「フォールアウト3」はSFマインドあふれるすばらしいゲーム

10月18日以降、Xbox 360のことをまったく書いていない。でもこの間、ゲームといえばXbox 360を起動して「Fallout 3」ばっかり遊んでいたのだった。これがよくできたゲームで、CERO Z指定(18歳以上のみ対象)なので大人の皆さんにぜひおすすめしたい。

西暦2077年の全面核戦争から200年、核シェルター「Vault(ヴォルト)101」の中で主人公は育った。ある事件をきっかけに、安全なVaultを出ることになった主人公。そこに広がっていたのは、かつてワシントンD.C.と呼ばれた荒野、キャピタル・ウェイストランドだった。

面白いのはゲームの中の200年前、核戦争が起きた2077年が1950年代的な「なつかしい未来」として設定されているところだ。流線型の車、古めかしい手描きのポスター、ラジオから流れるオールデイズ。ゲームの舞台は、かつて夢想された未来が核戦争で滅んだ後の世界という、凝ったつくりになっている。

このコンセプトがよくわかるのがゲームの予告ムービーで、下のリンクから見ることができる。(いきなりムービーが始まります)

  • trailer_01:http://www.bethsoft.com/jpn/fallout3/video/trailer_01.html
  • trailer_02:http://www.bethsoft.com/jpn/fallout3/video/trailer_02.html

ムービーをもっと見たい方はこちらへどうぞ。

Fallout 3 公式サイト: 予告編ムービー
http://www.bethsoft.com/jpn/fallout3/trailer/index.html

廃墟と荒野がひたすら広がるキャピタル・ウェイストランドは基本的に「北斗の拳」で、モヒカンなならず者たちが主人公を襲う。襲ってくる相手は殺してもよい(殺すしかない)のがこのゲームの基本ルールだ。

とんでもなく広い世界を歩くプレーヤーには、果てしなく自由度の高いゲームシステムが与えられている。さまざまな依頼を堂々と正面から解決してもよいし、モラルのない世界に合わせてふるまうこともできる。善人にも悪人にもなれるし、出会う人々はプレーヤーの人徳に応じた態度を取るように作られている。このゲームがCERO Z指定なのは、戦闘のバイオレンス描写だけでなく、自由度の高さゆえにとんでもない悪人にもなれちゃうところも一因なのだと思う。

遊び方の基本的な解説はこちらのムービーで。システムは基本的にFPS/TPS(切り替え可)で、戦闘はアクションが苦手な人にも遊びやすい工夫がされている。これがまたいい。

  • trailer_06:http://www.bethsoft.com/jpn/fallout3/video/trailer_06.html

ゲーム内の文化がまた独特で、たとえば「ヌカ・コーラ」なるコーラが登場する。「Nuka Cola」、つまり「核(nuke)コーラ」「原子力コーラ」的な語呂合わせになっている。飲めば体力が回復するが、同時に体内に少し放射能がたまる。キャピタル・ウェイストランドのある場所にはヌカ・コーラマニアの女性も登場する。この世界の通貨はヌカ・コーラのびんのふただから、ヌカ・コーラを飲むと所持金が1円増えるところが細かい。

この世界のものはたいてい放射能で汚染されていて、放射能がたまりすぎると能力が下がるようになっている(薬で解毒もできる。放射能に対するこの脳天気さ、わかっててやってると思いたい)。放射能によって巨大で凶暴になった動物やミュータントも出てくる。

世界の演出でうまいなあと思うのは、ゲームを進める中で出会ういろいろな場所やものごとについて、安易に説明しない姿勢が貫かれていることだ。小さなコミュニティを作ってつましく暮らしている人々がそこを「共和国」と呼んでいる様子や、もとは人間だったが核戦争時に放射能で醜い姿になってしまった「グール」たちが差別される様子が出てきたり、同じ顔の敵ばかり襲ってくる場所では端末をハッキングするとクローン研究の資料を見られたりする。奴隷にされた人々や、奴隷商人から逃げてきた人々も出てくる。こういう小さなエピソードが膨大に積み重ねられていき、その結果として「フォールアウト3」というゲーム世界のありさまを肌で感じることができるのだった。

ただし残念なことに、作りがやや雑なところもわずかにあって、そのことも忘れずに伝えておきたい。

たとえば地形にはまって出られなくなってしまうことがあったり(いったんセーブしてからロードし直すと出られることがある)、ゲームの冒頭なにかのフラグを立て損ねたのか、話が進まなくなってしまったりもした(最初からやり直した)。

日本語版としてはすべてのセリフがボイスつき字幕になっていて、これは海外ゲームの移植としては相当がんばっているほうらしい。でも遊ぶ側が恵まれたローカライズに感謝するのはちょっと変だと思うし、字幕とボイスの内容がわずかに違っていたりする。こういうところに違和感を覚えると、逆にふだん遊んでいるゲームがいかに緻密に、不整合がないよう丁寧に作られているかを感じたりした。

そういうわずかな残念ポイントはあるものの、「フォールアウト3」がどっぷりとひたれる超大作であることは間違いない。盛り込まれた内容が多すぎて、全部を味わいつくすのがとても大変ではあるけど、かけた時間に見合う体験は得られるゲームだと思う。

今から遊ぶなら追加コンテンツパック入りの「Game of the Year Edition」がお得

これには本編に加えて、5本の追加シナリオが入っている。

追加シナリオのうち「Broken Steel」を入れると、エンディングの続きの物語が追加される。エンディングのあとタイトルに戻ってしまわず、いくらでもキャピタル・ウェイストランドを探索できるようになる。またメインストーリーからある程度寄り道していると、わりと簡単に最高レベルに達してしまう(=強い敵を倒す大変さが減らなくなる)ところ、さらに10レベル上げられるようになるのもうれしい。

とりあえずお安く始めたい人には、本編だけのパッケージもどうぞ。追加シナリオは、Xbox 360なら1本ずつ追加購入できる。上記の「Broken Steel」は最高レベルになったら買うとよい。PS3は追加シナリオのダウンロード購入はできず、全部まとめたパッケージを買うことになる。

GAME Watch」の記事リンク集

PS3/Xbox 360ゲームレビュー「Fallout 3: Game of the Year Edition」 - GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20091225_339863.html《一番新しい記事で、概略がコンパクトによくまとまっている》

以下、記事の公開順で。

Game Dudeの「大人のための海外ゲームレポート」 「Fallout 3
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081118/kaigai32.htm
PS3 / Xbox 360ゲームレビュー「Fallout 3
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081204/fallout3.htm《「過酷な“来るべき世界”で君はどう生きるか? 人類の未来に想いを馳せる良質のSFRPG」というリードがうまい》
PS3 / Xbox 360ゲームレビュー「Fallout 3
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20090114/fallout3.htm《「地獄のような未来世界でどう生き、何をなすのか 無数のアイデアが詰まったSF世界を遊び尽くせ!!」》
ダウンロードコンテンツショートレビュー「Fallout 3 Operation: Anchorage」 -GAME Watch
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20090403_80432.html《追加シナリオのレビュー》
ダウンロードコンテンツショートレビュー「Fallout 3: Broken Steel / The Pitt」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20090820_309704.html《追加シナリオのレビュー。「Broken Steel」は特に要チェック》

追記:その後PC版を買って日本語化して遊んでいる