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独学で過払い金返還訴訟に勝つ

【元記事:独学で過払い金返還訴訟に勝つ:d:id:manpukuya:20061018:book

[画像:「asahi.com: 本人訴訟で過払い金取り返す」]という記事がasahi.comに載っていた。

消費者金融信販会社などに不要な「過払い金」を支払い続けた京都市内の女性(44)が、書店で手にした法律書を読んで一念発起、弁護士らに頼らぬ本人訴訟に持ち込み、貸手11社から約365万円を取り返した。残る1社への返還請求訴訟も、最高裁が本人訴訟としては異例の上告受理を決定。20日に弁論が予定され、敗訴した二審判決見直しの公算が大きい。女性は「お金がなくてもできるんです」と、全国200万人以上、といわれる多重債務者を励ます。

(中略)

(脱サラがうまくいかず、返済がふくらんでいった話から)転機は03年。女性は立ち寄った書店で、本の背表紙に目をとめた。「クレサラ(クレジット・サラ金の略称)訴訟の実務」。買える金はない。その場でむさぼり読んだ。本来支払う必要のない法定利息を上回る過払い金の存在を知り、店の帳簿を繰って返済総額をはじき出してみた。

asahi.com: 本人訴訟で過払い金取り返す 立ち読み、図書館で猛勉強-関西

そして、あまりの額に驚くことになる。法律上支払う必要のないお金を払い続けてきたことを知り、「絶対に取り返してやろうと思いました」。過払い金の返還請求を始める。

過払い金の返還請求は、一般に(1)債権会社に返還請求書を送付(2)返済に応じなければ調停申し立てや提訴(3)和解や判決など――という流れ。女性は家計に余裕がなかった。独力で闘うことを決意し、法律は書店での立ち読みや図書館通いで学んだ。各社へ返還請求書を送る切手代や、提訴に必要な印紙代も工面できない。小銭をためて金券ショップで切手を買い、配達証明郵便で請求書を発送した。

頻繁だった貸手からの返済の督促電話はぴたりとやんだ。大半の会社が請求を無視したため、女性は法律書の説明に従い、手書きの訴状で03年8月、京都地裁消費者金融1社を提訴した。8カ月後、和解で過払い金30万円が手元に戻ってきた。これを元手に、ほかの会社を次々に訴えていった。

asahi.com: 本人訴訟で過払い金取り返す 立ち読み、図書館で猛勉強-関西

すごいバイタリティ。「エリン・ブロコビッチ」のような痛快さ。

あとですね、この記事で「やっぱり本は頼りになる」と思ってもらえるといいなとも思った。立ち読み(=書店や出版社は儲からない)だからどうこうとは思わない。ネットで得られる情報より、本の方が信頼できると思われれば、次は書店で本を買ってくれるだろう。

記事で紹介されていた本はこれ。

簡裁クレサラ訴訟の実務―その防御と攻撃

簡裁クレサラ訴訟の実務―その防御と攻撃

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 民事法研究会
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本

これは今は増補改訂版になっている。それがこれ。

簡裁消費者訴訟の実務―クレサラ・悪質商法被害への対応

簡裁消費者訴訟の実務―クレサラ・悪質商法被害への対応

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 民事法研究会
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 単行本

「貸す側は1日も、1円も、返済をまけてくれなかった。だから、私は徹底的に争った。法律と無縁だった私にできたのだから、多重債務で悩む多くの人も勇気を出して、人生を取り戻してほしい」

asahi.com: 本人訴訟で過払い金取り返す 立ち読み、図書館で猛勉強-関西

うーんすごい。こういう一念発起は、なにが契機になるかわからない。この女性の場合、過払い金の額が心に火をつけたことになる。

私たちは、やればよいとわかっていても、ついつい先延ばしにしてしまうことがある。その点この女性は本当に偉い。戻ってきた金額だけでなく、その過程で得た経験にも大きな価値があると思う。

いまの景気はなに景気

【元記事:いまの景気はなに景気:d:id:manpukuya:20061018:keiki

現在の好況が2002年2月から2006年10月まで57カ月続き、「いざなぎ景気」(1965年から1970年)に並んだとのこと。となるとなにか名前をつけたくなる。

さっそく募集していた記事があった。

この記事では、候補を挙げずにフリー回答を求めた結果、「リストラ景気」の応募が一番多かったとのこと。

個人的には、3位だった「小泉景気」を推したい気分。小泉首相の在任期間は2001年4月26日から2006年9月26日で、期間はおおむね重なっている。

ほかに、好況感のない好景気ということで「かげろう景気」とか「まぼろし景気」も考えたけれど、これらはたとえば「バブル景気」のような、すぐにわかるイメージではない。やっぱり「小泉景気」かな。これは時代の雰囲気をよく表している気がする。どうでしょう。