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99/05/12 (Wed.)−家庭用ロボットが登場した日

元記事:夜の記憶−99/05/12 (Wed.)−家庭用ロボットが登場した日】

愛玩用のロボットが製品化され、この7月に発売されることになった。
 「AIBO」(アイボ)という名前のそれは、自ら見、聞き、感じ、判断して行動する。ふと手塚治虫の『火の鳥』に出てくるロボット「ロビタ」を思い出した。ロビタはロボットのくせに、間違えたり失敗したりする。そのことが人間くささとなり、親しみを持たれヒット商品になる。
 買う愛玩用ロボットといえば電気羊。P.K.ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』では、電気羊を所有することがステータスとなっていた。「AIBO」は25万円で、即座に役に立つ商品ではないぶん、確かにステータスになるかもしれない。
 面白いのは、「AIBO」にはリモコンを使って自由にコントロールできるモードもあるということだ。先ほどまで自律的に動いていたロボットを好きなように動かせるというのは、なにか倒錯した楽しみを感じる。ある程度育てたたまごっちをリセットする「たまごっち殺し」のような、子供じみてはいるが抗しがたい黒い心。でもこの機能は、「AIBOを買ったけれどどうしたらいいかわからん」という人のためのもので、愛玩ロボットがもっと一般的になればなくなってしまうのだろう。
 それにしても「AIBO」、1999年にして家庭向けにロボットが売られる時代になったというわけで、何ともすごいものだと思う。25万円かぁ。ロビタや電気羊はいくらだったのかなぁ。