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小惑星探査機「はやぶさ」、6月13日に地球帰還へ

2003年5月にM-Vロケット5号機で打ち上げられた、MUSES-Cこと小惑星探査機「はやぶさ」が、7年間、3億キロの彼方への宇宙の旅を終えていよいよ地球へ戻ってきます。その予定日が今日、6月13日と発表されました。この日の日本時間で23時ごろ、小惑星イトカワ」のサンプルが入っていると期待されるカプセルが大気圏に突入することになっています。

JAXA小惑星探査機「はやぶさ」搭載カプセルの地球帰還について
http://www.jaxa.jp/press/2010/04/20100421_hayabusa_j.html

はてなカウンティング」で、6月13日までのカウントダウンを作ってみました。

はやぶさ」はすでに満身創痍といっていい状態です。姿勢制御のための3つのリアクションホイールは2つが故障、軌道修正用のスラスターは燃料もれで使えず、4つあるイオンエンジンも2つが故障してしまいました。

これらに対応するため、イオンエンジンから直接キセノンガスを噴射したり、光圧(太陽光の圧力)を考慮に入れたり、故障した2つのイオンエンジンを組み合わせて1つのイオンエンジンとして使うなどして、見事に地球へ戻ってこようとしています。

残念なことに「はやぶさ」本体は、カプセルを地上に向けて切り離すと、地球の引力圏を脱出できず大気圏へ突入、燃え尽きてしまうことになっています。

現在、はやぶさは地球から約2000万キロの位置にあり、地球帰還に向けて細かな誘導が行われています。最後までどうなるかわかりませんが、カプセルの回収がうまくいくよう祈りましょう。

はやぶさ」帰還に向けて特設サイトやTwitter、ブログなどで情報発信

はやぶさ」の帰還が近づき、JAXA/宇宙科学研究所は特設サイトを開設しました。

はやぶさ、地球へ! 帰還カウントダウン
http://hayabusa.jaxa.jp/

下は「はやぶさ」のプロジェクトマネージャ、川口淳一郎教授からのメッセージ。川口先生がここまでウェットに心情を吐露するのはとても珍しく、胸を打たれます。

またTwitterやブログでの情報発信も始まりました。

はやぶさ帰還ブログ (Hayabusa_JAXA) on Twitter
http://twitter.com/Hayabusa_JAXA
はやぶさLiveブログ
http://www.isas.jaxa.jp/home/hayabusa-live/

はやぶさ」の旅を見られるプラネタリウム番組

各地のプラネタリウム館で、「はやぶさ」の旅を紹介する映画が上映されています。

全天周映像 HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-
http://hayabusa-movie.jp/

こないだ見に行きましたが、プラネタリウムの大きなドームに投影される映像は迫力満点でした。「はやぶさ」の苦難に満ちた冒険の旅を追体験できて、すごくいいです。おすすめです。ラストでは思わず目から汗がにじんできます。

下は映画が完成した1年前、大塚実記者が書いた記事。「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」などにも触れられています。

小惑星探査機「はやぶさ」のドキュメンタリー映画が完成〜全編CGの43分間、人間は1人も出てこないヒューマンドラマ
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/27/1685.html

マチュアが製作した「はやぶさ」物語の動画

すばらしい力作ぞろいです。

あれ、目から汗が…。


はやぶさ」のいる方向がわかるiPhoneアプリ「ToriSat」

iPhoneをかざしてISSの可視がわかるアプリ「ToriSat」には、「はやぶさ」が今いる方向も表示されます。(下はカメラのレンズを指でふさいでキャプチャ)

f:id:Imamura:20100421193129p:plain

プラモも出るよ!

6月20日発売。

メーカーの公式ブログ。

アオシマBLOG - livedoor Blog(ブログ)
http://blog.livedoor.jp/aoshimabunka/

プラモ発売を伝える記事。

はやぶさプラモ、6月発売 「イトカワ」の台座付き - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/20/news060.html

参考書籍

はやぶさ」の旅について、簡潔にまとめられています。

萌え系の本だけれど松浦晋也さんの監修のもと、データまわりもしっかり書かれています。

現代萌衛星図鑑

現代萌衛星図鑑

「のぞみ」の失敗が不死身の探査機「はやぶさ」を生みました。宇宙科学研究所のメンタリティがよくわかる本。

宇宙科学研究所の宇宙開発のルーツがわかる本。自分が作った本なので、ちょっとむりやりだけど入れちゃう。