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エコバッグなんかいらない、レジ袋でいいじゃない

数日前のニュースで何度か、スーパーがレジ袋を有料にして、エコバッグの持参を呼びかけたりし始めているという話を聞いた。(こういう話って、どうも定期的に出てくるように感じる)

わが家の近所にある24時間スーパーでも、レジ袋は10円、その代わり売り物の値段は頑張りますというところがある。

で、こういう場合たいてい代わりとして出てくるのが「エコバッグ」。トートだったり厚みのあるポリ製だったりして、ちょっとおしゃれではある。

でも、わざわざエコバッグを買わなくても、エコバッグとして使えるものを皆さんすでにたくさんお持ちでしょう。

そう、ふだんもらっているレジ袋である。たまっちゃって大変だ、というあなたも、それを買い物袋として再利用すればいいのだ。

という話は前の日記でも一度書いたけど、ニュースではエコバッグのことしか言ってなかったのでまた書いちゃう。

まず普通にレジ袋をもらって家に帰ったら、そのレジ袋を再び鞄に入れる。これだけでも次回、レジ袋をもらわずにすむようになる。

(中略)

こういうことは習慣になってしまえば、「やるぞ」のような気合いがなくても案外自然にできるようになるものだ。

(中略)

自分にとって無理のない範囲でこういうことをすると、すっきりした気分になってよい。結果的に、地球に対しても優しい感じで悪くない。

「レジ袋有料化」というふうに言われると、自分が損するように聞こえるかもしれない。でも買い物袋の持参は、そういう面とは別のレイヤーで気持ちがよいのだった。

買い物袋の持参、案外いけますよ - まんぷく::日記

こういうちょっとした動機づけについて、以前「ためしてガッテン」で面白い実験をやっていた。

ためしてガッテン:過去の放送:常識逆転! 地球温暖化ビックリ対策術
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2007q2/20070606.html

この回は地球温暖化対策がテーマで、まず「ご家庭でできる対策は、二酸化炭素の排出量を減らすこと」と一点に絞ってしまう。次に、台所やリビングで電化製品を使うと、その電力を供給するために発電所などで二酸化炭素が発生するという話に移る。部屋で電気を使うことで発生する二酸化炭素と同じ量の空気を詰めた風船を、家に持ち込んできた。数十リットルもの空気が入った風船が室内を圧迫していく。これはたまらん。つまり節電が二酸化炭素の削減につながる、と体で実感させる。

でも、だからといって自分たちにできるだろうか。そんな疑問に答えるのが次のコーナーだ。ここが面白い。

数人の主婦に集まってもらい、ふだんゴミの分別をできているかで2つのグループに分ける。まず、ゴミをいつも分別している人に個室で「このテーブル上のゴミをゴミ袋に入れてください」と指示する。主婦の人がいろいろな種類のゴミを分けようとしたところで「あ、いえもう面倒なのでぜんぶ同じ袋に入れちゃってください」と言ってみる。「え、そんなことしていいんですか?」と抵抗感がありありである。それはそうだ。でもまとめて入れてもらって、その人の実験は終わり。ふだん分別している皆さんは、だいたい同じ反応だ。

一方、分別はいつもはなかなかどうも…という主婦の人にも同じことをやってもらう。「ぜんぶ同じ袋に」と言うと楽だから、喜んでゴミ袋にゴミを入れ始めるかと思いきや、先ほどのグループと同様「でもさすがにそれは」と気が進まない様子。ふだん自分ではできていなくても、ちゃんと気にはなっているということが示される。

スタジオに戻る。

「ゴミの分別が始まったのはたかだか20年くらい前のこと。それでも、分別をしないといけないという感覚はここまで浸透している。だからふだん分別できない人も、あと少しだけ気を入れれば分別できるようになるはず。節電も同じで、習慣になってしまえばそう大変でもなくなる。一人ひとりの小さな気遣いで、温暖化対策ができるだろう」

と、こんなまとめだった。いかにもガッテン流、スマートな構成だなあと感心したものだった。

でですね、レジ袋の話に戻ると「スーパーでもらってきたレジ袋を、そのままたたんでカバンに入れる」。簡単だけれどなかなか習慣にはならないだろうか。でも一度やってみて翌日スーパーでレジ袋をもらわずにすめば、相当気分がよくなるだろう。コンビニだと言い出しづらいかな? でも「あ、こっちに入れちゃってください」と言えれば気分がよくなるはずだ。それは石油資源の節約になるから、原油1バレルが120ドル台というメチャメチャな世界での生活術ともいえるだろう。

エコバッグでなくてもレジ袋、ぜひ今日から始めてみてもらいたい。