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『THE WAVE ウェイヴ』

アメリカでの実話をもとに、舞台を現代のドイツに移した映画。「スペル」を観終わった映画館のロビーで「『ウェイヴ』を開場しまーす」とやっていて、壁に貼られていた映画評の切り抜きを見たらこれが面白そうなので突発的に見たら面白かった。

ある高校で、いろいろな政治体制を学ぶ授業が行われる。水球部の顧問でもあるライナー・ベンガー先生は「独裁制」のクラスの担当だ。本当は「無政府主義」を受け持ちたかったがしかたがない。実習として、独裁制のいくつかの要素を授業に取り入れてみる。先生をファーストネームではなく「ベンガー様」と呼ぶこと、許可なく発言しないこと…。

最初は「今のドイツに独裁政治なんて生まれるはずがないさ」「またナチスはダメよの話か」と言っていた生徒たちだが、団結(ゲマインシャフト。ドイツ語ひとつ覚えた)や調和の快感を実習として知ると少しずつ夢中になっていき、やがて暴走していく。

脚本が巧みで、それぞれに小さな不満や不安を持つ生徒たちが、それゆえに「ウェイヴ」にのめり込んでいくいきさつが丁寧に描かれている。

なにかに寄りかかって、言われたことだけしていればいいのは楽ちんだ。でも楽をしているととんでもないことをしてしまうかもしれない。生きるとは実に大変なことだ。

関連リンク

映画「THE WAVE ウェイヴ」公式ホーム・ページ
http://www.the-wave.jp/
THE WAVE ウェイヴ | Movie Walker(上映館情報)
http://movie.walkerplus.com/mv45385/