガンマ線。ブラックホールの周囲でどういう現象が起きているかを10倍以上の感度で測定。(※ぶら下がりで聞いたこと:狭視野のX線を観測する際にそのほかから来るガンマ線を排除するために、周囲から来るガンマ線をコンプトンカメラで検出しておき狭視野での観測結果から除外するしくみとのこと)

NHKかげ:除染について。またリースのイメージは

黒田:ピンホール型に対して除染のための測定回数が少なくすむ。効率的に早く測定できる。価格はできるだけ下げたいが除染は時間との戦いでもあり苦慮している。そのためひとつの方法としてリースも考えた。

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高橋:除染にはさまざまな方法があるときく。除染前に撮像しておき重点的に除染、その後除染もれがないかをもう一度測定。ホットスポットがわかっていれば除染が効率的に可能

毎日新聞のだ:除染について。高橋さんの資料の4枚目。2012年2月の撮影というもの。遠くの線源は

高橋:デジタルカメラ一般の特性としてレンズがひとつでは距離はわからない。どこが濃いかはわかる。5ページめの写真でどこかがわかる。人間が考えてやるとよい。
ここまで小さくできるなら複数台持ち込んだり複数回測定したりして距離情報もわかる可能性がある。

のだ:三菱のスライド12ページ。電力会社への提案について。数マイクロシーベルト時とある。高い線量は測れないということか

高橋:十分観測できる。あまりに線量が高いとすべてのセンサが飽和して真っ白になってしまうがフィルタをかけることによって解決できる。技術的にはいろいろ方法がある。
なお配付の資料では「飯舘村」の漢字が間違っているので直しておいてほしい。
現地に行ってどのようなことが求められているか知ってからでないと正しいことは言えない。

のだ:使ってみるとわからないことがあるということ?

黒田:環境放射線が厳しい。X線天文衛星も放射線が厳しい。宇宙より厳しいところもある。そういうところで開発している。

マイナビニュース小林:商用機のサイズと重量、概算で知りたい

黒田:量産機は8キロを予定。サイズは資料に

小林:ソフトウェアについて。専門家が使うようなものを想定しているのか、それともユーザーが自分で測定できるものか

黒田:量産機はマンマシンインターフェースを洗練させる。特殊な技術がなくても測れるレベルにもっていく。今年度版でアプリがそこまでいけるかはわからないが。

朝日新聞たかやま:超広角を実現できた技術要素は。また他者との違い

高橋:これまでにコンプトンカメラの原理を使って商用機が出たことはない。医療もそうだが次世代の技術、各国で研究が進んでいる。日本が一番乗りをしている。コンプトンカメラを実現するには複数の方法がある。散乱と吸収をどう実現するか。苦労したのは散乱も吸収を半導体のイメージャで作るところ。吸収をシリコンにさせるのは10年以上かけて開発してきたガンマ線イメージャ。数百チャネルという電極がある。日本の半導体技術の高さがてんこもり。
広い視野を得るにはセンサが近づいていなければならない。

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(a)は医療でよく使われる。ピンホールカメラ
セシウムはエネルギーが高い。5センチくらいの鉛が必要。そのためピンホール式では(a)の青い部分が重くなってしまう。セシウムに向かない。我々の技術が初めてコンプトンカメラで実現した。

フリーランス大塚:今までのピンホールタイプカメラについて、原発のロボットを作っている先生に聞いたところでは遮蔽が大変という。コンプトンカメラでは原理的に遮蔽がいらないということ?

高橋:その通り。 (a)でいう大きな鉛は不要。円を描くところはうまくやらないとならないがそこはアルゴリズムの工夫で。学術的には大きいのでコンプトンカメラはいろいろなところがやっている。

大塚:HSはハイスピードということ?

黒田:ハイスピードです。

(以上)

試作機ASTROCAM 7000の写真

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前面中央部の丸いレンズは光学の魚眼レンズで、計測時に視野の写真を撮るために使う。奥の四角い板がセンサー。

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補足情報など: